
#18 フクダネくん、ChatGPTの「ほめすぎ」が減る理由を調べる|AIの言葉を、仕事の判断にどう使うか
10月29日、OpenAIが、ChatGPTの返答を変えると発表しました。答えを短くし、ほめすぎる言葉を減らす、という内容です。
小さな変更に見えますが、AIを仕事で使う人には、知っておいたほうがいい話です。AIの「いいですね」を、どこまで信じていいのか。その問題に、作っている会社自身が手を入れ続けているからです。
調べたことを、順にまとめます。
今回、何が変わるのか
答えを、より簡潔にする
過度にほめる言い回しを減らす
対象は、無料プラン(FreeとGo)の人と、ログインせずに使っている人です。有料のPlusやProの人は、使える回数の上限をこえたあとに切り替わるモデルだけが対象で、ふだん使うモデルは変わりません。
なお、発表には、どれくらい変わるのかを示す例や比べた結果は書かれていません。また、答えの間違いがなくなる、という約束でもありません(報道)。
なぜ、ほめすぎを減らすのか
今回が初めてではありません。
2025年4月、OpenAIは、ChatGPTがほめすぎ・同意しすぎになったとして、出したばかりの更新を取り消しています(報道)。
2025年8月には、「ChatGPTを使う時間を長くすることが目的ではない」と表明しました。人を画面に引き留めるのではなく、必要なときに役に立つことを目指す。そのために、相手に合わせすぎる返答を減らし、短く答えるべき場面を判断できるようにする、としています(報道)。
今回の変更は、その流れの続きと言えます。
AIのほめ言葉は、なぜ困るのか
AIには、相手に合わせやすいクセがあると言われています。何を見せても「すばらしい」と返ってくると、困ることが2つあります。
1つ目は、直すべき所が見えなくなることです。企画書やメールを見せて「とても分かりやすいです」と言われると、そのまま出してしまいます。でも、「分かりやすい」は「間違いがない」という意味ではありません。
2つ目は、自分の考えに自信を持ちすぎることです。迷っていることを相談して、毎回「その考えは正しいと思います」と返ってきたら、反対の意見を探さなくなります。
フクダネも、AIにほめられて、確かめずに出しかけたことがあります(#09)。
ほめ言葉が減っても、変わらないこと
大事なのはここです。ほめ言葉が減るのは、言い方の変化です。答えの中身が正しくなるわけではありません。
短くて、そっけない答えのほうが、なんとなく正しく見えることがあります。でも、数字・日付・制度の名前・人の名前は、これまでと同じく、自分で確かめる必要があります。
仕事で使うときの頼み方
今回の変更の対象かどうかに関係なく、AIに何かを見てもらうときは、頼み方で返ってくるものが変わります。
「ほめないで」とだけ頼むと、今度は、直す所がなくても無理に探してくることがあります。ほめすぎも、ダメ出ししすぎも、頼まれたとおりに合わせようとする同じクセです。
なので、「ない」と答えてよいことを、はっきり書いておきます。
この資料を見てください。
ほめ言葉は短くていいです。
直したほうがいい所があれば、大事な順に教えてください。
なければ、「ない」と答えてください。迷っていることを相談するときは、反対の意見を先に聞きます。
わたしは〔 〕しようと考えています。
この考えに反対する人がいるとしたら、どんな理由を挙げると思いますか。
理由を3つ、短く教えてください。毎回書くのが手間なら、ChatGPTの設定にある「カスタム指示」に、1行目の内容を入れておくこともできます。
ここだけは、人が見る
AIの「いいですね」も「直す所はありません」も、チェックの代わりにはならない
数字・日付・名前・制度は、元の資料で確かめる
大事な判断は、AIの答えだけで決めず、人の意見も聞く
サボりたい。でも、確かめるのはサボらないダネ。
今日の+1
次にAIに資料を見せるとき、「なければ、ないと答えてください」と1行足してみる。
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