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「経枈孊者も、民䞻䞻矩を信じすぎおいないだろうか」前線

     経枈孊者は、いろいろな人がいるけれど、どうも信じられないような気がするのは、どこか予蚀者的に振る舞っおいるように芋えるからだけど、テレビで玹介されおいた経枈孊者は、経枈砎綻をした埌のギリシャを、財務倧臣ずしお建お盎したず蚀われる「実践」をした人だったから、信じられるように思った。

     だから、よけいにその人の本を読もうずした。

     それもありがたいこずに、「分かりやすい」内容らしかった。

    『父が嚘に語る 矎しく、深く、壮倧で、ずんでもなくわかりやすい経枈の話』  ダニス・バルファキス

     実際に「嚘」がいるらしいので、仕方がないずは思うのだけど、こうした「分かりやすい」ずいうタむトルだず、「父が嚘に教える」パタヌンが倚いこずは、ちょっず気になるものの、確かに、経枈がずおも遠いものずしお語られおいないし、長い歎史から觊れられおもいる。

    人類が蟲耕を「発明」したこずは、本圓に歎史的な事件だった。䞇幎経ったいた、振り返っおみるずその倧切さがよくわかる。それは、人類が自然の恵みだけに頌らずに生きおいけるようになった瞬間だった。

    蟲䜜物の生産によっお、はじめお本物の経枈の基本になる芁玠が生たれた。それが「䜙剰」だ。 

     そう考えれば、「経枈」の歎史は思った以䞊に叀く、「文字」も「宗教」も、その「䜙剰」ず深く関係があるこずも瀺されおいる。「文字」は、「䜙剰」を蚘録するために生たれたず䞻匵されおいるし、「宗教」も「暩力」ず「䜙剰」に関係しおいる、ずいう。

     では、支配者たちはどうやっお、自分たちのいいように䜙剰を手に入れながら、庶民に反乱を起こさせずに、暩力を維持しおいたのだろう
    「支配者だけが囜を支配する暩利を持っおいる」ず、庶民に固く信じさせればいい。自分たちが生きおいる䞖界こそが最高なのだずいう考えを怍え぀ければいい。すべおが運呜によっお決たっおいるのだず思わせればいい。䞭略
     その時代は、䜙剰が党員に行きわたるほど倚くはなかったので、食べ物をほんの少ししかもらえない庶民がい぀反乱を起こしおもおかしくなかった。宗教の裏付けがなければ、支配者の暩嚁は安定しなかった。だから、䜕千幎にもわたっお、囜家ず宗教は䞀䜓ずなっおきたのだ。  

    囜家はい぀も金持ちに圹立぀保険を䞎えおきた。そしお金持ちはあの手この手でそうしたコストの負担を避けおきた。

     そんな長い構造的な「歎史」があるのなら、「支配者」でも「暩力者」でも「金持ち」でもない私のような人間には、「経枈」を、こうしお少しでも知るず、未来に察しお、元々絶望的だったのに、さらに絶望を重ねるようなこずにしかならないのだろうか、ず思う。

    経営者の倢は、どの䌁業よりも先に劎働者を完党にロボットに眮き換えお、利益ず力を独占し、ラむバル䌁業の劎働者に自分たちの補品を売り぀けるこずだ。䞭略マトリックスのような瀟䌚が埅っおいるこずを、私は恐れおいる。しかしその瀟䌚を支配するのは機械ではなく、カネず力のある巚倧テクノロゞヌ䌁業の経営陣だ。

    経枈の専門家

     さらには、経枈の専門家、ずいう存圚に察しおは、同業者でありながら、かなり厳しい芋方をしおいる。

     経枈理論や数孊を孊べば孊ぶほど、䞀流倧孊の専門家やテレビの経枈評論家や銀行家や財務官僚がたったく芋圓はずれだっおこずがわかっおきた。
     䞀流の孊者は芋事な経枈モデルを぀くっおいたが、そうしたモデルはこの本に曞いたような珟実の劎働者やおカネや借金を勘定を入れおいない。だから垂堎瀟䌚では圹に立たない。
     二流の経枈評論家たちは、自分が厇める䞀流の経枈孊者のモデルを理解しおいないばかりか、自分の無知を気にもずめおいないようだった。
     そんな「専門家」の話を聞くに぀け、圌らが倧昔の占い垫のように思えおきた。

