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月のワーグナー - 永松波留リアル生誕祭2026に寄せて-

    永松波留リアル生誕祭2026から感じたこと


    2026年4月12日。この日はAOYAMA GRAND HALLにてラフ×ラフ(以下本文中はラフラフ表記で統一)FC(ファンクラブ)イベント2026春、永松波留リアル生誕祭2026、齋藤有紗リアル生誕祭2026の3つのイベントが行われた。

    私ははるるん(永松波留)、ありさ(齋藤有紗)の両生誕祭を配信で視聴していた。同日に開催された齋藤有紗リアル生誕祭2026についての記事はこちら。

    この記事を書くにあたって諸々の準備作業をしていたこの土日(4月18日、19日)は、金沢での「かがやきフェス」や吉祥寺での「Yondanda」リリースイベント初日などがあり、Xのタイムラインはイベントに参加したラフり隊(ラフラフのファンネーム)の方の投稿で溢れていたが、生誕祭配信のタイムシフト視聴が4月18日で終了してしまうこともあり、私はこの2日間ほとんどPCに齧りついており、ラフり隊はおろかメンバーの投稿すらまともに反応できていない状態だった。

    「何をそんなにやることがあったのか」と思われる方と、「多分あれをやっているんだろうな」と思っていた方とがいらっしゃると思うが、今回の作業は過去一大変だった。その話は中盤くらいで登場するので一旦はるるんのリアル生誕祭の話をはじめようと思う。


    【懐古趣味と見たかったものを見せてもらえた喜び】

    前回のありさの記事にも貼っているが、はるるん生誕祭のセットリストは以下のようになっていた。

    <セットリスト>
    =LOVE「知らんけど」
    22/7「未来があるから」
    まねきケチャ「きみわずらい」
    岡田奈々「壊さなきゃいけないもの」
    椎名林檎「ギプス」
    [企画・プレゼントコーナー]
    松原剛志「海賊戦隊ゴーカイジャー」
    永松波留「月明り」(オリジナル曲)
    永松波留「晴れの日の傘」 (オリジナル曲)

    — くらうどべりー (@cL0uDbErRy_jaM) April 12, 2026

    事前にInstagramのストーリーで、「未来があるから」と「きみわずらい」が披露されることが発表されていたこともあり、はるめろ隊(はるるんのファンネーム)はコールまでしっかり準備されていたようだった。
    私(とInstagramのストーリーに気付いた人)は、「きみわずらい」の文字を見た段階でこの生誕祭が神イベントになることを確信していた。

    何事かと思ってインスタ見に行ってぶっ倒れそうになりました。

    全部 全部 君のせいだ

    生誕、現地に行ける方は当日券まだあるそうです。遠方は配信もあります(マジ神✨)。

    みんなで天に召されましょう👼#永松波留 https://t.co/TOr0e2R23k

    — くらうどべりー (@cL0uDbErRy_jaM) April 10, 2026

    前回のありさの生誕記事でも引用した以下の記事で「もなみん(吉村萌南)に歌ってもらいたい曲」として「きみわずらい」を記載しているが、2010年代中盤のアイドル史を代表する名曲と言っていいまねきケチャの代表曲である。

    自分の事を「古のドルヲタ」と称しながら「アイドル20年史」の連載を書いた私にとって、「あの頃の神曲が、しかもはるるんの歌声で聞ける!」というのは天恵と言ってよかった。あまりに嬉しすぎて同系統の2大神曲(と私が勝手に思っている)26時のマスカレイド(通称ニジマス)の「ゼンキンセン」まで引っ張り出してきて思い出に浸っていた。

    生誕祭とは関係ないが、同じ週にアップされていたYouTube寺田寛明チャンネルの「何年経ってもすごいアイドル曲」の視聴もあり、通勤のバスの中で1日1枚Dorothy Little Happyのアルバムを聞くなど、今週1週間は完全に「平成アイドルソング思い出しウィーク」を一人で開催してしまっていた。
    とどめは10年以上前に個握に通い倒したはるきゃん(元AKB48・石田晴香)とその嫁(元AKB48/NMB48・藤江れいな)が、はるきゃんプロデュースで一緒にアイドル活動を再開するという懐古厨号泣のイベントが発生して、頭の中はすっかり平成に逆戻りしてしまった。

