
また一つ、好きなお寺が増えた 第二十九番札所 国分寺
国分寺の建立
国分寺は、聖武天皇の勅願によって、全国に建立が命じられた。
「金光明四天王護国之寺」「法華滅罪之寺」。
覚えた言葉は、何年経っても忘れられない。
後に弘法大師が真言宗の寺として中興した。紀貫之が土佐の国司として滞在した、国府の地でもある。
紀貫之が働いた場所を見てみたい。
そう思って、はや数十年。高知には幾度となく来ているのに、実はまだ行ったことがない。近くを何度も通っているはずなのに、なぜだろう。
国分寺の建立には、いくつかの選定条件があったようだ。国華として仰ぎ見るのにふさわしい地形であること。水害の憂いがなく、長久安穏の地であること。そのほかにも、いくつかの条件があったらしい。
だからなのか、どうなのか。
ここ国分寺に入ると、また「好き」と思ってしまった。
歩いていても、立ち止まっていても、風が気持ちいい。
お経をあげている間も、心地よい風が吹いていた。

ひと休み
ゆっくり境内を見て回っていると、「寺カフェ」の看板が目に入った。
お寺でカフェ?
心がざわめく。
これは行きたい。行ってみたい。
ただ、今日まだ二つ目のお寺。ここで休憩というのもどうなのだろう。そもそも、みんなカフェに行きたいだろうか。
今回は無理かもしれない。
そう思ったのも束の間、「お父さんがカフェに行きたいって言ってる」と、義妹が夫に伝えている。
これは行ける。
はやる心を抑えつつ、五人が入れるかどうかを伺いに行った。
すぐに通されたのは、手入れされた庭がよく見える部屋。
畳には緋毛氈が敷かれ、机と椅子が並んでいた。どこか教室のような雰囲気だ。ここでは句会や写経も行われているらしい。
メニューを眺めていると、お抹茶のセットとかき氷で迷ってしまう。
風が気持ちいいとはいえ、暑いことは暑い。
ここは、かき氷か。
それとも、お庭を眺めながらいただくお抹茶か。
情緒を取るか、涼を取るか。
ここは高知だし、やっぱり「ゆず」を食べなくちゃ!
そう思って、ゆずのかき氷を選んだ私。
ところが、よくメニューを見ると、和歌山県産のゆずだった。
まあ、いいか。
教室のように、みんなが庭に向かって並んで座る。
しばらく、まったりとした時間が流れた。



なんでやねん
そんな中、夫が義妹の帽子を見て、何やら笑い出した。
「なんでやねん」
苦笑が止まらない。
私も気になって置かれた帽子を見てみると、キャップにはアルファベットが並んでいる。
英語? いや、ローマ字か?
よくよく読んでみると、そこに書かれていたのは、
「yuigadokuson」
なんと、唯我独尊!
なぜに、これを?
私も思わず笑ってしまった。
今日のお遍路は、まだ始まったばかり。
それでも、こんな時間があるのもいいものだ。
近くにあれば、このお寺に通うのに。
そんなことを思いながら、まだ見ぬ伊予の国分寺と讃岐の国分寺への期待も高まった。
おまけ①
国分寺の近くにあった「長宗我部の地検帳」。
また出て来たな、長宗我部。

おまけ②
前の大日寺で、柄杓のことが気になってザワザワした私。
ここ国分寺には、しっかりと「こじろう・ともこ」の柄杓があった。
大きく胸を撫で下ろした。

続く↓