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「パりリヌナの思い出に」 アドルフォ・ビオむ=カサヌレス

    高岡麻衣・野村竜仁 蚳  短篇小説の快楜  囜曞刊行䌚

    裏衚テクスト


    ビオむカサヌレスの「パりリヌナの思い出に」短線集。ビオむカサヌレスの぀の短線集から蚈䜜品。
    昚倜読んだ暙題䜜は「モレルの発明」ず同時期らしい。ので、テヌマも執拗に同じ。どちらが祖型でどちらが副産物なのか たあ、どちらにしおもよくできた䜜品だずいう感じ。
    パりリヌナの姿を䞻人公の偎からも恋敵の偎からも読むこずができる、ずいう構成。その恋敵が曞いた䜜品に出おくる装眮は埌に前に「モレルの発明」や「脱獄蚈画」で党面展開される 
     

    突然な終わり方ずドむツ文孊


    「二人の偎から」。郷愁を誘い出すような淡々ずした曞き出しから、別の䞖界に飛ぶずいう男女の幻想䞖界が始たる。男が先に、女がそれを远う。それを芋おいお手䌝っおもいた少女は あら、意倖にも珟実䞻矩だったのね。ずいうお話。でもなんか旅立った男女の結末がわからず倉な浮遊感が残る䜜品。

    次の䜜品䞭線ずいっおもいいか を少し読み進めるが、なんかこの䜜品、ビオむカサヌレスのドむツ文孊ぞのリスペクトから曞かれおいるのかな。蚀及されおいるカフカしかり、雪山のサナトリりム的な魔の山しかり 

    ミむラ取りがミむラになる、䜜家が䜜䞭人物になる


    ビオむカサヌレス短線集から昚日から読んでいた「愛のからくり」を読み終わりたした。䜜品の鍵はバッカス神の幻想行列ず音楜であったわけだけど 

    語り手はでは「自分は蚘録䜜家なのだ、圹者にはなれない」ず蚀う。ずころがになるずバッカス神の音楜のせいで皆が自分の圹回りを匷調しお挔じおいる、どこかに蚘録䜜家がいお蚘録しおいるみたいに、ず語るが、蚘録䜜家は自分じゃなかったのかなでも語り手も音楜聎いおいる 
    暙題のような原皿甚玙でメビりスの茪でも䜜ったような構図になっおいるが、ビオむカサヌレスは語り手に巧いこずを蚀わせおいる。

     船旅の仲間を忘れおしたうのず同様ヌすでに遠い過去の存圚ずなっおいた。
    


    この感芚わかる でも䜜者この堎合はビオむカサヌレスにずっおの䜜䞭人物もそういうものかなあ。
    ずにかく圹者逹は日垞に戻ったわけだ 䞀人を陀いお。

    あず、思ったこずをちょっずだけ付け加えるず、自分的にはバッカス神云々ずいう仕掛けはいらなかったのでは それ抜きで船旅仲間感芚や圹者感芚は突き詰められたず思うし、その方が凄みが増しそう 䟋えばこの䜜品のモチヌフをブッツァヌティに䞎えたら、シンプルに凄みを远求する方向に曞いおいたず思う。 

    でも、そうではないやはり愛に぀いお䜕か語らないずいけないのがビオむカサヌレスなんだろうね。その蟺がタむトルに滲み出おいるのか。 
    なんずなくコルタサルの䜜品ず比べおみたいような気も。 
     

    自己同䞀性ず移民の囜


    昚日「墓穎掘り」ず「倧空の陰謀」の冒頭。
    今たで読んできた䜜品含め通底するのは自己同䞀性ずいうものの危うさ。

    「墓穎掘り」に぀いお蚀えば、最愛の嚘を亡くした男にずっおフリアは別の女ではなくその嚘そのもの。であるわけはないけれど、その男の立堎になっおみるずそう信じおしたうのもわかる。そういう理解の効胜がこういう䜜品を読むこずにはある。ちなみにこの䜜品はビオむカサヌレスにしおは珍しくなのか幻想味は少ないサスペンスタッチの䜜品。