     特定の誰、ずいうわけではないけれど、それは、囜が違っお、時代が倉わっおも、経枈理論や数孊を孊んでいなくおも、「経枈の専門家」を自称する人たちに察しお、それに近い印象は抱いおきた。

     経枈予枬が間違うずい぀も、そもそも最初から間違っおいるその迷信のような考え方によっお間違いを説明する。そしお、たたに新しい考え方が出おきお、最初の間違いが説明される。
     たずえば「自然倱業率」ずいう考え方は、垂堎瀟䌚が完党雇甚を実珟できない理由をうたく説明するために぀くられた抂念だ。そしお、専門家がそれをきちんず説明できない理由をうたく説明するために぀くられた抂念でもある。
     もっず䞀般的に蚀うず、倱業ず䞍況は競争䞍足が原因だずされおきた。そこで「芏制緩和」によっお競争を促進するこずが解決策だずされおいる。銀行家や支配局を政府のしがらみから解攟するのが芏制緩和だ。この芏制緩和がうたくいかない堎合には、民営化によっお競争が促進されるずいう。民営化でもうたくいかない堎合には、劎働垂堎が問題だずされる。組合の干枉や犏祉ずいう足かせを取り陀けばいいずされる。そんな説明が終わりなく続いおいく。 

     そうした光景には、なじみがある。今も、芋続けおいるように思う。だけど、それは、未来に察しお、ただ、光の照床を萜ずすだけの事実のように思える。

     私が次のようなこずを蚀うず、仲間の経枈孊者はもちろん腹を立おる。
    「経枈孊者も星占い垫みたいに科孊者のふりをし続けおもいいのかもしれない。だが、経枈孊者はどちらかずいうず科孊者ではなく、どれほど賢く理性的であっおも人生の意味を確実に知るこずはできない哲孊者のようなものだず認めたほうがいいのでは」
     しかし、経枈孊者がせいぜい䞖慣れた哲孊者のようなものだず癜状しおしたったら、もはや垂堎瀟䌚を支配する人たちは経枈孊者を歓迎しおはくれなくなるだろう。圌らの正圓性は、経枈孊者が科孊者のふりをするこずで担保されおいるのだから。

     では、どうすればいいのだろうか

    「民䞻䞻矩」ずいう凊方せん

     著者は、ここで「民䞻化」ずいう抂念を出しおくる。

    この本で芋おきたように、経枈に぀いおの決定は、䞖の䞭の些现なこずから重倧なこずたで、すべおに圱響する。経枈を孊者にたかせるのは、䞭䞖の人が自分の呜運を神孊者や教䌚や異端審問官にたかせおいたのず同じだ。぀たり、最悪のやり方なのだ。

     確かに、この本を読んでいくず、「経枈」がすべおを支配しおいるようにさえ思えおくるし、それが「暩力」ず匷く結び぀き、栌差は広がり、この状態を促進するのが「経枈」のように感じ、だから、諊めそうになるけれど、それではダメだずも蚀っおいる。

     そのこずは、「蚳者あずがき」に、わかりやすくたずめおくれおいる。

    バルファキスは本曞で、「誰もが経枈に぀いおしっかりず意芋を蚀えるこず」が「真の民䞻䞻矩の前提」であり、「専門家に経枈をゆだねるこずは、自分にずっお倧切な刀断をすべお他人にたかせおしたうこず」だず蚀っおいたす。

    「蚳者あずがき」より

     そしお、これからどうすればいいのか?ずいうテヌマになるず、「民䞻䞻矩」に぀ながっおいく。

     暩力者が奜きなのは「すべおの商品化」だ。䞖界の問題を解決するには、劎働力ず土地ず機械ず環境の商品化を加速し広めるしかない、ず圌らは蚀う。
     反察に、僕がこの本を通じお䞻匵しおきたのが「すべおの民䞻化」だ。

      その䞀䟋ずしお、こんな話もあげられおいる。

     すべおの人に恩恵をもたらすような機械の䜿い方に぀いお、ひず぀アむデアを挙げおみよう。
     簡単に蚀うず、䌁業が所有する機械の䞀郚を、すべおの人で共有し、その恩恵も共有するずいうやり方だ。たずえば機械が生み出す利益の䞀定割合を共通のファンドに入れお、すべおの人に等しく分配しおみおはどうだろうそれが人類の歎史をどんな方向に倉えおいくか、考えおみおほしい。 

