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数字は、仕事を楽しむための目印だと思う。

    ✍️ 松村健太|BCC株式会社

    以前、「営業を始めたら、自分の数字を持ったほうがいい」という記事を書きました。

    売上、目標との差、アポ数、引き合い、受注数。
    自分の数字を持っていると、今どこにいるのかが分かりやすくなります。
    最近、改めて数字について考えることがありました。

    私は昔から、仕事をするときに数字をよく見ます。
    別に数学が得意なわけではありません。難しい計算もよく分かりません。
    ただ、数字を見ながら判断して仕事をすると、うまくいくことが多いのです。

    なぜだろうと考えてみると、私は昔から数字を目印のように使っているのだと思います。今は立場上どうしても数字を見ながら判断をすることになります。

    数字は達成するためだけにあるものではなく、今どこにいて、次にどこへ行けばいいのかを教えてくれるもの。
    そう考えると、数字との付き合い方も少し変わるような気がします。

    数字は、高い山の頂上ではない

    営業には目標があります。
    会社で仕事をしていれば、予算もあります。
    当然、達成するために仕事をします。

    でも、「絶対に達成しないといけない」と考えすぎると、その数字がものすごく高い山の頂上のように見えてしまうことがあります。
    「本当にいけるの?」
    と聞かれて、不安になる人もいます。

    私は、あまりそういう感覚がありません。
    100という目標があって、今70なら、あと30です。
    残りの日数はどれくらいなのか。
    今の見込みはいくらあるのか。
    このペースで足りるのか。
    足りないなら何を増やすのか。

    そうやって考えていくと、100という数字をずっと見上げている必要はありません。
    まず75まで行く。
    そこまで来たら、次は80を見る。
    目線の先に目印を置いて、そこまで歩く。
    私にとって数字は、プレッシャーをかけてくるものというより、現在地と次に行く場所を教えてくれるものなのだと思います。

    KPIは、地図に打つピン

    KPIも同じです。
    KPIというと、「達成しなければならない数字」という印象を持つ人もいると思います。

    でも私は、KPIは目的地そのものではなく、目的地へ行くために地図に打つピンくらいに考えています。
    たとえば、売上目標を達成するために商談20件というKPIを置いたとします。
    10件やったところで、想定より受注率が低いことが分かった。
    だったら20件すればもっといけることがわかります。

    30件必要なら、次のピンを30件に打ち直せばいい。
    逆に単価や受注率が想定より高ければ、違うところにピンを打つこともできます。

    目的地は変わっていません。
    そこに行くための目印が変わっただけです。

    KPIが未達だったときも、
    「達成できなかった」
    だけで終わるのではなく、
    このままで目的地に着くのか
    次のピンをどこに打てばいいのか

    を考える。

    数字は守るものではなく、使うものではないかと。

    私はそんなふうに考えています。

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    地図は一枚ではない

    ただ、仕事をしていると見るべき数字は増えていきます。
    営業なら、まず売上を見る。
    でも売上だけでは分かりません。
    原価はいくらなのか。
    売上総利益はいくら残っているのか。
    販管費はいくら使っているのか。
    その結果、営業利益はいくらなのか。

    今月の数字が良くても、来月、再来月の見込みがなければ安心はできません。
    目先を見る。
    少し先を見る。
    違う角度からも見る。

    考えてみれば、地図にもいろいろな種類があるということなのかもしれません。
    営業には営業の地図がある。
    経営には経営の地図がある。
    採用には採用の地図がある。
    マーケティングにはマーケティングの地図がある。
    仕事の範囲が広がっていくほど、一枚の地図だけでは判断できなくなります。
    またそれぞれの地図につながりを持たせることも大事です。

    私にも、まだ読めない地図がある

    ここまで数字について書いていますが、私もすべての数字をうまく使えているわけではありません。
    今でも数字を見ながら悩むことはあります。

    特にWebサイトの数字です。
    PV、UU、流入、検索順位、コンバージョン、AEO、問い合わせなどなどいっぱいあります。
    数字はいろいろ見ています。増えた、減ったも分かります。

    でも営業の数字ほど、しっくりこないことがあります。
    たぶん、まだ自分の中で目印として使い切れていないからです。
    PVが増えた。ユーザーが増えた。
    それで目的地に近づいたのか。
    ある数字が下がった。
    では、次にどこへピンを打てばいいのか。
    そこがまだ完全にはつながっていません。
    営業の数字なら、長くやってきたので、この数字がこうなったら次はここを見る、このままなら足りないからここを増やす、ということがある程度分かります。

    でもWebの地図は、まだそこまで読めない。
    だから今も試行錯誤中であり、勉強中です。

    知らない地図なら、勉強すればいい

    知らない地図を最初から読めないのは当たり前です。
    だったら勉強すればいい。
    特に営業やマーケティングに関わる人なら、仕事で使う数字の読み方は早いうちに勉強しておいたほうがいいと思います。
    売上。
    原価。
    売上総利益。
    販管費。
    営業利益。
    難しい分析ができる必要はありません。

    でも、それぞれが何を意味して、どうつながっているのかは知っておいたほうがいいと思います。
    数字は仕事をするための共通言語みたいなものです。
    言葉の意味が分からなければ会話が難しいように、数字の意味が分からなければ、地図もなかなか読めません。
    地図がなければ迷子になります。

    そして、新しい仕事をすれば、また知らない数字が出てきます。
    私にとってWebの数字が、まさに今それです。
    今の立場になっても、マーケティング担当と一緒に、
    この数字は、どう影響するんだろう。
    こっちじゃない?
    いや、違うかもしれない

    と、ああでもない、こうでもないと言いながら試行錯誤しています。
    やっていると成果につながるときもあります。ただ再現性がないときもよくあります。
    でも、私はそれをやっている時間が結構好きです。
    分からなかったものが、少しずつ分かります。
    今まで見えなかったものが見えてきます。
    数字と数字がつながって、
    「だったら次はこれをやってみよう」
    となります。
    やってみて違ったら、また考える。
    これが結構楽しいのです。

    数字は、仕事を楽しむための目印

    前の記事では、「自分の数字を持ったほうがいい」と書きました。
    今は、その先にもう一つあると思っています。
    持っている数字を、自分の目印として使えるようになることです。
    目的地を決める。
    現在地を確認する。
    途中にピンを打つ。
    まずそこまで歩いてみる。
    違っていたら、地図を開いてピンを打ち直す。
    知らない地図が出てきたら、読み方を勉強する。

    一人で分からなければ、誰かと一緒に考えればいい。
    結局、仕事は勉強であり、冒険なのかもしれません。

    私も今、新しい地図を広げて、仲間と「ああでもない、こうでもない」とやっています。
    そして、それが楽しいのです。

    新しい地図が読めるようになれば、また行ける場所が増える。
    数字は仕事を苦しくするためのものではなく、仕事を楽しみながら前に進むための目印なのかもしれません。


    執筆:松村 健太
    BCC株式会社 IT営業アウトソーシングカンパニー カンパニー長

    営業組織の運営をはじめ、マーケティングや採用、広報など幅広い業務に携わる。営業や組織づくり、マネジメントについて、現場で感じたことを発信しています。
    公式サイトはこちら →

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