    話は逸れたが、「きみわずらい」で期待値が爆上がりした状態で臨んだリアル生誕祭配信は、大満足を通り越して「配信チケット代、倍払わせてください」というくらい最高の内容だった。このnoteの記事でも繰り返し「歌姫ガチ勢」と書いてきた私にとって、見たかったものを見せてもらえた喜びはあまりに大きかった。
    こういうことを繰り返し言っているから、某所で「くらうどべりーは実質はるめろ隊だった」と言われたのかもしれないが、確かにはるるんは好きなメンバーだし、「私ははるめろ隊ではない」と否定するのもはるるんとはるめろ隊に失礼な気もするけど、自分の中の「推し」の定義と言うのが一応あって、ゴニョゴニョ…。

    セットリストの前半はアイドル曲を中心にしつつ、グループや年代を幅広く取ったラインナップになっていた。と言いながら実は22/7(通称ナナニジ)も岡田奈々(「壊さなきゃいけないもの」はAKB48在籍時シングル「元カレです」のカップリング)も秋元康プロデュースだし、=LOVE(通称イコラブ)も秋元直系の指原莉乃プロデュースなので、実は秋元康系のグループが多い。そもそも秋元系グループの絶対数が多いというのもあるが、この辺は関東以外では「Webも含めたメディアで見られるアイドル=好きなアイドル」という地方の事情を、同じく地方に住む人間として勝手に感じてしまった。

    生誕の後半で、はるるんはラフラフ加入前にナナニジのオーディションも受けていたことを話していた(他にも坂道グループも受けていたらしい)ことが「未来があるから」の選曲に影響をしていると思うが、異彩を放っていたのが岡田奈々の「壊さなきゃいけないもの」だった。

    私自身、なぁちゃん(岡田奈々)も出ていた「ゆうなぁもぎおんチャンネル」から久々にAKBに出戻りをした人間なので、ゆうなぁもぎおんが一番盛り上がっていた時期にリリースされたこの曲は絶対に聞いていたはずなのだが、しばらくパッと曲名が出てこなかった。
    「壊さなきゃいけないもの」はAKB歌唱力王決定戦に優勝したなぁちゃんに書き下ろされたソロ曲なのだが、色々あって次のシングル(久しぶりのリップグロス)の後になぁちゃんがAKBを卒業したことで、以後AKBではほぼ披露される機会が無かった曲である。「よくこの曲を引っ張ってきたなぁ」と思うのと同時に、「グループ単位で好きというより、やはり『歌が上手い』というところに引っ掛かりがあるんだろうか」とも思ったりした。

    「きみわずらい」の話を飛ばして先に「壊さなきゃいけないもの」に触れたが、はるるんの「きみわずらい」が最高じゃなかったわけがないだろうが、文句のあるやつはかかってこんかい(唐突なキレ芸)。
    意識したものだったのか聞いているうちに自然になったものだったのか、歌割りによって微妙に歌い方が変わったあたりは、画面に向かって「あああぁぁあぁぁ!!!」って変な声出してました(キモイ)。


    【二曲のオリジナル曲の譜起こしとカラオケ音源について】

    イベント後半、最後の2曲はギターの弾き語りによるオリジナル曲の披露になった。これこそが私がアーカイブ視聴期限と格闘することになった最大の原因である。

    1曲目の「月明かり」は、高校生の時に通っていたボーカルスクールで作ることになった曲で、今回の披露に向けて2番の歌詞を追加したものらしい。はるるん本人が「見たことあるかもしれないけど」と言ってから「ゴメン、見たことないか」と訂正していたが、どうやらラフラフに合格するまでスクールで動画が公開されていたような話しぶりだった。

