
粉と水だけでできる、サワードウ。憧れのパン種に挑戦してみませんか
ほんのり酸っぱくて、噛むほどに味わいが出る、サワードウのパン。パン屋さんで見かけるたびに、「いつか自分でも作ってみたいな」と思っている方は、きっと多いはずです。
ただ、サワードウは「難しい」「失敗しそう」というイメージもありますよね。今日は、サワードウの魅力と、はじめての方でも始めやすいコツを、お話しします。
サワードウは、粉と水だけ
サワードウは、日本ではサワー種とも呼ばれる、昔ながらのパン種です。必要な材料は、小麦粉(またはライ麦粉)と水だけ。パンに仕立てるときに、塩を加えます。
どうして、粉と水だけで酵母ができるのでしょうか。じつは、小麦やライ麦の皮には、もともと酵母が付いているからです。酵母をゼロから作るのではなく、粉に付いている酵母を、水を加えて育てていく。そのイメージです。
サワードウのあの酸味は、乳酸菌が作る乳酸によるもの。乳酸菌は、粉に含まれる麦芽糖をえさにして増えていき、さらにそれが酵母のえさにもなります。酵母や乳酸菌の種類や割合は、その土地の気温や風土によって変わるので、同じやり方で作っても、できあがりの味は人それぞれ。育てるおうちの数だけ、味があるんです。
実は、とても古い発酵の方法
サワードウは、最も古い発酵方法のひとつと言われています。スイスで見つかった最古のサワードウパンは、約5700年前のものとされ、古代エジプトで始まって、ヨーロッパに広まったという説もあります。
ライ麦100%のパンには、サワードウが使われることが多いのも特徴です。ライ麦はグルテンが少ないので、市販のパン酵母だけで発酵させるのは難しいと言われていて、サワードウが力を発揮します。
サワードウが好まれる3つの理由
1. 栄養が豊富と言われる サワードウのパンには、ビタミンやミネラルが豊富で、腸の善玉菌のえさになる繊維も含まれていると言われています。
2. 長時間発酵で、グルテンが少なくなる傾向がある 乳酸菌がグルテンを分解する働きがあるとされていて、長く発酵させるほど、グルテンの量は減るとも言われています。ただし、グルテンがなくなるわけではありません。小麦アレルギーやセリアック病の方、グルテンの摂取を控えるよう言われている方は、サワードウのパンも避けてください。
3. ミネラルを吸収しやすいと言われる 穀物に含まれるフィチン酸は、ミネラルと結びついて、体への吸収を妨げることがあります。サワードウは乳酸菌の働きで、このフィチン酸を抑える作用があるとされています。
材料選びのコツ
サワードウは、皮に付いている酵母を育てて作ります。そのため、皮の部分がすっかり取り除かれた真っ白な粉よりも、全粒粉に近い粉のほうが向いています。いつもの小麦粉に、全粒粉を少し混ぜて使うのがおすすめです。
水は、水道水の塩素が気になるときは、浄水やミネラルウォーターを使うと安心です。
国産小麦でも作れます
「国産の小麦粉でもサワードウは作れるの?」という疑問には、「作れます」とお答えします。ベーカリスタをご利用のみなさんの声を聞くと、キタノカオリ小麦を使うと、うまくいくことが多いようです。ライ麦パンを作りたい方には、北海道産のライ麦粉もおすすめです。
サワードウの作り方
用意するのは、1リットルの瓶2つとゴムベラ。材料は、小麦粉60gと、常温の水60gです。雑菌が入らないよう、瓶やゴムベラは、あらかじめ熱湯で消毒しておくと安心です。
1. スターターを作る 小麦粉と水を瓶に入れて、ゴムベラでよく混ぜます。22〜27℃くらいの場所で、48時間ほど置きます。泡が見えてきたら、半分ほどを捨てて、きれいな瓶に移し替えます。このとき、嫌なにおいではなく、香ばしさを感じられたら、うまくいっているサインです。
2. 毎日、餌やりをする 翌日からは、同じ量の小麦粉と水を加えて、よく混ぜます。これを3日〜7日間くり返します。3日目ごろから、少しずつ気泡が見えてきて、かさも増えてきます。
3. 完成 7日目以降に、瓶が泡であふれそうになっていたら、サワードウの完成です。さっそく、パン作りに使ってみましょう。
普通のパン酵母より時間がかかるので、最低でも1週間は見ておいてください。
まずは、やってみること
「まだ早いかな」と思わずに、まずは一度、粉と水を混ぜてみませんか。毎日少しずつ、瓶の中で変わっていく様子を眺める時間も、サワードウの楽しみのひとつです。
北海道の小麦から、次のパンへ。
育てる人、挽く人、焼く人、食べる人。 小麦を通じて、幸せとつながりが広がっていく。
その真ん中に、ベーカリスタはありたいと考えています。