
中国で仕事をする上での上司からの金言
上司からの呼び出し
中国に頻繁に出張するようになった頃(もう15年以上前だが)、
自分を中国担当に呼んだ上司(下の記事参照)の、さらにその上の上司(部長)に呼び出された。
その部長は、少し若い頃に営業責任者として中国に何度も出張したことがあって、
中国に対する思い入れも、理解もある人だった。
それまで、仕事に関して彼と直接話をする機会も多くなかったのに、
わざわざ部屋に呼んで話す内容とは何だろう、と少し緊張していた。
中国ビジネスでの飲酒の必要性
今では、農村に行くか、或いは業界によってはまだ残っている文化で、都市部ではそうではないかもしれないが、
当時は、「顧客と飲んでから初めて商談ができる」と言われていたほど、
会議や打ち合わせだけでは何のビジネスも進まなかった。
なので、必ずしも酒に強い必要はないが、「飲めません」では通用しなかった。
自分は強くはなかったが、上司はすごく弱かったので、自分が盾になって飲まねばならない機会が多かった。
上司が私を評して、「外付けハードディスク」と呼んでいたのだが、実に言い得て妙だった。
中国ビジネス会食での飲み方
中国のビジネス会食では、自分のペースでお酒を飲むことができない。
自分が飲みたい時には、必ず誰かを誘って一緒に飲むのが礼儀である。
客人がいる際には、その人に対してひとこと簡単な挨拶をしてから誘って飲んだりする。
そして、飲む際には杯を干すと書いて「干杯(乾杯)」するのが礼儀である。
当然、受ける側(客人)も、同様に乾杯するのがマナーだ。
自分が客で、相手が10人いる場合、彼らから順番に挨拶され、それぞれと乾杯していると、
彼らは1杯しか飲んでいないのに、こちらは10杯飲むことになる。
ビールだと腹が膨れて耐えられないし、アルコール度数50度前後の白酒だと、
簡単に酔っ払ってしまってそれも大変。
だが、こういう場を乗り切らないと、相手とも親しくなりきれないし、商談も始まらないのだ。

小さいピッチャーに目盛りがついていて、
100mlとか、きっちり定量を入れられる。
部長からの金言
前段が長くなったが、部長が自分に伝えようとしていたのは、そんな会食の場で有用なひとことだった。
即ち「大家一起干杯dajia yiqi ganbei」というもので、誰か1人に乾杯を誘われた際に、1対1でやるのではなく、
その場の皆を巻き込んで、「皆さん一緒に乾杯しましょう」と言う、という技である。
その場の人たちを平等に酔わせることができ、かつ、「この人に乾杯を申し込むと皆が巻き添えを喰らう」と
相手に思わせることで、乾杯の誘いを少ししづらくさせる、という効果がある。
うまく適度に使えば、自分の飲酒量を少し減らすことができるので、有用な言葉である。
とはいえ、わざわざ呼び出されて言われた言葉がこれか、と拍子抜けしたのだった。