
流行った瞬間に、もう飽きている。情報のデフレ時代にどう生きる?
1. 「情報の消費」から「存在の確認」へ
1年前、ChatGPTの画像生成が話題になったとき、私もちょっと触ってみました。すごいなと思ったけど、気づいたら誰も話題にしなくなっていました。
あれ、なんだったんだろうと思って。
たぶん、飽きたんですよね。私たちが。あっという間に。
そして先月、世界を震撼させた動画生成AI「Sora」までもが、公開からわずか半年でサービス終了を発表しました。もちろん、終了の裏にはコストや著作権の壁といったビジネス的な事情もあります。でも、少なくとも私たちはにすぐ飽きてしまっていましたよね。
AIが変えたのは、量産のコストをゼロにしたことだと思っています。
昔は「何かが流行る→模倣される→飽きる」というサイクルに時間がかかった。作るのに人と時間とお金が必要だったから。
でも今は流行った瞬間に量産できる。だから飽きるまでの時間が、どんどん圧縮されていっている。
流行と気づく頃には、すでに終わっている。
そういう時代になってきた気がします。
同じように、私たちはAIが書いた文章にも飽きています。
それがAIが作ったものだと、なんとなくわかりますよね。読み始めた瞬間に。「あ、これAIだ」って。
AI構文の特徴はいろいろありますが、なにより、読んでいるときに、その人の顔が浮かんでこない。
だから「あ、AIだ」ってすぐに気がつく。
そして、急に読む気が失せる。
そもそも私たちって、知識を求めて人の文章を読んでいるわけではないのかもしれません。
知りたいことはAIに聞けば済む。わざわざ時間をかけて人の文章を読むのは、その人が言っているから、その人の言葉だからであって。
コンテンツとは、情報ではなくて人格の発露なんだと思います。
だから、誰が言っているか。それが伝わらないものには、もう価値を感じにくくなっている。
2. 「言語化の逆説」と生身の価値
じゃあAIが全てを模倣できるこの時代に、「その人らしさ」は守られるのか。
たぶん、守られないでしょう。
AIは個人の文体も、思考パターンも、口癖も、学習できる。発信すればするほど、データが蓄積される。言語化した瞬間にデータになる。
だとすると、発信すればするほど模倣可能性が上がっていくという、ちょっと怖い流れがあります。
発信する人、クリエイターにとっては、詰んでいる気がしてきますよね。
でも、一個だけ抜け穴があると思っています。
模倣できないのは、言語化される前の状態だけ。
テキストになった瞬間、音声になった瞬間、もう模倣可能になる。
だとすると、価値が残るのは言語になる前のやりとり、つまり生身の場だけになる。
コンテンツの価値が下がって、場の価値が上がっていく。そういう方向に向かっている気がします。
NLPが面白いのって、実はここなんですよね。
NLPはそもそも、言語化される前を扱う技術です。私たちがどういうフィルターで世界を認知しているか。どういう反応パターンを持っているか。言語の手前にある構造を扱う。
たとえば同じ出来事を経験しても、受け取り方が人によって全然違う。ある人は傷つき、ある人は何も感じない。その差は知識じゃなくて、その人が無意識に使っているフィルターの違いです。NLPはそこに直接アクセスする。
知識はAIから取れる。でも自分がどういうフィルターで世界を見ているかは、AIには教えてもらえない。
頭で理解することと、身体で書き換わることは、全然違う。それは生身の場でしか起きない。
AIが言語を極めれば極めるほど、言語の手前にあるもの、つまり、認知のパターン、知覚の癖、無意識の反応への関心が高まっていくと思っています。
3. 「正解」の終焉と「納得感」の時代
では、これからの私たちはどう生きるべきなのか、に話を広げてみます。
かつては、正解を知っていること自体が希少性でした。MBAを取れば、あの本を読めば、あの人に習えば、成功できる。そういう「正解の在処」が存在していた。
でも今は、正解はAIに聞けば無限に出てくる。正解を知っていることに、もう希少性はない。
だとすると、これから価値を持つのは「正解を知っている人」じゃなくて、「自分の生き方を持っている人」になる。何が正しいかじゃなくて、自分にとって何が正解かを、自分で見つけられる人。
それは、慣れていない人にとっては怖いことのように聞こえるかもしれないけど、私はむしろ自由だと思っています。誰かが決めた正解に合わせなくていい。自分の中から、自分の答えを見つけ出せばいい。
そのための技術に、NLPがあると思っています。
頭で考えて正解を作り出すのではない。自分の奥にもともとあるものを見つけ出す。無意識の深いところ、自分の根っこにあるもの=なぜ生まれてきたのか、何のために動いているのか、そこに繋がるための技術でもあります。
スピリチュアルな言い方をする人もいますが、NLPはそこに、構造としてアクセスする。感覚や直感を否定せず、再現性を持って。
読み書き、そろばん、NLP。
これからの社会人の基礎教養です。
著者プロフィール:
Effica株式会社 代表取締役
全米NLP協会認定トレーナー
柳下早紀
◾️ Effica公式サイト
◾️ Effica NLP Academy 公式サイト
◾️ 体験会情報はこちら ←随時更新
▼関連記事