    「倧空の陰謀」もなんずなく䞭心人物の自己同䞀性が問題になりそうなのだけど、ここ読んで感じたのは、移民がかなり倚数を占めるアルれンチンずいう囜。アルメニアずかりェヌルズずかそういうずころのアむデンティティヌを匕きずりながら、たた目の前の他人がそういうものを匕きずっおいるのを半ば前提ずしおコミュニケヌトしおいるアルれンチンずいう囜。そこを芋おいくず䜕故アルれンチンに幻想䜜家が倚いのかがわかるのかもしれない。先ほどの自己同䞀性の問題も 

    そいえば、ドむツ文孊ぞのリスペクトずか蚀っおた「愛のからくり」も、最埌はドむツ系移民が出おきた。
     

    自分の鏡像を調べる男


    昚倜から今日は「倧空の陰謀」ず「圱の䞋」。
    暙題は内偎の語り手の医垫の蔵曞に貌っおある祚のデザむンから。この語り手の姪からは「結局、自分のこずしか考えおいない」ずかなんずか思われおいるんだけど、ビオむカサヌレスの䜜品の登堎人物自䜓がそういうずころないかい 党郚䜜者の分身ずいうか䞇華鏡に映った映像ずいうか。
    さお、䜜品の鍵はたさしく䞇華鏡的無数の䞖界論。こういう䞖界芳っおずヌっずあるし、ちょっず読んでお「゚ペぺ」思い出したずころもあるけど、最埌に倖偎の語り手が瀺す解釈をよく芋るず、結局珟実の䜜品䞭の「がくらの」䞖界内で登堎人物の飛躍は完結しおいおパラレルワヌルド同士で亀差しおいるだけ。開かれおいるのか、閉じおいるのかわからない 

    で今朝から読み始めた「圱の䞋」はどこかの熱垯の島の話。これたた熱垯の光が䞇華鏡化を匕き出しそうであるけれど、その䞖界は閉じそうでもある。しかもこれもなんか「゚ペぺ」じみおいる 
     

    すぐそばにあるパラレルワヌルド鳥を芋぀けよう


    今朝はちょっずブランクありの「圱の䞋」。語り手がふず降りた熱垯の町でロンドンでの旧友を芋぀ける、その旧友が語る話の䞭で圌が恋人の䞍実を芋぀ける、その䞡者ずもなんか事実ずも幻ずも思えるような印象。その䞡者になんらかの鳥服のロゎや人名含む。今読んでいる途䞭の察岞の恋人がいるホテルが燃えお死者がいるかいないかも情報が錯綜しおいる。

    別のパラレルワヌルドに入るのは特別なこずではなく実に日垞的なこずである、ずいうのはビオむカサヌレスにもコルタサルにも共通する。解説にはコルタサルのそれは厩壊しおいくけど、ビオむカサヌレスのそれは共存しおいる ずか曞いおあったような。
    意倖ず毎日いろんなパラレルワヌルドに出入りしおいるのかもしれない、気づかないだけで 
    「圱の䞋」はただただ続く。
     

    パラレルワヌルドが亀差する時


    「圱の䞋」昚倜読み切り。なんだかコンラッド冒頭に盎接蚀及有りずプルヌスト「スワンの恋」ずの連想、癜鳥名前含むがミヌツアフリカしたようなこの䜜品。ラストは倧どんでん返し ずいうこずはないものの、じわじわずいろんな考えが波のように䌝わっおくる、そんな終わり方。
    䟋えば語り手の友人の「英囜人」の幻想のタネの䞀぀ずしお語り手の来蚪が取り䞊げられおいるわけだけど、語り手の方もこんなずころで䌚うはずのない「英囜人」を幻想ずしおも芋おいる。お互い幻想のパラレルワヌルドだったら、それが亀差すれば 
    語り手が「英囜人」が芋せおくれるず蚀った恋人の写真を芋ずに垰った、ずいうのもなんずなくわかるような気がする。亀差したパラレルワヌルドの静かな均衡を砎るこずはしたくなかったのだろう、奜たしい倢を芋぀぀目芚めそうな時に目を開けないようにする時のように 
     

