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ほぼ自主制作CDを作ってみた。低予算小ロット制作と物販の現実メモ

    ※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。

    先日、こすもえらしぃの1st EP「いつか、明ける」をCDにしました。

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    CDジャケット、盤面歌詞カード

    今の時代、音源を聴いてもらうだけなら配信で十分です。

    それでも、聴いてくれた人が、帰りに手に取れるものが欲しかった。そういう理由で、3曲入りEPをCD-Rで小ロット制作しました。

    趣味の駆け出し地方アマチュアバンドの記念品的なCDなので、紙ケースに手書き盤面CD-Rの配布でもよかったのかもしれません。

    でも、せっかく作るなら、できる範囲でちゃんとしたものにしたい。

    低予算で、家庭用プリンターで、手作業で作る。その範囲の中で、どこまで製品っぽいクオリティを出せるのか。その試行錯誤がかなり楽しかったです。

    タイトルの「ほぼ」自主制作のとおり、完全に全部を自宅で完結したわけではありません。
    諸々の都合で一部の楽曲のドラム録音はレコーディングスタジオにお願いしました。

    でも、それ以外のパートの録音、ミックスはメンバーで行いました。
    また、ジャケット、盤面、歌詞カードのデザインは外注することなくChatGPTと相談しながら作りました。
    そして完成した音源を物体のCDにして、ライブ会場で手渡せる状態にするところも、手作業で行いました。

    実際の制作順は、次の通りでした。

    1. レコーディングとミックスをする

    2. タイトルとアートワークを考え、試作する

    3. 音源を20部のCD-Rとして物体にし、ライブ会場で販売できる状態まで整える

    1.について
    レコーディングについては主にドラム録音についてですが、次の記事に掲載しています。

    ミックスの手法については次の記事に記載しています。

    2.については別途記事を書く予定です。

    この記事では、主に、3.の音源を物体にして、ライブ会場で手渡せる状態まで持っていく作業を紹介します。

    作ったCD

    作品は、こすもえらしぃの1st EP「いつか、明ける」です。

    最初は12枚、最終的に20枚

    バルクのCD-Rには、50枚入りと100枚入りがありました。1回のライブに呼べるお客さんが10人行くか行かないかのバンドにとって、100枚はさすがに多いと感じました。

    候補をいくつか見たなかで、盤面にあるメーカー表記が控えめに見えた、Victorの50枚入りを選びました。盤面を印刷して物販に置くなら、元から印刷されている文字も完成時の見え方に影響すると思ったからです。

    ただし、50枚入りを買っても、最初から50枚の完成品を用意したわけではありません。

    印刷ミスもある。盤面印刷もずれる。ジャケットも試し刷りが必要。そもそも、1回のライブに10人呼べるか呼べないかの5人バンドで、最初から50枚作るのはかなり重い。

    なので、まずは少数で作ることにしました。
    最初に作った完成品は12枚です。

    1枚も売れなかったとしても、メンバー人数 x 2枚程度なら在庫に溺れることはない。メンバーが記念に持ち帰ってもよい。そう考えると、12枚くらいが現実的でした。

    その後、メンバー用、ライブハウス設置分、家族用などを少しずつ作り足して、合計制作枚数は20枚になりました。

    50枚のうち、完成品になったのは20枚、未使用で残ったのは23枚です。残りの7枚は、制作工程で使いました。3〜4枚は最初からデータを書き込めない初期不良で、残りの3〜4枚は盤面印刷の位置や色を調整するテストに使いました。

    作業順は、まず音源データを書き込み、その後で盤面を印刷する形にしました。書き込みができなかったCD-Rは、盤面の位置や色を確かめる印刷テスト用に回せます。完成品にはならなくても、印刷の失敗を受け止める試作盤として使えたので、無駄が少なかったです。

    盤面印刷は、ずれを前提にした方がいい

    家庭用プリンターの中にも盤面印刷ができるものがあります。
    ただ、きっちり狙った位置に印刷されるとは限りません。

    最初は盤面を広く塗りつぶすデザインにしていました。
    でも、全面に色があると、1mmずれただけでも「ずれている」と感じます。
    なので、プリンターの1mm単位の設定ではどうしてもズレを解消できず、
    最終的には、縁から3mm程度は印刷しないデザインに寄せました。