     これは、民䞻䞻矩のさらに進んだ圢ず蚀われおいた「共産䞻矩」のようにも芋え、その「共産䞻矩」は倱敗に終わったはずだけど、どちらにしおも、そんなに民䞻䞻矩を信じおいいのだろうか。

    䞖玀の資本

     個人的には、ここ幎でも、最も重芁な経枈に関する曞籍↑だず思うのは、ここ幎以䞊の資料を可胜な限り調査した䞊で、蚘した本だからだ。

     これたで、経枈の専門家は、自分なりの根拠や理論をもずに、ずっず未来の予枬をする行為を繰り返しおきたように芋えおいたから、信じるこずが難しかった。

     だから、「䞖玀の資本」のピケティのように過去の事実を元にしお、実蚌的に調査・分析した䞊での結論を出した経枈孊者が存圚するこずを初めお知り、しかも、その結論は、資本䞻矩の基本構造が、元々栌差を生むずいうように読めた。

     それは、「r>g」ずいう数匏を明らかにしたからだ。

    この䞍等匏が意味するこずは、資産 (資本) によっお埗られる富、぀たり資産運甚により埗られる富は、劎働によっお埗られる富よりも成長が早いずいうこずだ。蚀い換えれば「裕犏な人 (資産を持っおいる人) はより裕犏になり、劎働でしか富を埗られない人は盞察的にい぀たでも裕犏になれない」ずいうわけだ。

    「倧和ネクスト銀行」おすすめコラムより

     この蚘事自䜓は、だから、投資を考えた方がいい、ずいった結論になっおいくのだけど、私にずっおは、「䞖玀の資本」を読み、その分厚さず、難しさで理解が足りないのではないか、ず思っおいたこずが、やはり、基本的には間違っおいない、ずいったこずを確認するためにも、この匕甚郚分は重芁だった。

    栌差は珟圚も拡倧に向かっおおり、やがおは䞭産階玚が消滅するず考えられる。この䞍均衡を是正するためには、环進課皎型の財産皎や所埗皎を蚭け、タックス・ヘむブンぞ資産を逃がさないように囜際瀟䌚が連携すればよいずいうのがピケティ氏のアむデアだ。

    「倧和ネクスト銀行」おすすめコラムより

    民䞻䞻矩ぞの信頌

     「䞖玀の資本」が幎に和蚳されたあずは、ブヌムのように、こうしおあちこちのメディアで、ピケティを芋る機䌚が倚かったのだけど、そのうちにその回数が急速に枛った気がした。

     それは、もしかしたら珟代の「支配者局」に郜合が悪い事実だから、あたり広く、長く取り䞊げられなくなったのだろうか、ずいった「陰謀論」のようなこずを思っおしたうほど、その重芁床に比べお、その広がりが十分ではないように感じおいた。

     䜕の番組で芋たのかははっきりず芚えおいないのだけど、この栌差が広がる構造を持った資本䞻矩に察しお、どうしおいったらいいでしょうか、ずいった質問をされたずき、ピケティの答えも、民䞻䞻矩の力を信じる、ずいったこずだったように蚘憶しおいる。

     この蚀い方の现かいずころは違っおいるかもしれないが、そこで資本䞻矩の足りない点、いきすぎるずころに関しお、民䞻䞻矩で察抗する、みたいなニュアンスは確かにあったようだった。

     経枈孊者、それも珟状に察しお批評的に、もしくは批刀的に考えおいる人も、どうしお、そんなに民䞻䞻矩を信じおいるのだろう、ず思っおしたった。

    民䞻䞻矩の理想ず珟実

    ゚むブラハム・リンカヌン倧統領が、「人民の、人民による人民のための政治」ずいうフレヌズで有名な「ゲティスバヌグ挔説」を行った。

     おそらく、このリンカヌンの蚀葉が、民䞻䞻矩の「定矩」でありそうだずしたら、かなり曖昧だけど、もしかしたら「理想」なのかもしれない。

     それから幎月が経っお、珟圚の日本では、間接民䞻䞻矩を採甚しおいお、戊埌は、成人した人に察しお、性別を問わず遞挙暩があるので、民䞻䞻矩ずしおは、かなり「正しいシステム」を採甚しおいるはずだ。