    2曲目の「晴れの日の傘」は、新たに書き下ろした曲のようで、昨年の生誕祭で披露した「小さな公園」に続き、ファンの事を想って作った曲と言っていた。

    「小さな公園」の話やりょーか(夏目涼風)の自作曲など、ラフラフとしてのリリース曲以外の音楽的な話をまとめた記事を以前書いているのだが(下記参照)、その中で私はりょーかの自作曲である「カレイドシグナル」を今回同様カラオケ音源化していた。

    リアル生誕祭の配信を見て感動しながら、見終わった後に最初に思ったことは「2曲か…」だった。
    別に義務感でやっているわけではないし、「アーカイブ配信期間が終わってこの曲の事を想い出せなくなるのがもったいなさすぎる」という自分の願望だけで作っているのだが、前回の「カレイドシグナル」と比べて正直難易度は高かった。理由は3つある。

    1. そもそも2曲ある。単純に作業量が2倍になる。

    2. 上記記事にも貼ってあるが、「カレイドシグナル」はりょーかがXに歌詞とコードをポストしてくれていた。Radiotalkで聞いた曲のコードは1音高かったが、コード進行自体がわかっていれば全部1音上げればいいだけなので十分参考になった。しかし今回は歌詞もコードも完全耳コピになる。そのためギターのコードや動画で表示している歌詞には誤りがある可能性がある。特に「晴れの日の傘」の途中のコードはかなり怪しい。動画でギターの弦を押さえるはるるんの左手を何度も戻しては確認するを繰り返したのだが、そもそもギターが弾けない(鍵盤楽器しかできない)上に、カポタスト(ギターのフレットに装着してキーを調節する器具)があるので弦の位置だけでなく実際の音を聞き分ける必要があった。

    3. 「カレイドシグナル」のカラオケ音源を作った3月は前職を退職してから4月の転職までのモラトリアム期間(というか実質無職)だったので時間があったが、現在はウィークデーはオフィスに出勤しているサラリーマンであり、製作時間の確保が難しい。しかしアーカイブ配信視聴期間は1週間しかない。

    これらの問題を「金曜の夜から視聴終了の土曜の23時59分までぶっ通しで譜面起こしをする」という力技で解決する脳筋スタイルでクリアした結果、肝心の記事に辿り着いたのがこの時間になってしまった(途中ニコ生の「Yondanda」のMV視聴配信を見ていたのもあるのだが)。

    かがやきフェスの応援電波はもはやいつものこととして(一応昨日広島-金沢の日帰りルートだけ調べたけど😅)、SNSもSHOWROOMも全部出遅れながら生誕アーカイブと格闘している私は多分変態だと思う🤪タイムリミットまであと約24時間。

    — くらうどべりー (@cL0uDbErRy_jaM) April 17, 2026

    土曜日午前0時頃のXのポスト。この時点でまだ1曲目(月明かり)のAメロすら完成していなかったのは「出遅れながら」と言いながらちょいちょいチェックしていたから(土日はその余裕すら無かった)。

    人が作った曲を勝手にどうこうするのは良くないと思うので、現時点(4月19日)ではYouTubeは限定公開に設定した上で、りょーかの時と同様に4月28日のトクポではるるん本人に公開について確認させていただく(トクポは確保済。当然ふーちゃんも確保済(いいから黙ってなさい))。ダメなら動画及びこの記事のこのセクションは削除します。

    【2026/5/3追記】
    Xの方では報告していたけど、こちらでの報告が遅くなってしまいました。4月28日のトクポではるるんからご了承いただけたので、カラオケ音源の公開は続行となります。
    りょーかに続き許可取り2回目、今回はトクポのかなり前にアップしたとはいえ(9日前。りょーかの時はトクポの2日前にアップした)、緊張することに変わりは無かったのだけど、快く了承していただけたことで心底ほっとしました。

    Xの方にタグ付きで載せていたのを事前に確認いただけていたようで、「人間ってあんなことできるの!?」というお言葉をいただきましたが、あんな素敵な曲が作れてあんな素敵な歌を歌えるはるるんに、そっくりそのままお返ししたいと思います。


