
忍耐を捉え直す
僕らが鍛えられた頃の忍耐力とは、
「心を削ってでも、いまを乗り切る」力だった。
不器用でも、苦しくても、
とにかく続けていれば、いつか実る。
そう信じられた時代だった。
けれど今、世界の仕組みは大きく変わった。
情報は溢れ、変化は止まらない。
仕事は“心の働き”を求めてくる。
創造性、判断力、対話する力・・・
すべて心のエネルギーから生まれる。
つまり成果の源泉は、
時間の投入量ではなく、
自分がどれだけ健やかでいられるかに
かかっている。
だとすれば、
昔ながらの“心を削る忍耐”を続けていると、
肝心の力が弱ってしまうのは当然だ。
努力が報われないのではなく、
努力の仕方が変わってしまっただけなのだ。
現代で必要なのは、自分の心身を守りながら
続ける力だと思う。
削るのではなく、整える。
耐え切るのではなく、休みながら向き合う。
一人で抱え込むのではなく、支えを借りる。
それは決して甘えではない。
むしろ、長く続けるための “新しい忍耐” だ。
心が健やかであれば、
深く考える余裕が生まれる。
人にも優しくなれ、
自分の価値を静かに発揮できる。
忍耐とは、ただ耐えることではなく、
自分をすり減らさずに前へ進む知恵へと
変わりつつあるのかもしれない。
時代が変われば、頑張り方も変わる。
その変化に気づいた人から、
新しい持続のかたちを
生きはじめていくのだろう。

撮影地 馬場花木園