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俺のスピ道 2

    先生「今日は海に来ましたね...海の碧と空の青が溶けてとても気持ちがいいです。」
    弟子「はい。先生。」
    先生「今日はパワーストーンを持っていますか。」
    弟子「はい。昨日数珠が半額だったので買いました。」
    先生「よろしい。あなたは今もライトワーカーですね。」
    弟子「はい。電器屋に勤めて14年になります。」
    先生「ではここで...宇宙の仲間たちを呼びましょう。」
    弟子「先生。それは、UFOを呼ぶんですね。こんな真っ昼間ですが。」
    先生「昼も夜も関係ありません。私が呼んだら、彼らは必ず来てくれます。」
    弟子「先生すごいです。いやあ、入会費で2000万円払った甲斐があるなあ。」

    宇宙人A「おい、おい、やばいて。何かやばい奴ら呼んでるて。」
    宇宙人B「んもお放っとけやそんなん。相手しとったらキリないど。」
    宇宙人A「いやいやいやいや、ちゃうねんて。あの着物着たおばはん、こっち向かって手ぇ振ってんねんて。何か石みたいなもん持ってるわ。」
    宇宙人B「チッ、何で俺らが石きっかけで降りてくる思たんやろな。」
    宇宙人A「せやねん。俺らの星にもな、石みたいなもん、腐るほどあるやんけ。何で俺らが今さらそんなもんに興味持たなあかんねん。おまえらより何千年も科学進んどるっちゅう話やんけ。」
    宇宙人B「腹立つわあ。見てみあの顔。撃ったろけ。」
    宇宙人A「いや撃つのはあかんて。何か色々めんどくさいって。」

    弟子「先生。なかなか降りてきませんね。」
    先生「大丈夫。さあ、笑みを絶やさず。呼びかけましょう。私たちはあなたの仲間ですと。」

    宇宙人A「めちゃくちゃ自信満々で微笑んでるやんけ、あのおばはん。引くわ。」
    宇宙人B「あんな自信満々で微笑まれたら、猫かて逃げよるで。」
    宇宙人A「どないする。可哀想やし、一回だけ光ったる?」
    宇宙人B「おまえそういうとこほんまに甘いな。まあええわ、一回だけやで。そんなん相手しとったらキリないからな、ほんま。」

    弟子「先生。先生。いま何か光りました。すぐ消えましたが....」
    先生「近いようですね。」
    弟子「あと少しですね。何が足りないのでしょう。」
    先生「いま宇宙人の間では、梅沢富美男の“夢芝居”が大流行していると聞きました。あなた、ここで歌いなさい。」
    弟子「わたしが?」
    先生「ええ。あなたが歌うのです。」

    宇宙人A「うわ、あのおっさん、夢芝居歌い出しよったで。しかも出だしから声かすれてもうてるし。」
    宇宙人B「いかついな。あんなん下手したら通報されるヤツやで。」
    宇宙人A「夢芝居が流行ってたん、だいぶ前やで。そこがピント狂てんねん、あいつら。」
    宇宙人B「いま流行ってんの、レニー・クラヴィッツのロックンロール・イズ・デッドやもんな。」
    宇宙人A「何かあのおっさん可哀想やわ。どないする?降りたる?」
    宇宙人B「やめとけって。降りるておまえ、どこ降りんねん。ここ駐車禁止の道ばっかやぞ。」
    宇宙人A「あっこのコインパーキングでええやんけ。」
    宇宙人B「アホか、こないだもコインパーキング停めて、調子乗って朝まで置いてたら一晩で900円いかれたやんけ。」
    宇宙人A「そういやお前、そん時の金、俺が全部出してるやんけ。半分返せや。」
    宇宙人B「いや、別に450円くらい返したるけど、その前にお前、俺から300円借りてるやろ。すぐ返せや。」
    宇宙人A「ほんなら差し引きで150円でええから今すぐ返してくれや。」
    宇宙人B「...チッ、万札しか持ってへんわ。釣りくれ。」
    宇宙人A「そんな万札出されて釣りみたいあるかい。ほんならあっこのコンビニ寄ろうや。おまえ万札崩して来いや。」
    宇宙人B「万札崩すのになんか要らんもん買わなあかんやんけ。おまえ150円くらいおごってくれてもええんちゃうんか。」
    宇宙人A「そんな大きい声出すなや。」
    宇宙人B「あ?」
    宇宙人A「あ?」
    宇宙人B「150円くらいでぎゃあぎゃあ吐かしやがって。やったろかおまえ。」
    宇宙人A「あ?」
    宇宙人B「あ?」
    宇宙人A「とにかくもうそろそろ戻らなあかんから、そろそろ帰るけども。おまえ後で絶対150円返せよ。」
    宇宙人B「嫌いやわ。そういうケチなとこ。」
    宇宙人A「ああ?」
    宇宙人B「顔近づけんなや。ほんま後でいてもうたるからな、おまえ。」

    弟子「先生。宇宙人は降りて来ませんでしたね。」
    先生「きっと、きっと彼らにも深い事情があるのでしょう。今日はそろそろ帰りましょう。事情が整えば、彼らも降りて来るはずです。」
    弟子「はい。先生。」

    宇宙人A「おまえ何胸倉つかんでんねん、運転しづらいやんけ。離せや。」
    宇宙人B「おまえも髪の毛つかんでくんなや、ほんま後でやったるからなおまえ。」

    (終わり)


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