    【オリジナル曲1曲目「月明かり」】

    披露されたオリジナル曲2曲を解説していく。
    まず1曲目の「月明かり」だが、曲名や曲中に出てくる「月」に「太陽ムーン」の名前を連想した人も多いのではないだろうか。高校生の時点ではるるんが「月」を歌っていたというのは、なんとも感慨深い。
    歌詞は飾りのないストレートな言葉でヒリヒリするくらいの青春の痛みを綴りながら、澄んだ歌声がそれを浄化するように響き、まさに月光に照らされたような世界を感じる曲になっている。一番印象的だったのは書き足された2番の以下の歌詞だ。

    「きっと大丈夫」 笑いかける誰かの声に
    胸が苦しむから 耳を塞いでた
    それでも月だけは いつでも僕に寄り添ってくれたから

    永松波留「月明かり」より抜粋

    これを後から付けたしたというのが凄く重く感じる一方、実際にこの歌詞を歌っている時のはるるんの表情はそこまで深刻ではなかったと感じている。生誕祭ライブの楽しさがそうさせていたのかもしれないが、この曲自体が元々高校生の頃に作った曲ということなので、この思いは現在進行形ではなく「思い出」なのかもしれないと感じた。
    私は自作の曲を作ったことは無いが、時々昔書いた文章を読み返すことがある。その時は真剣に考えて書いたものであっても、後々読み返すと「こんなこと考えてた頃もあったなぁ」と思うことも少なくない。
    さらに考えると、曲の歌詞が自分の気持ちをそのまま出しているとは限らない。だがこれが架空の物語なのだとしたら、とてつもないストーリーテラーということにもなる。
    答え合わせができるようなものではないので全て私の想像の域を出ない話だが、それを考えさせる歌詞を紡いだ上で美しい歌声で届けてくれるはるるんは、やはり特別な歌い手だと思う。


    【オリジナル曲2曲目「晴れた日の傘」】

    2曲目の「晴れた日の傘」は、ファンの事を想って作った曲ということだが、「ファンがアイドルを想う気持ち」の色合いを強く感じる。これが逆に「アイドル=はるるんからファンへの気持ち」だとしたら、とんでもなくネガティブに映りながら、わずかながら納得感を感じるのが不思議なところだ。前記事でありさに贈る曲として紹介した「でもねずっと」を少し引きずっているところもあるかもしれないのだが。

    曲名にもなっている「傘」のエピソードは、私を含め青春時代を陰キャで過ごした人には物凄く刺さるのではないだろうか。

    偶然雨が降って 2人で傘を差す
    そんな奇跡待って
    毎日傘を忘れずに持ってるんだよ

    期待はずれの晴れなのに
    今さら傘を捨てられないや

    "思い出して"とか言えないから
    傘も差さずに立ち尽くすけど

    永松波留「晴れの日の傘」より抜粋

    ※記事を書きながら、動画の方の歌詞を「傘も指さずに」と変換してしまっていたことに気付き、絶望しています…。

    歌詞の主人公はネガティブでありながら、相手への想いを捨てきれるどころか「消せない思いが溢れだして」「君じゃなきゃダメなんだな」になるのだから、他界しようとして結局推しの元へ戻っていくオタクみたいなものなのかもしれない。
    「テキトーなことぬかしてんじゃねーよ、切ない曲じゃねえか」と思うかもしれないが、「月明かり」以上にこの曲の動画を死ぬほど行ったり来たりして見た結果(特にはるるんの左手を)、なんとなくはるるんが楽しそうというか嬉しそうというか、「どうせみんなはるのこと好きなんでしょ?」のような小悪魔的な感じさえ受けたというか。直前に譜面台が客席からの視線を遮っていることに気付いて謝っていたのとは対称的な雰囲気も感じた(全て私の勝手な妄想なのだが)。

    また、「晴れの日の傘」の音で印象的だったのが、昨年の生誕祭で披露した「小さな公園」や1曲目の「月明かり」と異なるメロディーのリズムの置き方と音域である。
    まずメロディーのリズムなのだが、過去2曲の特徴として裏拍のさらに裏、譜面にすると16分音符分のタメやズラシが多用されている。この特徴は正直譜面に起こすのが非常に面倒な代物というか、譜面ありきで作るメロディーでは出て来づらい、アーティスティックなリズム感を感じる部分である。

