メインコンテンツへスキップ
見出し画像

営業は正解を覚える仕事ではない

    営業現場では、ロープレを重視する会社が多くあります。
    もちろん、私自身もロープレは大事だと思っています。
    特に営業未経験者にとっては、
    最初の成功体験をつくるための大切な練習です。
    ただ一方で、ロープレを重視するあまり、
    正しく話すことが目的になってしまうケースも増えているように感じます。

    営業は、本来「対応力」の仕事です。

    本番では、想定外の質問もあれば、空気を読む場面もあります。
    準備していた流れが、一瞬で変わることもあります。

    だからこそ、
    型を覚えることと同じくらい、
    型を崩せる力も重要なのだと思っています。
    今回は、ロープレと営業力の関係について、
    現場目線で少し書いてみます。

    ロープレが上手い若手ほど、現場で止まることがある

    ロープレでは非常に上手く話せる。
    でも実際の商談になると、急に止まってしまう若手がいます。
    想定外の質問。雑談から始まる会話。沈黙。少し曖昧な反応。
    そういった正解がない場面で、
    急に言葉が出なくなるのです。
    これは能力不足というより、
    「間違えないこと」を優先しすぎた結果なのかもしれません。
    営業は、本来対応力の仕事です。
    しかし、ロープレ中心の育成が強くなりすぎると、
    どうしても正しく話すことが目的になりやすいと思います。
    すると、相手を見るより、
    「次に何を言うか」を探す営業になっていきます。

    本番の営業は、練習通りにはならない

    当然ですが、
    実際の営業現場はロープレ通りには進みません。
    お客様によって、温度感も違います。課題感も違います。
    話すスピードも違います。
    こちらが準備した提案より、
    雑談の一言で空気が変わることもあります。
    むしろ営業とは、

    想定外への対応の連続だと思っています。

    だから本来、営業に必要なのは、
    正しい回答ではなく、
    その場で考えて動ける力なのだと思います。
    ところが、ロープレが評価基準になりすぎると、
    若手は「答えを探す営業」になりやすいように感じます。
    想定問答は覚えている。でも少し外れた瞬間、
    止まってしまう。これは経験不足というより、
    考える訓練が減っている状態なのかもしれません。

    「正解」をなぞる営業が増えていく

    今も昔も若手は真面目です。だからこそ、
    上司の言葉を忠実に再現しようとします。
    言われた通りにやる。
    失敗しないように進める。
    空気を読みながら減点を避ける。
    それ自体は全く問題ありません。
    ただ営業は、減点されないことだけでは成果につながりません。
    時には、空気を変える一言が必要になります。
    踏み込んだ質問が必要になることもあります。
    予定外の話を広げる勇気も必要です。
    つまり営業には、

    正解より反応が求められる瞬間があります。

    以前、Noteでも
    「まじめで優秀だけど、なぜか成果が出ない若手」
    について書いたことがあります。
    実は今回のテーマも、
    その延長線上にある話だと思っています。

    「型を覚えること」と「型にはまること」は違う

    営業に型は必要だと思っています。
    ただ、
    型にはまりすぎると、
    どうしても応用が効かなくなります。
    スポーツでも同じです。
    基礎練習は必要。
    フォームも大事。
    ただ試合になると、
    相手も動く。流れも変わる。想定外が起きる。
    だから最後は、

    反応できるかが重要になります。

    営業もかなり近いです。ロープレで身につけた型を、
    現場でどう変化させるか。
    そこまで含めて、
    初めて「営業力」になるのだと思います。

    画像

    AI時代ほど、人間らしさが残る

    今はAIを使えば、提案メールも作れます。
    トーク例も出てきます。想定QAも整理できます。
    営業は確実に便利になりました。
    ただ逆に言えば、
    情報格差はどんどん小さくなっています。
    だから最後に差が出るのは、
    その人自身です。空気を読む力。
    相手に合わせて言葉を変える力。
    安心感を与える力。
    つまり、人としての対応力です。
    以前書いた
    「在り方が試されるのはどこか。」
    という記事でも触れましたが、
    結局、営業という仕事は、
    何を言うかだけでは成立しません。

    ロープレは「手段」であるべき

    営業は、知識を披露する仕事ではありません。
    相手を見て、空気を感じて、言葉を変え、
    その場で判断する仕事です。
    だから本当に必要なのは、
    正しい受け答えを覚えることではなく、
    「考えながら対応する力」を育てることなのだと思います。
    ロープレは、そのための手段であるべきです。
    型を覚えることは大事。
    ただ、型だけでは本番は戦えません。
    むしろ営業は、
    型通りにいかない時間の方が長い仕事です。
    そのことを理解した上で、ロープレと向き合うことが、
    これからの営業育成には必要なのだと思っています。


    執筆:松村 健太
    BCC株式会社 IT営業アウトソーシングカンパニー カンパニー長
    公式サイトはこちら →

    インタビュー記事はこちら→


    あなたへのおすすめ