
AIに「もっと辛口で」とSWOT分析させたら、ボコボコにされた話
前回、Claude、Gemini、ChatGPTに、自分自身をSWOT分析させてみました。
すると、三つのAIが言い方こそ違えど、だいたい同じところを指摘してきました。
「もう十分持っている。それより完成させろ」
という話です。
まあ、分かる。
分かるんだけど。
AIもこちらに気を遣って、少し優しく言っているんじゃないか?
そんな疑いもあったので、今度はChatGPTに注文を付けました。
「もっと辛口でSWOT分析して」
と。
やめておけばよかった(笑)。
かなり容赦なく刺されました。
強み――「作れる」は、まだ「売れる」ではない
まずStrengths、強み。
ここは前回と大きく変わりませんでした。
長年書き続けてきた文章。
大量の記事。
小説のプロット。
世界観。
Webサイト運営。
メルマガ。
AI。
プログラミング。
学習。
語学。
仕事で得た経験。
いろいろなものを組み合わせて、新しい企画にする力。
このあたりは、確かに強みだと評価されました。
ただし、辛口版には続きがあります。
「それ、本当に資産ですか?」
と。
え?
記事が何百本もある。
小説のアイデアもたくさんある。
企画書もある。
プログラムも作っている。
十分、資産じゃないの?
ところが事業という視点から見ると、必ずしもそうではないらしい。
公開されていない原稿。
販売されていない本。
誰にも使われていないプログラム。
収益につながっていない記事。
それらは、
「資産というより在庫では?」
というわけです。
これは痛かった。
私は「作る人」ではある。でも「回収する人」ではない
考えてみれば、確かにそうです。
私は作ること自体は好きです。
記事を書く。
小説を書く。
プロットを作る。
サイトを作る。
AIに相談する。
プラグインを作る。
新しい仕組みを考える。
ここまでは速い。
ところが、
商品として仕上げる。
値段を付ける。
販売する。
数字を見る。
改善する。
売れなければ捨てる。
この工程になると、途端に弱くなる。
なぜなら、その頃にはもう、
次の面白いことを思いついているからです(笑)。
辛口SWOTでは、ここをかなり強く指摘されました。
要するに私は、
「作れる人」ではあるけれど、「売り切る人」「回収する人」にはなれていない。
Weakness――企画が増殖する
これが最大の弱点でした。
一つのことを始めると、その周辺にある別の可能性が見えてしまう。
たとえば、
「メルマガを作ろう」
と思う。
すると、
「ステップメールも必要だな」
となる。
さらに、
「会員サイトも付けよう」
となる。
「クリック計測も欲しい」
「短縮URLも作れるな」
「LINEにも対応できるんじゃない?」
「これ、WordPressプラグインとして売れるんじゃない?」
「いや、SaaS化した方が……」
ちょっと待て。
メルマガはどこへ行った(笑)。
一つのアイデアから枝が伸びる。
さらにその枝から枝が伸びる。
気がついたら巨大な樹木になっている。
ただし、
一本も実がなっていない。
辛口で見ると、そういうことです。
「仕組み化」が逃げ道になっている可能性
これは特に痛い指摘でした。
私は自動化が好きです。
どうすれば楽になるか。
AIにやらせられないか。
Cronで回せないか。
プラグイン化できないか。
一括処理できないか。
ついつい考えます。
一見すると効率化です。
でも、順番を間違えると危ない。
商品を作る。
↓
売る。
↓
需要を確認する。
↓
売れる作業を自動化する。
本来は、この順番のはずです。
ところが、
商品を作る。
↓
販売システムを作る。
↓
自動投稿システムを作る。
↓
分析システムを作る。
↓
管理画面を改良する。
↓
まだ売っていない。
となることがある。
これでは、
「売れない仕組みを自動化しているだけ」
です。
AIに言われて、ぐうの音も出ませんでした。
「作れるか?」より先に「誰が金を払うか?」
私は何かを思いつくと、
「これ、作れるかな?」
と考えます。
AI時代になってからは、特にそうです。
以前なら技術的に諦めていたものでも、生成AIを使えば個人で作れる可能性が出てきました。
これはすごい。
ただし、その結果、新しい罠も生まれました。
「作れる」と「売れる」は全く違う。
作れるか?
ではなく、
誰が使うのか?
その人は何に困っているのか?
その問題を解決するために、いくら払うのか?
