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なぜアイディオットは、内閣府の国家プロジェクトに採択されたのか

    こんにちは。株式会社アイディオット代表取締役の井上です。
    こちらの記事で、私たちがなぜ「物流」という社会課題に、最先端のテクノロジーで挑むようになったのか、その原点についてお話ししました。

    今回は、そんな私たちが、なぜ内閣府の国家プロジェクトに採択されることになったのか。いろいろな方から必ずと言っていいほど聞かれる、この質問について、その舞台裏をお話ししたいと思います。

    SIPという国家プロジェクト

    私たちは2021年から2023年3月の最終報告まで、およそ2年間にわたって、内閣府が推進する国家重点プロジェクト「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の第2期に参画しました。
    テーマは「スマート物流サービス」。この公募で採択されたのはわずか3件。東京大学や富士通など、大企業や研究機関も名を連ねる中で、私たちアイディオットもその一社として参画することになりました。
    SIPは、内閣府が日本の社会課題を科学技術によって解決するために進めている国家プロジェクトです。5年を1期として、社会にとって重要なテーマを設定し、国が予算を投じて、産学官が連携しながら研究開発や社会実装を進めていきます。フードチェーン、ヘルスケア、エネルギー、サーキュラーエコノミーなど、ニュースで耳にするような、社会の根底にある課題がテーマとして取り上げられています。
    その中の一つが、私たちが取り組んできた「物流」でした。

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    SIP(第2期) 研究開発計画の概要

    私たちが取り組んだ3つの実証実験

    第2期の「スマート物流サービス」において、私たちは以下の3つのテーマで研究開発・実証実験を行いました。

    1. サプライチェーンデータセットを活用した、物流企業本部向けの戦略を実現するデジタルツインシミュレーターの構築(戦略系)

    2. 交通・天災情報と配車・運行計画を利用した、物流企業向け業務改善シミュレーターの構築(実行系)

    3. 外部システム連携のフレキシビリティを持つ、物流特化型における炭素排出量可視化シミュレータの構築

    背景には、物流業界が直面している大きな社会課題があります。このまま何もしなければ、将来的に「荷物を運びたくても運べない」という事態が起こります。
    物流は、一つの業界の問題ではありません。物流が滞れば、食品も、日用品も、医薬品も届かなくなる。つまり物流の問題は、そのまま社会全体の問題につながります。国もこの危機を重要な社会課題として捉え、テクノロジーによる解決を進めようとしていました。
    そこに、私たちは応募しました。

    なぜ採択されたのか——「国の動き」を見る

    では、なぜアイディオットが採択されたのか。
    もちろん、技術や提案内容が評価されたことは大きいと思います。ただ、私自身はそれだけではなかったと考えています。
    実は2021年当時、私はSIPというプログラムの存在を知りませんでした。きっかけは、以前からお付き合いのあった大企業の方に教えていただいたことでした。インフラを担う大企業は、日頃から国とさまざまな対話や意見交換をしています。その中で、「テクノロジーの部分を担える会社」として、私たちに声をかけていただきました。
    ここで改めて感じたのが、「自分たちの事業は、国の動きと決して切り離されていない」ということでした。

    スタートアップとして事業を運営していると目の前の顧客やプロダクトに意識が集中しがちです。しかし、私たちが事業を行う社会には、法律があり、制度があり、国の方針やガイドラインがあります。つまり、私たちのビジネスは本質的に、国や社会とつながっている。私はこれを、広い意味での「産学官」だと考えています。
    法律やガイドライン、政府が発表する方針や将来構想。一見すると、自分たちのビジネスとは遠いように見える資料の中に、実はこれから社会が向かおうとしている方向が書かれています。そして、そこには自分たちが解決したい課題と重なる部分が、驚くほどたくさんあります。
    そのため、私が事業をつくるうえで大切にしていることがあります。それは、「自分たちの業界に関係する、国の資料を徹底的に読むこと」です。

    私自身、2019年頃から物流に取り組む中で出会ったのが、経済産業省などが提唱する「フィジカルインターネット」という物流の未来像でした。データやテクノロジーを活用し、社会全体で物流を最適化していくという考え方は、私たちが目指していた方向と非常に近いものでした。だからこそ、この思想を軸に会社やプロダクトを成長させてきました。
    国がどこへ向かおうとしているのか。社会がこれから何を必要とするのか。その動きを捉えながら事業をつくる。これは、今も私たちが大切にしている姿勢です。

    公的な実績を、社会実装へ

    私たちにとって、SIPへの参画は「国家プロジェクトに採択された」という実績だけではありません。そこで得た知見や技術、人とのつながりを、実際の社会課題の解決につなげていくことにこそ、大きな価値があると考えています。
    前回の記事でお話しした、「日本の物流には、アイディオットが入っている」——そんな未来に向けて。
    国家プロジェクトで得た経験を活かしながら、これからも社会に必要とされるテクノロジーを生み出し、実際に使われるところまで届けていきたいと思います。

    参考資料:
    戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) スマート物流サービス 研究開発計画

    最終成果報告書



     
     
    AIとデータで、社会の「当たり前」をもっと良くする。 アイディオットは、社会の仕組みの中に潜む、本質的な課題に、最先端のテクノロジーで挑む会社です。 物流をはじめ、社会インフラや産業の課題をデータで可視化し、より良い未来をつくっていきます。

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