
もうすぐ塩鮭が美味しい季節がやってくる
そのまま食べても美味しいですし、フレークにしても美味しいんですけど、やっぱり、わたしは鮭といえば焼き鮭が大好きで、程よい塩加減のものをいただくたびに「生きててよかったな」と思うのです。
旅館やホテルでは朝食に提供されることも珍しくないので、朝食に食べるという家庭もあるでしょう。わたしは朝食はバナナとヨーグルトしか食べないので、お店で買ってきた鮭を夜に焼くという形がほとんどになります。昼に食べるとしたら、定食でいただくくらいでしょうか。
昔は保存食としての意味合いが強く、かなりの量の塩が刷り込まれることもあったようです。新巻鮭は有名ですよね。とはいえ、今は新鮮な塩鮭を買ってきたら、基本的には当日中に焼いてしまいますから、保存食の意味合いは薄まっています。ただ、「ひとかけらでいっぱいのご飯が食べられる」と話題になった秋田県のぼだっこには、かつての名残が感じられるような気がします。
十代の頃は脂身が多めの塩鮭が大好きでした。とてもジューシーで、とろけるような風味を感じた時、わたしはこの上ない幸せを感じたのです。牛肉や豚肉にも脂身が多いといいますか、食べごたえのある部分が少なからずありますが、わたしは塩鮭の方が満足していたかもしれません。もちろん、生の鮭もよくいただいていましたし、トロサーモンも大好きなんですが、しっかり良い感じに焼けた塩鮭は別格の美味しさがあると信じて疑いませんでした。
でも、成人してから、身が引き締まった塩鮭の良さがわかるようになってきたんですよね。「脂命!!」と公言していたのに、今となっては脂身が少なめの秋鮭を好むようになってきました。まだ二十六歳になりかけの二十五歳なので、それほど胃腸の様子が変わってきたわけでもないんですが、ちょっと食の好みが以前とは変わってきたんです。食材本来の風味を楽しんだり、ひとつひとつの調味料の役割や料理の過程をきちんと知ったりしながら、その料理をじっくりと楽しんでみようという趣向の変化も影響しているのではないかと思います。
自宅で焼いた鮭には、自宅で焼いた鮭の美味しさがあります。やっぱり、外でいただく時よりも落ち着きますし、加減を調整できますから。しかしながら、和食のお店でいただく鮭は、また違った魅力に満ち溢れているのです。その季節に合った鮭を使うので、「鮭にこんな旨味があったのか」と驚かされることもしばしば。だからこそ、ぜひ、一度はお店で食べてみてほしいのです。お酒と一緒でもかまいません。
鮭に限らず、もうすぐ味覚にはたまらない季節がやってきます。食べ過ぎないように、偏りすぎないように、ひとつひとつの食事を大切にいただきたいものです。
2026.9.15
坂岡 優