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    「月明かり」1サビのメロディーから一部抜粋。色を付けている箇所が「0.75拍目からの長音」。視覚的に分かりやすいように次の音とタイで結んでいる。

    そして「月明かり」は音域がとても広い。下はオクターブ下のG(ソ)、上はオクターブ上のE(ミ)まである。歌唱もファルセット中心で、シャクリやタメなど譜面で表現できないテクニックが多数盛り込まれている。
    こういうところが私がはるるんをして「歌姫」と呼び続けている所以でもある。

    一方で「晴れた日の傘」は、部分的にこの特徴を残しつつ、基本は八分音符で拍通りに刻む曲になっている。

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    「晴れた日の傘」2サビのメロディーから一部抜粋。「月明かり」で多く見られた特徴はごく一部となり、ほとんど八分音符で構成されていることがわかる。

    譜起こしを「月明かり」からやっていたこともあり、「晴れた日の傘」のメロディを追っていると、「あれ?ここは拍通りで行くんだ」と思うところが何個もあった。また音域も歌い出しのオクターブ下のG(ソ)以外は下のA(ラ)からA(ラ)のオクターブの中でほぼ納まっていて、特徴的だったファルセットもほぼ使っていない。
    代わりと言ってはなんだが、ギターで使っているコードの種類が「月明かり」と比べてかなり多彩で(これが譜起こしをかなり苦しめた。上記の譜面のG7やE7などのセブンスはほぼ勘です)、「ギター中心に構成された曲」という印象を受けた。

    あくまで2曲を比較した印象だが、「月明かり」の方が本来のはるるんの「型」に近い曲で、「晴れた日の傘」は挑戦的な取り組みだったのではないかと感じた。

    いずれにしてもどちらの曲も「永松波留の世界観」を存分に味わわせてもらうことができる素晴らしい曲だった。生誕祭配信のこの2曲のループ(しかも秒単位)の回数なら誰にも負けない自負があるが(こんな変態的な見方をしている人が他にいないと思うので)、本当に素晴らしい曲だった。

    個人的には、はるるんの「型」を味わうことができた「月明かり」がとても好きです。


    【おまけ:永松波留、夏目涼風、佐々木楓菜のクリエイティビティ】

    カラオケ音源を公開しようがしまいが、自分用に譜面起こしだけはするつもりだったのだが、結果的に私の手元にはりょーかの「カレイドシグナル」、はるるんの「月明かり」「晴れの日の傘」、ふーちゃんの「君ときゅんと♡」から「消えたくなるほど君が好きだ」までの4曲の譜面が出来上がっている(完全に変態の所業の自覚はあります)。
    今回ははるるんのリアル生誕祭の記事なので、はるるんの曲を中心に話を進めてきたが、折角なので3人のクリエイティブを並べた時に私が感じた印象を少しだけ述べたいと思う。
    あくまで個人的な感想であり、批評や比較をする意図は無いし、そのようなことができる立場でもないことは百も承知である。ただ、譜面に起こしてみると三者三様の特徴というか、それこそ「色」が見えてきて面白かった。技術的な話まで踏み込むと際限が無くなるので、今回は少し抽象的な印象を話すまでに留めておく。

    りょーかは特に「言葉」や「気持ち」に重きを置いているように感じた。以前の記事で「宝石のような輝きを放ち始めている」と書いた歌詞の言葉が特に印象的で、それを音を載せていっているように感じる。歌詞のメッセージ性の強いロックミュージシャンのようなイメージの曲づくりではないだろうか。

    はるるんは「感性」と「透明感」を強く感じた。特に「月明かり」や「小さな公園」のメロディーは、譜面に起こすのが難しいリズムを多用していて、聞いてきたり歌ってきた音楽体験が自分の「型」として蓄積しているのを感じるし、それはアイドル曲だけでは辿り着けないもののように思えた。
    言葉は歌声と同じく透き通るくらい透明で素直。一見ネガティブに感じる歌詞もあるが、恐らく否定的な意図はそこまで強くないのではないかと感じた。りょーかが「宝石」だとすると、はるるんは「水」。透明でどんな形にも変化するけど、お気に入りの「器(=型)」に入れるとより落ち着く。様々な曲を歌いこなすボーカリストタイプのイメージが強い。

