絵のセンスはないけど、AIで絵本を作ってみた
絵本を作ってみようと思った。
絵は描けない。描く技術もなければ、絵のセンスにも自信がない。それでも、AIを使えば自分にも作れるのではないかと思った。
最初に作ったのは『あ!みーつけた!』という、小さな動物たちが登場する絵本だった。
骨子とページ展開を決め、文章を考えて、AIに絵を描いてもらう。やることは単純そうだったし、実際、最初の一枚はあっさり出てきた。
おお、描けるじゃないか。
ところが、次のページを作ろうとすると、思ったようにはいかない。
同じ動物のはずなのに、顔が違う。表情を少し変えたいだけなのに、全体が変わってしまう。そこは変えなくていいと言っているのに、律儀に変えてくれる。構図も「なぜ?」と思うようなものを描いてくる。そのたびに、ここはこうしてほしい、そこは変えないでほしいと修正を繰り返した。
そんなやり取りを重ねながら、一冊の形にした。
完成した絵本は、noteで公開した。
次は『トントン』
以前書いた短編小説『トントン』を、今度は絵本にしてみようと思った。舞台は夜の学校。保健室の先生と、小さなおばけが登場するお話だ。
短編小説『トントン』

こちらは24ページ、12見開きで作ることにした。キャラクターのデザインを決め、物語に合わせて一場面ずつ描いていく。
最初の絵本より、決めておくことがずいぶん増えた。
たとえば、おばけの大きさ。
ある場面では小さくなりすぎる。もう少し大きくしてほしいと伝えると、今度は大きくなりすぎる。
そこで、先生の顔と同じくらいの大きさを基準にしてみた。
「もう少し大きく」ではなく、画面の中にあるものと比較して伝える。何を基準に調整するかを決めておくことにした。
明るくしてほしいだけなのに
夜の学校なので、明かりの扱いも気になる。
暗すぎるのは困るけれど、明るくすればいいというものでもない。
照明を調整しようとすると、光が増えすぎたり、周囲にきらきらしたものが現れたりする。いつの間にか、おばけまで光に包まれている。
そこまで光らなくていい。ちゃんと主人公だ。
光の量だけではなく、どこに明かりがあって、何を照らしているのかも考えなければならなかった。
表情も思いどおりにはいかない
登場人物の表情も難しい。
同じキャラクターでも、目や口の形が少し変わると、ずいぶん印象が違う。
表情だけを調整したいのに、顔つきそのものが変わってしまうこともある。
そこで、先生とおばけ、それぞれのキャラクターデザインを決め、基準になる画像をあらかじめ用意した。
その画像を参照しながら、場面に合わせた表情や動きを描いていく。
基準の画像を用意しても、すべてが思いどおりになるわけではない。一枚ずつ確認し、違うところがあれば修正している。
見開きの扱い
最初は紙の絵本と電子書籍の両方を想定していた。
見開きの構図に加えて、スマホを縦に持った場合の表示や文字の読みやすさまで考え始めると、調整することが次々に増えていく。
そこで、今回は横画面で読むことを前提に、1見開きを1画面として制作することにした。まずは、その条件で完成させることを優先する。
絵本を作るということ
最初は、文章を考えて、AIに絵を描いてもらえば絵本になると思っていた。
実際には、同じ登場人物を何ページにもわたって描くことも、場面ごとの雰囲気をそろえることも、簡単ではなかった。
さらに、ページの構成や画像の寸法、印刷や電子書籍での表示まで考えるようになった。
24ページ分の画像や文章、キャラクターの設定など、管理するものも増えてきた。今はコンテナ内にCodexの作業環境を構築し、GitHubで制作データを管理しながら、作業の進め方も整えている。
絵を一枚生成することと、絵本を一冊作ることでは、考えることが違っていた。
『トントン』は、まだ制作途中だ。
作りながら試していることも、失敗したことも、少しずつ書き残していこうと思う。