    本当は外周まで濃い色で塗れた方が、白いCD-Rらしさは消しやすい。でも、全面を塗ると少しのずれが急に安っぽく見えてしまう。この兼ね合いをどうデザインで吸収するかは、家庭用プリンターで作るときに試されるところだと思います。

    ジャケット、歌詞カードは厚み、材質選びが大事

    ジャケットと歌詞カードも、家庭用プリンターで印刷しました。

    紙は両面微光沢の厚紙を選びました。

    ここも製品感にかなり効いたと思います。

    薄い紙だと、どうしても手作り感が強く出ます。一方で、厚すぎる紙だと折り目が汚くなります。ケースに入れたときの収まりも悪くなります。

    光沢感があることで、製品感もかなり出た気がします。
    ただ、表面だけきれいでも、裏面の質感が違いすぎると、歌詞カードとして開いたときに少し違和感があります。
    なので、両面が同じ雰囲気の紙が望ましい。

    ところが、自分が探した範囲では、両面が同じ雰囲気と買う前に確信できる光沢紙の商品は少なかったように思います。もし、セルフ印刷を検討されている方がいたら、まずこちらを確認していただくと早いかもしれません。

    なお、宇宙感を出すためにかなり黒系で塗りつぶすデザインにしたこともあり、最高品質設定で印刷しないと雰囲気が出なかったので、メーカー目安のインク代より実際の消費は増えている可能性があります。

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    印刷の様子

    なお、今回選んだ厚紙両面微光沢紙は引っかかりがあり、自動両面印刷がうまくいきませんでした。

    そのため結局、片面をまとめて刷ってから、反対面をまとめて刷る運用にしました。

    また、両面をきっちり合わせることが難しかったので、片方をやや広めにして、周辺が削れてもいいデザインにすることにより、両面のブレを解消しました。
    盤面印刷と同じく、周辺のブレをどう抑えるかというデザインが求められるのがセルフCD制作の一つのポイントかもしれません。

    今回は3曲入りだったので、歌詞とクレジットは両面印刷の1枚に収められました。今後フルアルバムを作るときは製本用のホッチキスを追加するなどの工夫が必要になってくるのかなと思います。

    家庭用プリンターの可能性

    今回使ったのはBrotherのDCP-J987N-W(廃盤)です。

    盤面印刷に対応したプリンターが家に一台あると、今回のようなCDを作れるのはもちろん、子どもの記録を残したDVDの盤面印刷などもできます。
    また、通常、普通の紙の印刷もできるので、ジャケットや歌詞カードはもちろん、ライブ用フライヤー、セットリスト、バンド紹介の名刺カードまで、自分たちで必要な数だけ作れます。子どもがいる家庭なら、塗り絵やペーパークラフトをその日に印刷できるのも、普通に助かる使い道です。

    私は以前、配布用のうちわも1枚およそ100円で作りました。

    小ロットで外注しにくいものを「次のライブに間に合わせたい分だけ」作れるのは、家庭用プリンターの面白さだと思います。

    2026年8月に調べた時点で、最安を重視するなら、印刷専用・6色インクのEPSON EP-315が実売約16,500円からの候補でした。

    スキャンもしたいなら、EPSON EP-717Aが実売約2万円からの候補です。

    なお、brotherの現行品でレーベル印刷対応の商品は確認できませんでした。セルフCD制作を検討されている方は、対応商品が販売されているうちに早めに買っておいた方がいいのかもしれません。

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    印刷物たち(再掲)

    こうして、出来上がったセルフCD。個人的にはなかなか良い仕上がりになったと思います。もちろん高いクオリティを求めるなら印刷会社に発注した方が良いとは思います。
    それでも、次のライブに向けて数枚だけ作りたいときに、自分たちで決めて、自分たちで形にできること、試行錯誤をすぐに行えることなど、家庭用プリンター制作ならではの良い点もあると感じています。