    ふーちゃんは「テーマ」と「論理性」の印象が際立っている。曲ごとに違った表情を見せることができるのは、1つ1つの曲に明確なテーマを設定しているからだろう。そして歌詞や音、歌割りや魅せ方まで意識した曲作りは、さながら箱根の寄せ木細工のような複雑な工芸品や、多層的な構造を持つ建造物のように、計算の上で積み上げられた美しさと論理性を兼ね備えているように感じる。そして、その美しい構造の中心には、柔らかな光を放つ魂が宿っていることもちゃんと感じられる曲になっている。遠藤ナオキさんのような職業作家や音楽プロデューサータイプのイメージを感じている。


    【20歳の女の子にかける言葉ではないかもしれないけど、「無理をしないで」】

    ありさにはゆきりん(柏木由紀)の「でもねずっと」を贈ったのだが、はるるんにはアイドル曲ではなく「月」にまつわるこの曲を贈りたいと思う。

    月のワーグナー | ユニコーン
    作詞・作曲・編曲:阿部義晴

    ユニコーンの再結成前のラストアルバム「SPRINGMAN」に収録されている、阿部義晴のソロ曲である。非常に短い曲だが、私から20歳になったはるるんに贈りたい気持ちがそのまま入っている曲になっている。

    大丈夫 無理をしないで いつもの様に 落ち着いて ゆっくりと
    なつかしい 子どもの頃は 大きな声で 泣いたり 笑ったり
    気が付けば 三日月が 光ってる

    これからは いろんな事が 嵐の様に 押し寄せて 来るらしい
    大丈夫 無理をしないで 自信を持って 胸張って いい顔で
    雲の中 三日月が 動いてる

    少しずつ 少しずつ 変わってく
    気が付けば 三日月が 光ってる

    ユニコーン「月のワーグナー」

    自分の誕生日が星にまつわるお祭りの日なので、子どもの頃から天体や宇宙になんとなく興味があり、月や星を見るのが好きだった。

    月は地球の衛星としては質量が大きい星で、2つの引力が引き合って回りあいながら宇宙を漂っている。月は地球を照らしながら、いつも同じ側の顔だけを見せ続けている(月の裏側は地球から見ることができない)。決して触れ合うことも、離れることも無く、姿が見えない時でも潮の満ち引きという形でその存在を常に感じる天体。

    なんとなく、アイドルとファンの関係性に似ていると思うのは私だけだろうか。

    まだまだこれから色んな事を経験していく大人の入口に立ったばかりのはるるん。ストイックで、まっすぐで、でも実際話してみると気さくで話しやすくて、3月のトクポで「はじめまして」したメンバーで一番しゃべりやすかった(厳密には「はじめまして」ではないことを伝えたら「知ってる!」と言われて軽くパニクったのですが…これのことですよね、永松さん。そして動画の許可取りで今月もトクポにお伺いさせていただくんですが、先月のりょーかと同じように、ふーちゃんと話してから90秒のインターバルでお会いするので、ワタワタしてたりニヤニヤしてたらすみません…)。

    乗り越えたい壁も、叶えたい夢もたくさんある若者に、「無理をしないで」というのは無茶な話かもしれない。自分が20歳の時を思い返せば、そんな言葉に耳を貸すことはなかっただろう。
    それでも月の光のように優しく見守ってくれる人がたくさんいることを時々思い出しながら、落ち着いて、ゆっくりと歩みを進めて欲しいと願っています。

    以上、倍以上年の離れたおじさんからのかなり遅めの誕生日プレゼントでした。


     
     
    約13年現場から離れていた、古(いにしえ)のドルヲタ。地方在住で在宅応援中心だが、2025 ラフ×ラフ 全国ライブハウスツアーで久々に現場参戦して再覚醒。いちオタクの私見なので、お手柔らかに。 Amazonアソシエイトに参加しています。

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