
嫁の居ぬ間に朗読【みどり】
嫁の居ぬ間――
それは自己の欲求を、ごくごくほんの僅かに開放する時間。
嫁の居ぬ間――
それは普段の役割を少しだけ、ほんの上半身だけ脱ぎ、未知なる自分と対峙する場。
嫁の居ぬ間――
これ以上は怖くて言えぬが、ラインの通知さえ気にしておけば、きっと有意義に過ごせるであろうひととき。
それが
嫁の居ぬ間。
私は朗読をしようと思う。
なぜこんなくだらない前置きをおいたのか。
それは恥ずかしいからに他ならない。
いや、朗読自体は素晴らしい。
私も何度もしーなさんの朗読に癒されたかわからない。
ただ、私の人生で朗読というものを本気で取り組んだことがなかったこともあり、スマホを前にするともじもじうじうじして、なかなか恥ずかしさが抜けなかったのだ。
そして、その恥ずかしさのまま記事を書いている。
声と言うのは私の実成分そのものだ。
だから。
だからこそ、公開する価値がある。
私の恥ずかしさがBGMだったりSEになって具現化しているが、どうか気にせずに聞いてもらえると嬉しい。
ちなみに、いつもの声よりオクターブ高い。
サ行が思ったより苦手なことに気づいた。
きれいも汚いもあったもんじゃない。ぐちゃぐちゃだ。絵の具の付いた筆を小さな水桶で洗う。
膝の上に置いた画用紙に筆を乗せれば、するり。青色が目にまぶしい。
わたしは静養のために、人里離れた農村に身を寄せていた。期間はこのひと夏だと叔父から聞いていたが、騙されたようだ。夏が終わろうとする今も迎えはない。
わたしの病気も治らないのかもしれない。
それなら、と思い切って外に出ることにした。山の手にいた頃は禁止されていたが、ずっと外の景色に興味があったから。
事実、この村の景色はうつくしい。豊かだ。
「いなくなるなら、ここで」
うつくしいものが一等すき。自分で言うのもなんだが、わたしの見目も悪くはないと思う。
だから、ねぇ。
「連れて行くなら早く」
病で葉が枯れる前に、秋が来る前にどうか。目の前に広がる碧に願いをかける。
「おーい、 」
遠くからわたしを呼ぶ声がこだまして、消えた。
ようさんへ
素敵な物語をありがとうございます!
朗読をした時に、読んだ時とは違う感情がでてきたのがわかりました。
完全に私の解釈なのですが、聞いてください。
妄想した設定は次のとおり。
――時代は昭和初期。
彼女は地方の豪商の娘として生まれた。
裕福で、幼いころから学問や芸術を修めた彼女だったが、若くして結核を患ってしまう。
彼女は、失意の中、両親の元を離れ、叔父の生家のある農村で静養することとなった。
空気の良い田舎の景色。
どこまでも突き抜ける空と大地は碧く、彼女は次第にその景色に心を奪われていく。
そして、どこかで自分がもう山の手へ帰れないことを察している。
そんなおり、自分を呼ぶ声があった。
それは、叔父の声であったのか、彼女に思いを寄せる青年の声であったのか、それとも――
という感じで作ってみました!
貴重な経験ありがとうございました🍷