    スリムケースにした理由

    CDケースはスリムケースを選びました。

    フルサイズのケースの方が、製品感は増すと思います。

    ただ、地方の駆け出しアマチュアバンドが出す3曲入りEPとして考えると、フルケースは少し大きく見える気もしました。

    ライブ帰りにカバンへ入れて持ち帰ってもらうなら、場所を取らないスリムケースの方が手に取りやすいかもしれない。

    そう考えて、今回はスリムケースにしました。

    フルアルバムくらい曲数が増えたら、次はフルサイズのケースも試してみたいです。

    袋に入れると、急に商品らしくなる

    プロトタイプを作ったとき、ケースだけだと少し物足りなさがありました。手作りのCD-R感が強い。
    そこで、OPP袋を買い足しました。

    袋は1枚あたり約10円です。

    材料費としては小さいのですが、見た目への影響はかなり大きいです。

    スリムケースがぴったり収まる透明袋で、市販CDのキャラメル包装の代わり、という感覚でした。

    この袋に入っているだけで、「商品」感が強まる気がします。
    個人的には、包装の有無で見た目の価格感が100円から500円くらいまで変わった気がします。

    もしもセルフCD作ってみて何か物足りないなと思ったらOPP袋の追加を試してみると良いかもしれません。

    持ち帰り用の袋も当日買った

    CD本体を包むOPP袋とは別に、持ち帰り用の小さな袋も用意しました。
    DAISOのフロストハンドルバッグです。12枚入りで110円でした。

    これは、ライブ前日か当日あたりに慌てて買いました。

    カバンが小さい方や、手ぶらで来ている方にも買ってもらうには、持ち帰り用の袋が必要ではないかと思ったからです。

    CDを買ってくれた人が、そのまま手で持ち歩かなくてもよいようにしたい。

    小さいことですが、ホスピタリティは大事だと思います。

    たまたま紺色と透明模様の袋が売っていて、ジャケットのイメージにも近かったのはよかったです。

    これは概ね好評でした。

    ただ、実際に持ってくださっている方を見ると、指しか通せないタイプの袋だと、結局「持っておく」必要があります。

    腕を通せるような袋の方が、ライブ後の荷物としては楽だったかもしれません。

    次も用意するなら、事前に調べて、作品やジャケットのコンセプトに近いものを準備しておいた方がよさそうです。

    とはいえ、そこは予算との相談です。

    CD本体を製品っぽく見せるOPP袋と、買った後に持ち帰りやすくするフロストハンドルバッグ。

    どちらも小さな材料ですが、物販で手渡すものとしては意味がありました。

    スリムケース、半光沢紙、盤面印刷、透明袋。

    この組み合わせで、手作りCD-Rではあるけれど、物販に置けるくらいの見た目には近づけたと思います。

    材料費

    CD本体を作るための初回購入額は、2025年1月ごろで10,212円でした。

    ここには、CD-R、紙、インク、スリムケース、OPP袋を含めています。当日用意した持ち帰り袋110円まで含めると、合計は10,322円です。

    CD-R:1,179円/50枚入り。1枚あたり約24円。

    両面光沢紙:1,699円/100枚。ジャケット・歌詞カード用で、1枚あたり約17円。

    インク:4,346円/25枚想定。1枚あたり約174円。ただし濃色印刷が多く、実際の消費は増えている可能性があります。

    スリムケース:1,990円/50枚。1枚あたり約40円。

    OPP袋:998円/100枚。1枚あたり約10円。

    ※Amazonの方が安かった材料については価格優先で非アフィリエイトリンクを載せています。なお、価格と在庫は変わるため、購入前にご確認ください。

    CD-R、紙、インク、ケース、OPP袋を合わせたCD本体の材料費は10,212円です。材料消費ベースでは、1枚あたり約264円になります。

    持ち帰り用のフロストハンドルバッグは、12枚入り110円でした。これも含めると初回購入額は10,322円、1枚あたりの材料消費ベースは約273円です。

    この金額には、プリンター本体代は入れていません。

    今回使ったDCP-J987N-Wは19,800円で購入していました。CD制作専用に1回で使い切るものではなく、普段の印刷にも使える機材なので、CD1枚あたりの材料費には含めていません。

