
値下げする前に、伝え忘れている価値はないか
価格を下げる前に、今の価格に含まれている仕事が、相手に伝わっているか確認してみます。
火曜日の記事で、1割値下げすると、同じ利益を残すために約3割多く売る必要がある、という計算をしました。
値下げは、思っているよりずっと重い決断です。
だからこそ、その前にひとつ確かめたいことがあります。
「高い」と言われているのは、本当に価格のせいなのか。
それとも、価格に含まれている仕事が、相手に見えていないだけなのか。
■ 価格に含まれる仕事
ここからは、架空の事務支援サービスで考えてみます。
(※説明用の架空の例です)
月額3万円で、小さな会社の経理の事務を手伝うサービス。
お客様から見ると「月3万円で、帳簿をつけてくれる」に見えています。
でも実際には、こんな仕事が含まれています。
・毎月、領収書や請求書を回収して、足りないものを確認する
・仕訳を入力して、おかしな数字がないかチェックする
・月初に、先月の数字を1枚にまとめて報告する
・「これって経費になる?」といった質問に答える
提供する側にとっては当たり前の作業でも、相手には「帳簿つけ」のひと言にまとまってしまっています。
■ 相手が助かる場面で考える
作業を並べるだけでは、まだ伝わりにくいです。
大事なのは、その作業で相手のどんな場面が楽になるか、です。
・月末に、領収書を探して机をひっくり返さなくていい
・銀行や取引先に数字を聞かれたとき、すぐに答えられる
・「今月、お金は大丈夫かな」と不安になったとき、見る資料がある
同じ仕事でも、「仕訳入力をします」より「銀行に聞かれても慌てない状態をつくります」のほうが、価格の中身が見えてきます。
■ 具体的に説明する方法
やり方はシンプルです。
1. 自分の仕事を、細かい作業まで全部書き出す
2. それぞれの作業が「相手のどんな場面を楽にしているか」を1行で書く
3. 相手に説明するときは、作業名ではなく、その場面のほうを先に話す
サービス紹介の文章や、見積もりに添える説明文を、この順番で書き直すだけでも印象は変わります。
■ 伝え方だけでは解決できない場合
ただし、伝え方を変えればすべて解決、ではありません。
・相手が、そもそもその仕事を必要としていない
・相場と比べて、価格が大きく離れている
・M(1個あたりの利益)がもともと低すぎて、どう伝えても利益が残らない
こういう場合は、伝え方ではなく、サービスの中身や価格の設計そのものを見直す必要があります。
伝えても選ばれないのか。
伝えていないから選ばれないのか。
この2つを分けて考えるだけでも、値下げの前にやれることが見えてきます。
まずは、ご自身のサービスに含まれている仕事を、3つ書き出してみてください。
それぞれ「相手のどんな場面が楽になるか」も、1行ずつ添えて。
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