メインコンテンツへスキップ
見出し画像

『アホまる儲け』という概念    〜 その1

    ―― 隙のある人間こそが、世界の風をちゃんと受け取れる。


     昔、知人が半ば冗談めかして言っていた言葉を、ふと思い出した。

    ​「アホ丸儲け」である。

     ​世の中はいつだって、正しさやスマートさを競い合う損得勘定で溢れている。

     賢く見せようと重い鎧をまとうほど、人は他人の視線や言葉に傷つき、勝ち負けの土俵で消耗してしまう。

     ​けれど、あえて完璧を捨て、どこかに隙を残したまま笑える人――いわば愛すべき「アホ」になれる人はどうだ。

    ​ 完璧ぶらないからむやみに攻撃の対象にもならず、自らも他を拒む必要性がなくなる。

     その飾らない体温と愛嬌で、周囲をどこかホッとさせる。

     正しさの削り合いからそっと降りて、自分の「好き」や本能に素直でいられること。

     ​結局のところ、最後に笑えるのはそういう人なのではないか。

     ​まさに、アホ丸儲けである。


          〜 その 2 に つづく



    ~・~・~・~・~・~・~・~



    画像

    『アホまる儲け』という概念    〜 その2  

    ​「そして実際、私のnoteもアホ丸儲けなのかもしれない…」


     さて皆さんご存知のように……、日本には古くから、実に含蓄のある言葉が存在する。


    「アホ丸儲け」である ――。


     ​効率や合理性を尊ぶ現代社会の対極に位置しながらも、どこか世の真理を突いたこの古風な慣用句は、損得勘定ばかりで疲弊した私たちの心に、ふと大切な生き方を思い出させてくれる。

     合理主義の波にもまれながらも、要領の良さに頼らず自分の信じる道を愚直に歩む者だけが到達できる、極めて高度な生存戦略を表した言葉として、先人たちの間では密かに語り継がれてきた……。


     なんて、それっぽいことをもっともらしく並べてみたが、もちろんそんな言葉は日本のどこにも存在しない。

     すべて私の完全なでっち上げである。

     昔、知人が半ば冗談めかして口にした、でまかせな言葉に過ぎない。


    ( ※ 注  少なからず信じられた方もおられるのではないでしょうか。……真面目なはなし、SNSには、こういう「もっともらしい嘘」が普通に転がっています。ご注意ください。)


    ……いや、だけど。



     言葉自体は嘘であっても、そこで語っていることの意味合いは、あながち嘘でもない気がするのだが。


    「ところで、私自身のnoteを見てみたら、これもアホ丸儲けではないのか?」


     私のアカウントには「コメントがほぼない」のに、「ページビューに対してスキがかなり多い」という二つの特徴がある。

     好意的に見れば、交流に頼らず作品の力だけで深く届いている証拠だ。

     だがシビアに言えば、通りすがりのライト層が混ざらず、最初から濃いリピーターだけで分母が構成されているための統計的現象にすぎない。

     ……まあ、理由はともあれ、静かな場所でちゃんと作品が読まれているなら、それもまた「アホ丸儲け」ということでいいのだろう。




     (あとがき)

    ​ 世の中を良くしよう、人を導こうと頭で計算して正義を振るうより、ただ心に温かな願いを抱いて、隙を残したまま向き合う。

     ​押し付けの正しさで相手をコントロールするのをやめたとき、かえって周りに、思いがけない変化が起きることがあります。

     ​誰からも感謝はされないとしても、そういう静かで自然な影響力を持てることこそ、本当の「アホ丸儲け」なのかもしれません。



    (追記)

    「コメントがほぼない」なんてサラッと書きましたが、実は「今の感じ」がちょうどよかったりします。

    通りすがりの人がふらっと立ち寄って、静かに置いていってくれるくらいの距離感。

    全くゼロだとさすがに、ちょっと寂しいですけどね。笑



          〜 その 3 へつづく




    『アホまる儲け』という概念   〜 その3・その4

    画像

     次回は「でまかせ」を飛び越えて、​世間体や打算を捨てて突き進む「本物のアホの覚悟」について、少し熱く(そして最後にはAIに笑われながら)お届けします!



         ~   ・   ~   ・   ~   ・   ~


    【 小説 紹介 リンク】

    ​ ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

     普段、私(うつろ アニマ)のメインは**「物語(小説)」の世界**にあります。

     ​日常のぬくもりから、生命の深淵、少し不思議で温かなカオスまで――


    短編小説 集  ― 2026. 5 - 8 ―

        マガジン  ― Vol.2 ―           


       


     
     
    うつろ (空) な器に     アニマ (魂) を注ぐ​ ​  ​筆の赴くままジャンルを問わず、物語という既存の概念を超えて行きたい。  日常の「ぬくもり」と温かなカオス。  時に生命の深淵  ──純粋、あるいは狂気。  ​置き去りの言葉を救いに行く、そんな物語の記録。

    あなたへのおすすめ