     今の、日本の䞎党は「自民党」で、正匏名称は「自由民䞻党」で、民䞻䞻矩の倧事な芁玠だけでできおいる政党名だけど、それが皮肉に思えるほど、「差別的」な発蚀を繰り返す議員を入閣させる政党でもある。

     たた、コロナ犍で、さらに栌差が広がる危険性に察しお、「人民のために」䜕か察策をうっおいるようにも芋えない。

    「リヌマンショックのずきも非正芏劎働者は真っ先に被害に遭いたした。それが、再び繰り返されおいるずいうこずです。政府や䌁業がリヌマンショックから䜕も孊ばず、非正芏劎働者の身分保障を䞀切しおこなかった、議論が党然進んでこなかった。それが露呈しおいるず蚀っおいいでしょう」

     それでも、今の日本は、バルファキスや、ピケティが「信頌」しおいる民䞻䞻矩を採甚しおいるのは間違いないのに、このたただず、経枈栌差が瞮小したりずいった「奜転」する芁玠が芋出せない。

     リンカヌンの蚀葉に戻れば「人民の、人民による」政治にずどたっおいお、「人民のための」政治になっおいないずいうこずなのだず思う。

     だけど、それは私が単に䜕か重芁なこずが芋えおいないだけなのだろうか。それずもシンプルに、理解が足りおいないのだろうか。

     そうなるず、ここ䜕幎かでよく聞くようになった「ポピュリズム」のこずを考えなくおはいけないのだろうか。

    ポピュリズム

    ある政治問題に察しお䞀定以䞊の芋識があり、冷静で合理的な刀断を䞋すこずのできる囜民よりも、䞀時的な感情や空気によっお政治的態床を決めおしたう倧衆の意思を重芖し、そんな人々の支持を集めるやり方で政治的基盀を䜜り䞊げる手法をポピュリズムずいうこずが倚いです。

     この定矩自䜓は分かりやすいが、さらに、こうしたむタンビュヌ↓を読むず、もう少し耇雑なのかもしれない、ずは思う。

     本に詳しく曞きたしたように、珟代のポピュリズムは反デモクラシヌずは蚀えたせん。むしろ、グロヌバル化やペヌロッパ統合ずいった、゚リヌトが民衆の意芋を無芖しお䞀方的に進める動きぞの反発が根底にありたす。それがペヌロッパの倚くの囜のように右掟ポピュリズムずなるこずもあれば、スペむンのように巊掟ポピュリズムの圢をずるこずもある。
     たた歎史をたどれば、南北アメリカいずれにおいおもそうであったように、ポピュリズムには、「暩力を独占する゚リヌトに察する民衆の解攟運動」ずいう偎面がありたした。その点でも、「ポピュリズムはデモクラシヌを脅かす害悪だ」ず䞀方的に断ずるこずには慎重であったほうがいい。ポピュリズムは䞡矩的な存圚だず思いたす。


     比范的シンプルに蚀ったずしおも、たた、歎史を螏たえお䞡矩的な意味があるず理解したずしおも、どちらにしおも、「ポピュリズム」は、オヌ゜ドックスな「民䞻䞻矩」もしくは「あるべき民䞻䞻矩」ずは違う、ずいうような芋方になっおいるように思う。


     ただ、個人的には、「民䞻䞻矩」ず「ポピュリズム」は、同じなのではないか、ずいう印象がある。

     違いがあるずすれば、遞挙の結果が予想に反しお、もしくは、冷静さよりも熱狂が重芖され、知識階玚から芋お「望たしくない遞挙結果」になった時だけ、たずえば、アメリカがトランプ倧統領を遞んだ時のように「ポピュリズム」ず呌ばれるだけではないか、ずも思っおいる。



    ※さらに、経枈ず民䞻䞻矩に぀いお、もう少し考えるために「埌線」に続きたす。




    他にも、いろいろず考えおいたす↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです。




    #SDGsぞの向き合い方   #経枈   #䞖玀の資本
    #ダニス・バルファキス #ピケティ   #民䞻䞻矩   #ポピュリズム
    #経枈栌差   #毎日投皿   #掚薊図曞
    #父が嚘に語る 矎しく、深く、壮倧で、ずんでもなくわかりやすい経枈の話

     
     
    幎月投皿開始。珟圚、蚘事数は玄。「曞くこずが、仕事になる」を目指し、幎月からは、毎日、noteに投皿を続けおいたす。暮らしたわりの出来事を、曞くこずが倚くなりたした。東京郜圚䜏。

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