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歯の治療費に100万円近く払ってきた、発達障害の私。毎日、磨いても。

    歯の治療費に100万円近く払ってきた、発達障害の私。毎日、磨いても。

    歯は毎日、磨いている。なのに、歯科健診では磨き残しが多いと言われ、虫歯が見つかる。治療費は、積み重なって100万円近くになった。

    「またか」

    虫歯が見つかったことも、もちろん嫌だ。でも、それより、また磨けていなかったことがこたえる。毎日、歯ブラシを持っているのに。

    私には「またか」。人は驚く

    少し、自己紹介を。心の作家・画家、よりみちです。発達障害があり、絵や文章をかいています。今年、自伝『発達障害のよりみちが、それでも生きる理由。』と、絵本『よりみちが生まれた日』を商業出版しました。講演やワークショップもしています。

    知り合いから「発達障害には見えないよ」と言われることがある。作家になると、「発達障害ではない。成功者だ」とも言われる。

    成功者と言われるより、歯磨きがうまくなりたい。

    人生は磨くことができるのに、歯を磨き切れない。なんとも、みっともない話だ。

    私には「またか」と思うことが、いくつかある。でも、そのたびに人へ話してきたわけではない。歯科健診で磨き残しを指摘されたことも、日々の出来事の一つとして過ぎていく。

    それを、こうしてnoteに書くことがある。すると、人は驚く。私には繰り返していることでも、周りには見えていなかったのだ。

    本を書いている私も、歯磨きに困っている私も、同じ私なのだけれど。

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    その場ではできる。家ではできない

    歯ブラシの持ち方も、磨き方も教わる。言っていることはわかる。その場ではできる。

    なのに、家に帰るとできない。

    何も教わっていないわけではない。歯磨きが大切だと知らないわけでもない。それでも、次の健診では磨き残しを指摘される。

    子どもの頃から、こういうことが不思議だった。できることと、できないことの差が大きい。ミカンの皮はむける。手が動かないわけではない。でも、歯磨きはうまくできない。

    21歳のとき、うつとともに、発達障害と診断された。でも、自分の発達特性はよくわからなかった。

    今は、少しわかる。わかることと、生活の中でできることは、同じではない。そのねじれに気づくまで、時間がかかった。

    私にとって、歯磨きはマルチタスクだ。

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    手順を思い出す。手を細かく動かす。ブラシが当たっているか確かめる。磨いた場所と、まだ磨いていない場所を覚えておく。一度に気を配ることが、いくつもある。

    こうした行動を調整する働きに、「実行機能」が関わっている。ADHDでは、この働きに難しさがある人もいる。

    でも、そんなことより、私は歯をちゃんと磨きたい。

    歯科では、教えてもらいながらできる。でも、家では一人で、教わったやり方を思い出し、磨き方を確かめ、最後まで続けなければならない。疲れると、さらに雑になる。

    その場でできたから、家でもできるはず。その違いが見えなければ、私の「できない」は甘えに見えてしまう。毎日磨いていても、だ。

    その小さなことが、私には難しい。でも、歯を守るには欠かせない。

    自分の歯を、気合いだけに任せない

    怖いのは、歯科健診を忘れることだ。私の場合、気づいたときには虫歯だらけになっている。

    治療が必要になれば、お金がかかる。これまでの合計が100万円近くになっているのだから、私には死活問題だ。

    歯磨きだけでなく、健診の予定も守らなければならない。

    最近、少し良くなったことがある。AIがスケジュール管理を手伝ってくれる。電動歯ブラシなど、使えそうな道具も提案してくれる。

    自分を信用しない。機械に頼る。それは、メガネと同じだと思っている。

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    疲れていても、明日の自分なら丁寧にできる。今度こそ忘れない。そういう期待だけに、自分の歯を任せない。磨くための道具を使う。予定を管理するためにも、助けを借りる。

    それで何もかも解決した、とは、まだ言えない。今は、自分に必要な助けを使いながら、変えていこうとしているところだ。

    旅先の自分を、知っているから

    10月30日から、広島、大阪、名古屋への旅に出る。人と会い、途中、大阪府茨木市のイベントにも出展する。

    旅を前に、緊張している。歯磨きのことも、その一つだ。

    家にいても、疲れると雑になる。旅先では、なおさらそうなるんだろうなと思う。普段とは違う場所で過ごし、移動し、人と会う。そのあとにも、自分の歯は磨かなければならない。

    外から見れば、人に会いに行く作家かもしれない。その私は、旅先で歯をちゃんと磨けるかを心配している。

    成功者と言われても、歯磨きがうまくなるわけではなかった。だから、自分に必要な道具を使う。

    今回の旅には、初めて電動歯ブラシを持っていく。

    忘れないようにしないと。



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    発達障害の商業作家・アーティストよりみち。 書く・描く・語るの三軸で活動。 自伝エッセイ商業出版済み。 生きづらさを抱えながら歩き続けた言葉を届けています。 noteメンバーシップ【よりみちの地図】で、思考の裏側に触れられます。

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