
彼岸花と、ひっつき虫と 第三十番札所 善楽寺
季節は秋へ
コンパクトなお寺でありがたいな、と駐車場に着いてまず思った。これなら義父も含め、みんなの負担が少なくて済みそうだ。
彼岸花が風に揺れている。
もうそんな季節か、と思いながら、本堂と大師堂でお経をあげた。秋になってきているとはいえ、まだ少し暑い。
かわいいおみくじを見掛けたので、一つ引いてみようとした、そのとき。
自分のズボンに、大量のひっつき虫が付いていることに気が付いた。
集合体恐怖症の私には、なかなかの光景である。
「ぎゃー!」
叫びながら、ひっつき虫を一つずつ取っていく。義母も一緒になって取ってくれた。
「どこでこんなに付いたんだろう」
泣きそうになりながら考える。
どこで……と思いつつも、先ほど彼岸花を撮ろうと草むらに近付いたことが頭をよぎった。
彼岸花は見えていても、ひっつき虫は見えていなかった。

梅見地蔵の前で

ようやく取り終え、梅見地蔵を見に行く。
梅見地蔵は、首から上の病や悩みにご利益があるといわれる珍しいお地蔵様だ。かつて大師堂の横にあった梅を仰ぎ見るように鎮座されていたことから、その名が付いたらしい。
脳の病気やノイローゼ、合格祈願のほか、目、鼻、耳などの病気平癒を願って、多くの参詣者が訪れると教えていただいた。
私は、白内障手術をした目だけではなく、だいぶ前に脳もMRIで引っかかっている。
定期的に調べるようにと言われているのに、ここ数年は受診していなかった。ところが先日、久しぶりに気になることがあり、MRIを撮った。
病気は怖い。
病気そのものが怖いのはもちろんだけれど、正体がわからないことも怖い。そして、病気になったことで、それまでの生活や見えていた世界、予測している未来が変わってしまうことが怖い。
ひっつき虫よりも怖い。
「もう行くで」という声が聞こえてくる中、必死に手を合わせた。
おまけ
* 装束は汚さない。
* 溶けないアイス。
* 期間限定授与。
気になっていたものがあった。
先ほど、かき氷を食べたことも忘れてしまうくらい気になっていたのに、ひっつき虫騒動ですっかり忘れてしまった。
もちろん、おみくじも引けなかった。

続く↓