
続きの話|ちゃんと文芸部
続・天気の話
「あ、乗ります。すみません」
「どうぞ。一階でいいですか」
「はい」
「えっと、三〇二の方ですよね」
「ええ……五〇一号室の方?」
「ごめんなさい。ドア越しに、お部屋から出てこられるのが見えて」
「こちらこそ。封筒の差出人を、つい見てしまって」
「お互いさまですね。実は冷蔵庫にメモが貼ってあったんです。三〇二の方に続きを言うこと、って」
「うちにもありました。五〇一号室の方とお話しした、って」
「昨日の私たち、何の話をしてたんでしょう」
「さあ。天気の話、とか」
「あ、一階です。お先にどうぞ」
「いえ」
「え?」
「駅まで行かれるなら、ご一緒しませんか?」
「はい。じゃあ、私からも、続きをひとつ」
「はい」
「今度、お茶でもどうですか?」
hell_home/詩さんの企画に参加します
▼こちらの関連作品になります
①
➁