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一度”損を確定”させて、ゼロベースで投資判断する。その具体的な方法。

    前回の記事で、『損を確定する』という行動について説明しました。

    今回は、その具体的なトレード手順と、なぜ損を確定することが重要なのかを伝えます。

    損を抱えて判断するのは危険

    『損切り』と聞くと、敗北感に囚われるかもしれません。

    しかし、本当に恐ろしいのは、『間違った結果』と『含み損』を抱えたまま、投資判断をし続けることです。

    『損』を確定する。これは正しい投資判断をし続けるための、『メンタルリセット』です。

    自分の想定外に下落した株は、一度『間違っていた』と認めましょう。

    そして『損を確定』させてから、『ゼロベースで再度エントリーを判断する』と、トレード判断は驚くほど明確になります。


    方法①:信用取引で『実損確定』と『再エントリーの判断』をする

    一度ポジションを決済し、同じタイミングで再度ポジションを構築する方法です。

    実例でシミュレーション

    銘柄: カーブス(7085)

    平均取得単価: 700円(現物1000株)

    状況: 決算通過後、株価が670円まで大幅下落

    心の声: 「この下落は一時的かもしれない。いや売るべきか。一度メンタルをリセットして冷静に判断したい。」


    トレード手順

    保有している『現物1000株』 を成行で売却し、670円で約定します(この時点で30,000円の損失が確定)。

    同じタイミングで、『信用1000株』を購入し、670円で約定します。

    この時点で、あなたは信用取引で670円の株を買ったばかりの人となりました。

    ここからが、肝心な思考のフェーズです。

    「今、670円で買ったばかりの株を、持っていたいか?それとも売るべきか?」

    まだ買ったばかりなので、売っても買っても、大きな損益は発生しません。
    ゼロベースで考えてみましょう。

    持ち続けると決めた場合

    信用で買った株を『現引き』します。これで、再び現物株として保有できます。

    『670円でエントリーしたトレード』として、新たな判断基準や損切ラインを立てて、ウォッチしていきます。

    売ると決めた場合

    信用で買った株を売却します。

    ここで多少の損益が出ますが、それは『冷静な判断を下すための手数料』です。多少プラスになるかもしれません。焦る必要はありません。

    よく考えてみてください。

    • 1回目の損は、純粋な自分のトレードの失敗。

    • 2回目の多少の損(か得)は、コイン投げのような短期トレード。

    損切りしない人は、1回目のトレードと2回目のトレードがぐちゃぐちゃに混ざったまま、さらに『持ち続けるべきか否かのトレード判断』をしているのです。これでは明確なトレード判断ができるはずがありません。

    これらを、切り分けましょう。


    方法②:スプレッドシートで『仮想損切り』を行い、思考をリセットする

    この方法は、実際に株を売却せずに、『損切りしたとみなす』記録を残し、思考を整理するものです。

    トレード手順

    スプレッドシートに、『仮想損切り』 のトレード結果として、以下のように記録します。

    • 日付: 7/25

    • 銘柄: カーブスHD

    • 買付価格: 700円(現物1000株)

    • 売却価格: 670円

    • 損益: -30,000円

    さらに、『仮想の買い付け記録』 を追記します。

    • 日付: 7/25

    • 銘柄: カーブスHD

    • 買付価格: 670円(現物1000株)

    これで、700円の買値はいったん忘れましょう。

    トレード記録としては、670円で、今、たしかに買ったのです。

    そして冷静に考えます。

    「今、670円で買ったばかりの株を、持っていたいか?それとも売るべきか?」

    持ち続けると決めた場合

    スプレッドシートに書き込んだ670円の買い付け記録をそのまま使い、保有を継続します。

    売ると決めた場合

    実際に株を売却します。そして、新たなトレード記録を追加します。

    • 日付: 7/27

    • 銘柄: カーブスHD

    • 買付価格: 670円(現物1000株)

    • 売却価格: 672円

    • 損益: +2,000円

    もし、この2回目の記録が、あまり意味をなさないような誤差だったならば、すべての作業を終えた段階で、最初のトレード記録を修正して、以下の1個のトレードとして統合することも可能です。

    • 日付: 7/27

    • 銘柄: カーブスHD

    • 買付価格: 700円(現物1000株)

    • 売却価格: 672円

    • 損益: -28,000円

    逆に、2回目の判断も『重大な失敗』だと感じたのであれば、記録を分けたままにしておくことで、反省記録とすることができます。

    私は、自作のスプレッドシートの記録帳しか見ないタイプなので、これで十分にメンタルがリセットされます。

    人によっては証券会社の画面に損があると気が散る人もいるでしょう。その人は、信用取引で実際に損を確定させましょう。


    一番よくない考え方は、

    「このマイナスを絶対プラスに戻すぞ!」
    「ナンピンして買値を下げて、すぐにプラスにしてやる!」

    といった考えです。

    株式投資は勝ったり負けたりを繰り返しながら総資産を増やすゲームです。
    勝率は60%もあれば十分すぎるゲームです。
    「すべてのトレードを勝ちで終わらせる!」という発想は、株式投資というゲームのルールを完全に誤解しています。


    迷ったら、いつでも『ゼロベース』でエントリーを判断する

    自分の保有銘柄が、暴落していたり、2年ものダウントレンドの真っ只中にある。こんな時の判断はドライになれず難しいものです。

    しかし、もしその銘柄を持っていなければ。
    驚くほど冷静に、買うべきか否かを見極められるものです。

    ロングオンリーの投資家にとって、最も熟練しているケースは、
    『保有ゼロから、エントリーすべきかを判断するケース』です。

    1年間損に耐えた銘柄のほうが、判断に慣れていますか?
    暴落した後の銘柄のほうが、判断に慣れていますか?

    そんなことないですよね。

    『ある銘柄を知った。魅力がありそうだ。買うか判断する。』
    このケースに一番慣れているはずです。

    だからこそ、一度、損を確定させましょう。
    そして、一番慣れた戦闘シーンにリセットして、いつものバッティングフォームを取り戻すのです。

    こうすることで、
    「あれ…冷静に見てみたら、この株は買えないな」
    「いや…普通に今見たら買いたいと思うよな」
    と、客観的な判断ができるようになるのです。

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