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「それが普通」だと思っていた――子どもの虐待に気づくまで

    Q.高校の教員です。
    「子どもの人権」について、教職員全体で理解を深めたいです。

    その際、「希死念慮がある生徒」「いじめられる生徒、いじめる生徒」「虐待を受けている生徒」等の関わりから考えて行きたいです。 
     

    A.昨夜の続きです。

    3.虐待

    虐待で最も大事なのは、子どもに「虐待されている」という自覚をもたせることです。

    虐待には、次の4種類があります。

    ①身体的虐待:殴る、蹴る、危険な場所に閉じ込めるなど
    ②ネグレクト(育児放棄):食事を与えない、放置するなど
    ③心理的虐待:脅す、無視する、面前DVを見せるなど
    ④性的虐待:性的な行為の強要や性的描写の対象にするなど

    無理やり勉強させるなどの教育虐待は「③心理的虐待」、必要な医療を受けさせないのは「②ネグレクト」にあたります。

    高校生に虐待の話を聞く時、本当によく出る言葉は「小さい頃は、それが当たり前と思ってた」です。
    小さい子は自分の家庭しか知らないので、親に殴られても、食事を抜かれても、「どの家でも、これが普通だろう」と思います。

    それが小学3年生くらいになると、友人と「ウチの家は〜」という話をするようになり、「え、それが普通?」と驚きます。
    そこで初めて辛くなり、担任に言う子もいれば、親が怖くて誰にも言えない子もいます。

    なので小学校の教員やカウンセラーは、虐待の疑いがあればすぐに校内で情報共有し、管理職が児童相談所(以下、児相)に通告します。
    教員やカウンセラーは子どもの話を聞き、子どもがどう捉えているのかも聞きます。

    必要に応じて「先生以外(児相の職員)にも相談しなきゃいけない」ということを子どもに伝え、児相の職員と連携し、迅速かつ慎重に対応します。

    高校生の場合、高校で初めて虐待が発覚する子もいれば、小学校、中学校ですでに児相につながり、一時保護を経験している子もいます。
    以前は「児相は高校生はあまり対応してくれない」というイメージがありましたが、現在はよく対応してくれます(各児相によるかもしれませんが)。

    高校から児相に連絡すると、児相の職員が学校に来て、生徒の話を聞いてくれることが多いです。
    高校生でも一人で児相に相談しに行くのはハードルが高いので、学校に来てくれるのはありがたいです。

    そして必要に応じて、高校生でも一時保護してくれます。
    一時保護の対象は原則18歳未満ですが、児相ではなく、施設によっては20歳未満も対象としている所もあります。

    なので生徒が18~19歳の場合、学校だけで判断せず、まずは児相に相談してみましょう。

    高校生から虐待の話が出た時は、

    ①いつの話か、現在でもまだ続いているのか
    ②今まで児相とつながりはあったか
    ③どうしたいか(大ごとにしてほしくない、保護者に言わないでほしい、児相の職員と話したい、家を出たい・出たくない等)

    などを聞き、生徒の許可を得た上で、学校の教職員で情報共有し、支援方針を検討します。

    しかし、最近は子どもの負担軽減や正確性の確保のため、「司法面接」といって、警察や児相が連携して、訓練を受けた面接員が話を聞くこともあります。

    そのため、教員やカウンセラーは子どもの話を聞くのを最小限にとどめ、速やかに児相に連絡する場合もあります。

    学校でどのように対応すべきかは、虐待の相談がある前に、管理職も含めた教職員で相談し、共通理解しておいたほうが良いです。
     

    以上、「子どもの人権」について、「希死念慮がある生徒」「いじめられる生徒、いじめる生徒」「虐待を受けている生徒」等の関わりから考えました。

    今まさに、苦しんでいる子がいます。
    その子を見つけ、力になりましょう。

     
     
    横浜に住む臨床心理士です。 生きやすくなる考え方をしましょう! 仕事やプライベートで気づいたことをもとに、生きやすくなる考え方を見出していきます。 サポート校勤務後、公立小、中、高校で23年間スクールカウンセラー。 元大学非常勤講師。 中3時不登校、通信制高校出身。

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