
コミュニケーションデザインって?
はじめに
なぜ今、コミュニケーションデザインなのか
情報は溢れているのに、声が届かない人がいる。
議論は行われているのに、参加できない人がいる。
社会課題が複雑化する現代において、
「どう伝えるか」だけでは、問題は解決しない。
京都大学ソーシャル・コミュニケーションデザイナー養成講座(SCD)が問いかけるのは、
「そもそも、なぜ伝わらないのか」「なぜ参加できないのか」という、
コミュニケーションの前提条件そのものだ。
コミュニケーションデザインは「伝達技術」ではない
一般的に、コミュニケーションデザインという言葉は
マーケティングや広報文脈で語られることが多い。
誰が
誰に
何を
どう届けるか
しかし京都大学SCDが対象とするのは、
「その前に、誰が排除されているのか」という問いである。
蓮行氏が語る、京都大学SCDにおけるコミュニケーションデザイン
コミュニケーションデザインとは、
個人の性格や能力など属人的な要素だけでなく、
場の設定・時間軸・関係性といった環境的な要素も含めて俯瞰的に捉え、
コミュニケーション環境全体を統合的にデザインすること
ここで重要なのは、
「うまく話せない人」「発言できない人」を個人の問題にしない
という姿勢だ。
京都大学SCDでは、
場の構造
ルール
言語
権力関係
そのすべてが、デザインの対象になる。
京都大学SCDが目指すのは
「誰一人取り残さない社会」
京都大学SCDの根底にある価値観は、
SDGsにも通じる “Leave No One Behind” である。
ここでいう「取り残される」とは、
情報が届かないこと
発言の機会がないこと
意思決定に参加できないこと
つまり、社会的コミュニケーションからの排除だ。
コミュニケーションデザインの4要素

① 問い・意味生成のデザイン
正解を与えない
誰が問いを立てられるかを設計する
② 声と意味が流通する回路のデザイン
誰が誰に何を届けるかを固定しない
声が詰まらず、消えない構造をつくる
③ 参加可能性・関与のデザイン
発言できなくても「参加」とみなす
沈黙や違和感も含めた設計
④ コミュニケーション環境のデザイン
排除を生む前提条件を疑う
環境そのものを設計し直す
京都大学SCDは「学び」と「社会実装」を往復する
京都大学ソーシャル・コミュニケーションデザイナー養成講座では、
演劇的手法
ワークショップ
フィールド実践
を通じて、対話が生まれる条件、しくみ化を身体感覚で学ぶ。
これは、
リカレント教育
社会人教育
地域コミュニティデザイン
とも深く接続している。
なぜ今、ソーシャル・コミュニケーションデザインなのか
問題は「伝え方」ではない。
問題は「伝えられない構造」にある。
声を出せない人がいる
参加できない人がいる
意見が社会に接続されない人がいる
京都大学SCDは、
それを個人の努力ではなく、社会のしくみの問題として扱う。
おわりに|コミュニケーションデザインは社会のインフラである
ソーシャル・コミュニケーションデザインとは、
「うまく話すための技術」ではない。
それは、
誰もが社会の一部として語り、関われる状態をつくるためのインフラ設計そのものだ。
京都大学SCDが育てようとしているのは、
メッセージの専門家ではない。
社会の関係性を編み直す実践者である。
参考文献・関連リンク
ソーシャル・コミュニケーションデザイナー養成講座とは
https://art-cd.gsm.kyoto-u.ac.jp/scd/about/東京第1期開催概要
https://art-cd.gsm.kyoto-u.ac.jp/scd/schedule-tokyo1/京都第2期開催概要
https://art-cd.gsm.kyoto-u.ac.jp/scd/gaiyou-kyoto2/社会人向けリレー講座における「コミュニケーションデザイン」の構成
https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/KAFM-WJ039.pdfポスト近代型能力を涵養するリカレント教育
https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/b50eb5895b0ec2aba68ecf01b6177a37-3.pdfプロジェクト発信型英語プログラムにおける演劇WS
https://www.jstage.jst.go.jp/article/letkansai/22/0/22_131/_pdf/-char/ja地域コミュニティを対象としたソーシャルデザイン
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssd/63/0/63_268/_pdf/-char/jaSDGsは国連初のコミュニケーション・デザイン
https://gakkai.sfc.keio.ac.jp/journal/.assets/SFCJ19-1-03.pdf