メインコンテンツへスキップ
見出し画像

第6話|電話までIP化するってどういうこと?

    前回はTCPとUDPについて調べた。

    データを確実に届けたい通信と、多少の欠けがあっても遅れを抑えたい通信では、使う仕組みが違うらしい。

    そこで出てきたのが、音声通話や動画配信の話。

    そういえば、仕事でも「IP電話」「IP-PBX」「クラウドPBX」という言葉を見かける。

    電話なのにIP?

    IPアドレスはパソコンやスマホが通信するときに使う番号だと思っていたけど、どうやら電話も同じネットワークの話につながっているらしい。

    そもそも電話のIP化って何?

    まず、IPはInternet Protocol(インターネット・プロトコル)の略。ネットワーク上でデータを届けるためのルールのこと。

    従来の固定電話は、電話用の回線や交換機を使って音声を届ける仕組みが中心だった。

    一方、電話のIP化とは、音声をデジタルデータに変換し、IPネットワークを使って届けること。

    この仕組みをVoIP(ボイプ:Voice over Internet Protocol)という。

    たとえば、「もしもし」と話した声が、そのまま一本の線を流れていくのではなく、小さなデータに分けられて相手に送られる。受け取った側では、そのデータを音声に戻して再生する。

    つまり、メールやWebサイトを見るときに使っているIPの仕組みで、電話の声まで運べるということらしい。

    ただし、IP化したからといって、必ずインターネットを経由するわけではない。会社の中のネットワークや、通信事業者が用意した専用のIPネットワークを使う場合もある。

    会社の電話はどう変わる?

    ここで気になったのが、会社の固定電話。

    会社には、外線を受けたり、内線で別の部署に取り次いだりする仕組みがある。

    その中心にあるのがPBX(ピービーエックス:Private Branch Exchange)。日本語では構内交換機というらしい。

    簡単にいえば、会社の電話を振り分ける役割を持った設備。

    従来は、電話機とPBXを電話用の配線でつないでいた。ところがIP化すると、電話機を社内LAN(ラン)につないで利用する構成もできるようになる。

    さらに、PBXの機能をクラウド上で提供するサービスもある。

    そうなると、専用の電話機だけでなく、サービスや設定によってはパソコンやスマホを会社の内線として使うこともできる。

    これが少し面白い。

    会社に電話がかかってきたとき、必ずしも自分の机にある電話機で取る必要がなくなる。外出先のスマホで会社宛ての電話を受けたり、社内の人に取り次いだりできる仕組みもあるわけだ。

    もちろん、スマホを持っていれば勝手にそうなるわけではない。電話サービスの契約やシステムの設定が必要になる。

    それでも、電話とネットワークがつながると、できることがずいぶん変わる。

    じゃあ、TCPとUDPはどこに関係する?

    ここで前回の話に戻る。

    音声もデータなら、ネットワークで送るときには通信のルールが必要になる。

    IP電話では、リアルタイムの音声を運ぶために、UDP(ユー・ディー・ピー)を使うことが多い。

    電話中に数秒前の声が遅れて届いても困る。相手が「もしもし」と言ってから何秒も経って返事が聞こえたら、まともに会話ができない。

    だから音声通話では、データを一つ残らず再送してそろえることよりも、遅れを抑えて会話を続けられることが重要になる。

    ただ、UDPを使えば絶対に遅れないわけではない。ネットワークが混雑すれば音声が途切れたり、遅延したりする。

    電話をIP化するなら、ネットワークの安定性や通信品質も考える必要がある。

    便利になる一方で、ネットワークや電源に障害が発生すると電話も使えなくなる可能性がある。電話だけ別に考えていた時代とは、気にするところも変わってくる。

    さらに調べてみると、電話をつなぐための制御にはSIP(シップ:Session Initiation Protocol)、実際の音声を運ぶためにはRTP(アールティーピー:Real-time Transport Protocol)という仕組みがよく使われるらしい。

    RTPはUDPの上で使われることが多い。
    つまり、電話をつなぐ仕組みと、声を届ける仕組みは別々の役割を持っている。

    ここまで調べたIP電話の仕組みを、一枚の図に整理してみた。

    画像
    IP電話経路図


    ようやく知識がつながってきた

    最初はIPアドレスが何なのかも分からなかった。

    そこからサブネットマスク、MACアドレス、TCPとUDPを調べて、今度は電話の仕組みにたどり着いた。

    別々の用語を覚えているつもりだったけど、実際には一つのネットワークの中でつながっている。

    今回分かったのは、電話のIP化とは、音声をデータに変えてIPネットワークで運ぶ仕組みにすること。

    そして、ただ電話線をLANケーブルに替えるだけの話ではないということ。

    電話の仕組みが変われば、会社の電話の使い方まで変わる可能性がある。

    じゃあ、その電話を振り分けているPBXって、具体的には何をしているんだろう。

    まだまだ知らないことが多い。

    でも、少しずつ全体像が見えてきた気がする。

     
     
    分からなかったこと。 勘違いしていたこと。 仕事で初めて知ったこと。 勉強して「あ、そういうことか」とつながったこと。 そんな学びの途中を、そのまま残していきます。

    あなたへのおすすめ