    終わりず始たりの呌応


    今日から「偶像」。叀物商、コレクタヌ、フランスブルタヌニュの村の叀城 ず幻想譚の王道たっしぐらな掘り進み方、ず思いきや、たたブ゚ノスアむレスに戻っおきた。犬の偶像や䜿甚人の嚘などたるで倢の残像みたいに残し぀぀。この話の構造の䞊り䞋り感が読者に目眩をもたらす仕掛けの䞀぀なのだろう。
    そしお、鍵を握っおいるらしき叀城の盲目の䞻人は顔を出さない 
     

    「偶像」を昚倜読み終えたした。倢なのか珟実なのか入り亀じったらしいずいえばらしい䜜品。倢から芚める時の衚珟で釣られる魚に䟋えたずころがあったが、これはプルヌストを意識したのかな。芚めるずいうのを受身に倉化させた 
    「パりリヌナの思い出に」ずかこの䜜品ずかはだいたい「モレルの発明」ずほが同時期の䜜品。なのでかっちりずした粟緻な構成が特城。この䜜品も読み終わっお気になっおも䞀床始めのペヌゞを芋盎すずたた倉な感情がぶり返す、ずいうそういう仕掛け。
    今思ったが、この䜜品は「曞く」ずいうこずに぀いおの、䜜家に぀いおの、オマヌゞュなのか。先のプルヌストずかコヌヒヌがぶ飲みで曞き続けたバルザックずか 
     

    䞖界の終わりず人間の存圚

    金曜から土曜にかけお「パりリヌナの思い出に」の「倧熟倩䜿」読んだ。硫黄の濃密な倧気、魚の倧量死など䞖界の終わり的な事件が次々起こっおいるのに、䞻人公以倖は事件のこずは意識しおいるがなんか日垞的に生掻しおいるずいう䞍思議な、䜜品。今自分たちがひっくるめお「珟実䞖界」ず呌んでいるものも、ビオむカサヌレスにしおみれば䜕局にも重なりあう幟぀もの䞖界の集合䜓なのかもしれない。そしおそれは暪擊れや断局を倚く䌎う。

    「パりリヌナの思い出に」ビオむカサヌレス短線集を先皋読み終えた。最埌の䜜品は動物の顔に亡くなった人物や歎史䞊の人物の顔が二重映しに芋えおしたう、この䜜品集の䞭では短めの「真実の顔」ず、それから「雪の停蚌」。

     私ずいう存圚はその蚘憶にすぎない。
    


     䜜品だけでなく圌の人生そのものが、そうした蚘憶の寄せ集めに他ならない。
    


    これらの文の曞かれた文脈はいろいろ違うが、人間存圚の同䞀性ぞの䜜者の疑いは䞀貫しおあるず思う。肉䜓ずいうものが自由に飛び回りたい魂に「圧制」を匷いる「圱」である、ずするプラトン的思想からこれらの疑い、そしお䜜品は生たれおきたのだず解説にはある。
    しかし、これら䜜品それから「倧空の陰謀」などには政治的批刀の芖点もあるらしく ただただこの䜜家に぀いおは明らかになっおいない研究の䜙地があるのではないか。
     

    補足再読「倧空の陰謀」


    「ラテンアメリカ怪談集」から。
    こちらの蚳は安藀哲行氏。
    前には匕甚しおいないず思われる现かいずころを匕いおみる。

      ロむド・ゞョヌゞずりィリアム・モリスの胞像も同じで、その二぀は、か぀おは、私の楜しい怠惰な青春時代を眺めおいたが、いたは、私を芋぀めおいた。
    


    眺めるず芋぀める、どう違う

      政治孊ず瀟䌚孊は隠秘孊に隣接するものだからだ。
    


    ずりあえず 意味があるような 
    前にこの短線読んだ時には、移民囜アルれンチンずいうこずを曞いたような気がするが、今回は消滅したたたは拡散した民族が頻出するのが気になる。アルメニア、りェヌルズ、そしおカルタゎ 
    あず、耇数䞖界の叀兞文献を玹介するのがそもそもの発端かも。デモクリトス、キケロ  ブランキ
      

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