    ただ、盤面印刷まで自宅でやりたいなら、レーベル印刷対応プリンターはほぼ前提になります。

    この約264円(持ち帰り袋まで含めると約273円)は、あくまで「物体としてのCD」にするための材料費です。

    音源制作全体が安い、という話ではありません。

    ドラムを録音スタジオで録る場合の費用、オーディオインターフェース、DAW、プラグイン、マイク、ケーブル、作業時間などは別です。

    500円で販売した場合、材料費だけ見れば赤字ではありません。
    ただ、初回購入額1万円を回収するには、材料費だけでも単純計算で21枚ほど売る必要があります。さらに作業時間や失敗分まで考えると、儲けるためのCDというより、「ライブで手に取れる作品を作る」ためのCDでした。

    事前予約2件でも、11枚売れた

    初めてのCD販売だったので、どのくらい作るかの参考にしようと思い、SNSで購入予約を募ってみました。

    予約は…2件でした。

    そこで、2件+10枚の12枚を持っていくことにしました。
    10枚は、売れたら嬉しい。売れなくてもメンバー1人が2枚持って帰るだけならそんなに辛くないという判断での設定です。

    結果としてライブ当日は8枚売れました。うち予約分が2枚です。

    当日買っていただいた6枚は単純に演奏を聞いて良かったと思ってくださったのかもしれませんが、もしかしたらCD、値札、試聴QRコードをコンパクトにまとめたセルフ物販セットのおかげかもしれません。

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    ダイソーのカゴを中心にCD、値札、試聴QRをまとめたオリジナルセット。

    ちなみに、残りの4枚のうち1枚は前日が誕生日だったお客さんにプレゼント。3枚はメンバーが持ち帰り。
    その後メンバー全員に行き渡るように2枚+メンバーの親戚用に1枚
    さらに「買いたかった」というSNSコメントを受けて5枚増産し、ライブハウスに置いてもらいました。

    ライブハウス設置分は3枚売れました。この売上は全額ライブハウスに寄付しました。

    購入後の感想で、ひとまず安心した

    購入後には、匿名で要約すると、「クオリティが高い」「宅録中心だと聞いて音質に驚いた」「500円は安い」「何度も聴いている」「次のCDも買いたい」といった感想をもらいました。

    自分たちだけでは、完成した音源とCDがどの程度のものになったのか、なかなか判断できません。だから、少なくとも聴いてくれた人に「この値段なら十分」と思ってもらえるところまでは持っていけたのだと感じて、少し安心しました。

    もちろん、これで完璧だとは思っていません。ただ、家庭で録ったパートが多い作品でも、手順を考えながらミックスし、物体として丁寧に仕上げれば、聴く人に届く作品にはできるのだと思えました。

    CDを作ろう!ホームページも作ろう!

    自分はライブハウスにライブを観に行った際、気に入ったバンドがいたらCD欲しいなと思います。
    なので、CD制作に踏み切れずにいる方はぜひ、この記事を参考に、CDを形にしてみていただけたら嬉しいです。

    あと、みなさんぜひホームページも作って欲しい…
    この人、ユニット、バンドはこんなコンセプトでやってるんだなーとかこんな曲があるんだなーとか。読み物的な感じでもっと知りたい!と思うときにSNSだけだと個人的にはちょっと物足りないと思うので。

    無料でホームページを作れる時代なので、みなさん是非是非!

    宣伝?

    こんな手作りCDや手作りホームページを作っている「こすもえらしぃ」とはどんなバンドなのか?

    大分県を拠点に、オリジナル曲を中心に活動する女性ボーカル5人組ポップバンド。
    「ポップでかわいい」「ちょっと切ない」「耳が心地いい」と評される、キャッチーなメロディと独自のアレンジを加えた楽曲を制作。
    宇宙が大好きなメンバーによって結成され、日常や未来をテーマにしたオリジナル曲を届けています。

    今回紹介したCD「いつか、明ける」もYouTubeで曲を聴くことはできますので良かったらぜひ。


     
     
    育児や仕事の合間にも創作を楽しみたい。 DTM・バンド活動・便利グッズなどについて、実体験をもとに記録していきます。 限られた時間で創作を楽しむための工夫や、道具選びの判断材料、試行錯誤の過程があなたの参考になれば嬉しいです。 所属バンド:スウィープ@クリームズ#/こすもえらしぃ

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