こちらを先に考える必要がある。
技術的に作れることが分かった瞬間に開発を始める。
これは気持ちいい。
でも、
「誰が買うんだ?」
という嫌な質問を後回しにしているだけかもしれない。
Opportunity――実は新しいものを作る必要がない
ここまで読むと、
「じゃあ、今までやってきたことは無駄だったのか?」
となりそうですが、逆です。
辛口SWOTでも、最大の機会は明確でした。
大量の過去資産がある。
しかも今は生成AIがあります。
昔書いた記事。
日記。
小説。
プロット。
学習記録。
仕事について考えたこと。
Web運営の経験。
過去の企画。
これらを人間が全部読み直して整理するのは大変です。
でもAIなら手伝える。
たとえば、
過去記事を分類する。
↓
同じテーマの記事をまとめる。
↓
不足している部分を探す。
↓
加筆する。
↓
一冊の本にする。
↓
Kindleとして出版する。
↓
音声台本に変える。
↓
Podcastにする。
↓
短くしてSNSへ出す。
↓
メルマガにする。
つまり、
新しいものをゼロから作らなくても仕事は山ほどある。
むしろ私の場合、
「新しいアイデアを考えること」より、
過去の自分を発掘すること
の方が事業になる可能性がある。
Threat――最大の敵はGoogleではなかった
SWOT分析なので、Threats、脅威もあります。
Googleのアルゴリズム変更。
AI検索。
SNSの仕様変更。
ASPの規約変更。
APIの変更。
プラットフォーム依存。
もちろん全部リスクです。
でも辛口分析で、一番怖い脅威として浮かび上がったのは別のものでした。
「明日、また面白いことを思いつくこと」
です。
笑いました。
でも、これが一番危ない。
今日、
「よし。このKindleを完成させるぞ」
と決める。
翌日。
「待てよ。この仕組み、プラグインにできるんじゃない?」
三日後。
「Podcastにもできるな」
一週間後。
「AIキャラクターに喋らせたら面白い」
二週間後。
最初のKindleは未完成。
そして、新しい企画が四つ増えている。
外部環境より、
自分自身が自分のプロジェクトを破壊している。
これは結構怖い話です。
辛口総評――私に足りないのは能力ではなく「回収」
そして、AIが出した総評を私なりにまとめると、こうなります。
学びすぎ。
考えすぎ。
作りすぎ。
企画しすぎ。
仕組み化しすぎ。
でも、
売るのが足りない。
締めるのが足りない。
捨てるのが足りない。
一本化するのが足りない。
つまり、
能力不足ではなく、回収不足。
これが今回、一番刺さった言葉でした。
では、どうする?
問題が分かったので、ルールを作ることにしました。
まず、
新しいプロジェクトは原則始めない。
ただし、新しいアイデアを考えることは禁止しません。
思いついたら保存する。
でも着手しない。
そして、同時進行するプロジェクトは最大3つ。
その中でも、
直接収益につながる主力は一つ。
さらに、新しいものを始めるときには、
「90日以内に金になる可能性があるか?」
を見る。
そして、もう一つ。
これはかなり重要です。
70点で出す。
100点になるまで直していたら、私は永遠に次へ進めません。
70点で公開する。
売れたら直す。
反応があれば増やす。
売れなければ、執着しない。
新しいものを一つ作りたければ、古いものを一つ売る
そして、自分用に一つルールを作りました。
「新しく作る前に、古いものを一つ売る」
新しいプラグインを作りたい?
その前に、今ある商品を一つ販売する。
新しいサイトを作りたい?
その前に、過去記事を一冊のKindleにする。
新しいサービスを思いついた?
その前に、既存サービスに値段を付けて売ってみる。
これならアイデアを殺す必要はありません。
完成させた人だけ、次のアイデアへ進める。
ゲームみたいなものです。
「アイデア創出型」から「資産回収型」へ
これまで私は、
「何を作れるだろう?」
と考えてきました。
これからは、
「すでに持っている何を、価値に変えられるだろう?」
と考えてみようと思います。
記事数を増やすことが目的ではない。
企画数を増やすことでもない。
プラグインの数でもない。
見るべきなのは、
完成した作品。
販売した商品。
実際に使ってくれた人。
売上。
そして、一度作ったものが何度も価値を生む仕組み。
考えてみれば、
新しい鉱山を探し続けていたけれど、
自分の家の地下に、掘っていない鉱脈が大量に残っていた。
そんな状態なのかもしれません。
AI時代だからといって、AIに大量生産させる必要はない。
むしろ、
過去の自分が大量生産してしまったものを、AIと一緒に回収する。
私にとっての生成AIの使い方は、案外こちらなのかもしれません。
そして当面、自分に言い聞かせる言葉はこれです。
「もう増やすな。完成させろ。売れ。」
……辛口AI、容赦ないな(笑)。
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