
クラファン心臓外科医、TCB堺院長就任〜直美ルートの完成形
直美ルートの完成形と医師たちの怒り
前回の記事から半年も経たないうちに、続報が入った。塩見先生がTCB堺院の院長に就任した。30歳前後、入職してすぐの院長就任である。
何が起きたか
事実関係を整理する。
2018年、医学生時代に「世界一の心臓外科医になりたい」とクラウドファンディングを実施し、約58万円の支援を集めた。
2025年11月、大手美容外科チェーンTCBの堺院院長に就任。
その間、岐阜大学医学部卒業、淡海医療センターで初期研修、大阪市立総合医療センターの麻酔科で勤務。麻酔科標榜医を取得後、形成外科を経ずに直接美容外科へ。いわゆる「直美」ルートだ。
そして入職して間もなく、院長就任。
標榜医という資格
ここで押さえておきたいのは、麻酔科標榜医という資格の中身である。
麻酔科で2年以上の臨床研修を経て、厚労省に申請すれば取れる。専門医試験はない。症例数の要件は基準によって異なり、基準Iは2年以上の専従修練のみ、基準IIは300症例以上の全身麻酔を求める。いずれにしても試験はなく、実態としては届出制に近い。
専門医(試験あり、症例数要件あり、5〜7年の研鑽が必要)とは全く別物である。
X上では牡蠣🦜先生が「中規模以上の病院で麻酔科医2年やってれば上級医の横で突っ立ってるだけでも勝手に取れる資格」と評していた。誇張ではあるが、専門医取得の労力と比較すれば実態をよく表している。
塩見先生のキャリアを資格ベースで整理するとこうなる。
心臓外科の研鑽:ゼロ
形成外科専門医:なし
麻酔科専門医:なし(標榜医のみ)
美容外科のトレーニング:入職後のみ
これで30歳前後・入職早々に院長就任である。
そもそも麻酔科標榜医制度は、戦後の麻酔科医不足を背景に、安全な麻酔の担い手を確保する目的で設けられた経緯がある。それが今や「美容外科への最短入口」として機能している。制度の趣旨と運用がここまで乖離した資格も珍しい。
医師コミュニティの反応
X上のポストは360万view超え。本来のクラファン裏切り問題に加えて、新たな怒りの層が噴出している。
寺田次郎先生(放射線科)は「僕なんて、まだ、平社員なのに」と皮肉。
ときこでらっくす先生は「麻酔科は何年やっていたんだろうか。素人や先人たちを騙してお金を毟り取って最終的に魂を売って金の亡者に成り下がる」と直球の批判。
kkggさんは「信念のない、クソ医者。美容外科は他科に比べてこういった人間が多いから嫌になる」と業界全体への失望を表明。