
【あなたの知らない世界】書けない「呪い」。それは才能がない証拠ではなく、才能の正体だった|夏季休暇限定企画(#創作論 #Web小説 #note #エッセイ #文章術 #書籍化 #生成AI #画像生成AI)
ようこそ、夏季休暇限定「あなたの知らない世界」へ。
夏休みの読み物として、お気軽にお楽しみください。
こんにちは。こんばんは。
普段はラノベを書いている「うら表紙」と申します。
最終日は、お化けにまつわる私の失敗談をお話させてください。
私はホラーが大好きです。
映画も小説も怪談も好きですし、
あえて深夜に怪談をオーディブルで嗜むのを
至福の時間にしています。
今でこそWeb小説界隈はあちこちでホラーコンテストが開催され、
雨穴さんをはじめ、ホラーブームもすっかり定着しましたが、
その少し前――
「これは市場が広がるぞ」
そんなマーケターらしい邪な考えもあって、
私は空き時間を見つけてはホラー小説を
チマチマと書いていた時期がありました。
ところが、大好きなはずのホラーが、
驚くほど書けないのです。
技術不足なら努力で何とかできます。
でも、頭ではこういう展開と決めているにも関わらず
ロックがかかったようにその展開を書けないのです。
私が書けずに引っかかったのは根本的なところでした。
どうしても因果関係なく人を不幸にできない。
悪人ならまだしも、
普通に暮らしている人が、理不尽な怪異に巻き込まれる。
それを書こうとすると、
心のどこかで強烈なブレーキがかかるのです。
「この人には家族がいるよね」
「せめて助かる道はない?」
「実は怪異にも事情があったことにしようか」
……気づけば方向性を書き換えています。
それでも私は諦めませんでした。
いえ、正直に言うと諦めきれなかったのです。
「需要はある。書き手もライバルも少ない。」
「ホラー市場は今後伸びる。」
「出版社が欲しがっている。」
「これは今のうちに挑戦しておくべきジャンルだ。」
そんな欲望に背中を押され、
なんとか書き続けてみるものの、
怪異は襲ってくるのに
誰も死なないし、
誰も不幸にならない、
最後は怪異のほうが救われていたりする
という摩訶不思議なハートフルホラーが爆誕してしまい…。
「長いこと苦しかったんだね」
みたいな話になって終わる。
読後感だけ異様に爽やか。
編集さんが読んだらきっとジャンルを二度見するレベル。
さすがに筆を置きました。
これは才能の有無ではない。
文章力でもない。
もはや私の体質です。
理不尽な不幸を書こうとすると、
無意識が全力で修正してしまう。
言ってしまえば、
「ホラーが書けない呪い」。
ホラーを書こうとしているのに、
私自身が呪われていたわけです。
だから私は今日も、
安心して人を幸せにする物語を書いています。
……とはいえ、お盆になるとやっぱり
「ちょっとは書けるようになったかも?」
なんて気持ちがむくむくと湧き上がるのですよね。
でもわかっているんです。
書いてもどうせ数時間後には
「お化けさんも成仏できてよかったね」
になっていることを。
ところで、呪いってどこで祓えばいいんでしたっけ?
あとがき:
書けないものを書こうとして、まったく別物が仕上がってしまう現象って、その“別物”こそが、自分がいちばん得意とする表現なんだと思うんです。私の場合はそれがどうやら「ハートフル」らしい。だから、得意を見つけるには、あえて違うジャンルに手を出してみるのも一つの方法なのかもしれません。……とはいえ、できることなら私は、呪地や忌地を題材にした自分好みのホラーを書けるようになりたいです(泣)
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カランコロン

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