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白熊のような食欲の月:短歌記録

    こんにちは! 心がふわっと軽くなる「心のお守り」をお届けする歌詠み、つくだとしおです。ごぶさたでした。

    7月に入りましたね~。そして、暑くなってきましたね。6月もたくさんの短歌を詠ませていただきました。全部で66首を詠みました。今回はそのなかから選んだ10 首をご紹介していきます。お楽しみいただけますと幸いです。

    まず一首目は、こちら。

    昨日まで元気な父の死に水を
    とるごとわれは儚さを生く

    私たちの日常は、実はけして盤石なものではなく、いつ壊れてもおかしくない、危ういバランスの上に成り立っています。その真理を最も鮮烈に示す比喩として、「昨日まで元気だった父の死に水をとる」という、突発的で抗いがたい喪失の情景を考えてみました。

    それは、実際に起こりうる出来事であると同時に、人生とは本質的にそのような無常さや儚さを内包しているのだという覚悟でもあります。

    その運命から目を背けるのではなく、むしろその儚さこそが人生の本体であると受け入れ、その中で力強く生きていこうとする、静かな決意表明として結句を刻みました。

    そして2首目はこちら。

    午前二時ぐぅと鳴りけり腹さする
    白熊のような食欲に負け

    時計が午前二時を指す頃、理性では「食べてはいけない」と分かっていながらも、腹の虫は正直に鳴ってしまう。そのどうしようもない欲求のありようを、大きくて、純粋で、どこか愛嬌のある「白熊」という存在に喩えて詠んでみました。

    お腹をさすりながらも、結局はその純粋な欲求に「負け」てしまう自分。そこには自己嫌悪だけでなく、そんな自分自身への愛おしさや、生き物としての性(さが)に対する肯定的な眼差しがあるように思います。深夜のささやかな葛藤と敗北を、クスッと笑える日常の一コマとして描きました。

    以上2首についてお話をしてみました。そして、それ以外に8首お勧めの歌を以下にご紹介しています。あなたの心をふわっと軽くするお守りになるうたがあれば、幸いです。


    使われて食らわれてなお壊された人生のごと夢は儚く

    iPhoneに積もりし画像、動画、文、わが人生は200グラムか

    手づかみで食べるおにぎり梅入りのわれにしみいる滋味に声が

     離せない君の目君の響く声あのそのつまり君が大好き

    古書店で龍之介なる初版本呼び水となり紙袋ぎしり

    静岡の茶畑で摘む一番茶最初の一煎のような朝焼け

    つまりこの叫びが僕の人生なんだギター鳴らして魂を撃つ

    フラカンの「深夜高速」聞きながら生きててよかったそう繰り返す

    あなたの心に響いた歌、気になった歌はあったでしょうか。もしよかったら、コメントで教えてくださったら、とてもうれしいです♪

    今回は6月の自選短歌について、歌について思ったことを交えつつご紹介してみました。

    よかったら明日も読みに来てくださいね。

    最後まで読んでいただきありがとうございました!

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    第69回「短歌研究新人賞」予選通過。 こころの深海にもぐっては、あかりになる「言葉の毛布」を届けています。 編集者・歌人。猫と生きながら、短歌・古典・読書の力で、こころに安全基地を。 ※Amazonのアソシエイトとして、つくだとしおは適格販売により収入を得ています。

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