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建築設計という、果てしないマラソンの途中で

    ただの深夜の備忘録です。

    建築設計という仕事は、正直しんどいです。 心が折れて去っていく人が多いのも、本当によくわかります。

    まるで、終わりのないトンネルを走り続けているような感覚です。 小さなプロジェクトでも1〜2年、大きなものなら5〜6年かかることだってザラにあります。 しかも、敷地が違う限り「同じプロジェクト」なんてこの世に一つとして存在しません。

    つまり、毎回が「初めまして」で、毎日が勉強の連続なんです。 新しい情報が脳に流れ込み続ける日々。 だからこそ楽しいですし、だからこそ、死ぬほどしんどいんですよね。

    この「楽しさ」と「しんどさ」の折り合いをどこでつけることができるのか。 「楽しい」しか感じない麻痺した体になってしまうか、「しんどい」としか思えなくなってしまうか。 そこへさらに人間関係のストレスが乗っかってくるのですから、心が摩耗しない方がおかしいのかもしれません。

    それでも、私がこの世界にしがみついている理由があります。 それは、「竣工」という麻薬のような喜びを知ってしまったからです。

    何年もかけた線が、空間として立ち上がる瞬間。 あの喜びは、他の何物にも代えがたいものです。言葉では表せないあの感覚を一度味わってしまったら、また次の何年かを捧げたくなってしまうんです。

    だから、もし今、先が見えなくて絶望している人がいるなら。 上司への怒りや自分の無力さに打ちひしがれている人がいるなら。

    今の時代にはそぐわないかもしれませんけれど、あえて「頑張れ」と言わせてください。

    ひとつ竣工まで辿り着けば、景色は変わります。 プロジェクトの霧が晴れ、進むべき道がクリアに見える瞬間が必ず来ます。 その苦しみから解放される唯一の方法は、完成させることなのです。 この世界で生きると決めたのなら、歯を食いしばってでも、そこまで行ってほしいと思うんです。

    ……とはいえ。 それと同じくらい強く思うこともあります。 「身を守る選択」を、誰も責めたりはしない、ということです。

    壊れる前に逃げること。 転職でも休職でも、自分を守るための正規の手段なら何の問題もありません。 建築は逃げません。あなたが元気でさえいれば、またいつだって線を引けるのですから。


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    「竣工という麻薬」があるから設計というマラソンを走り続けられると書きましたが、では日々の「マニュアルのない終わらない業務」からどうやって心を守ればいいのか。

    メンタルの防御壁の作り方についてはこちらから↓


     
     

    aulora

     
     
    建築を通し、世界の解像度が少し上がる 一級建築士|設計事務所勤務 全国47都道府県・海外8カ国を巡り、建築を通して出会った景色や気づきを綴ります。 名建築の空間や差し込む光、その土地の歴史。設計業界の実情や、仕事と人生についての思考も。 世界を少しだけ美しく整えるための備忘録

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