
『日本絵画の天才(略)』本の楽しみ方とその効能
さぁ、いよいよ明日から、新刊が書店に並び(始め)ます!
せっかくなので、今度の新刊『日本絵画の天才は、なぜ「天才」になれたのか? 守破離でよみとく日本美術入門』(淡交社)の楽しみ方とその効能をこっそりお伝えします(笑)。
そもそもどんな本なのか、についてはこちらをご覧ください。
一気読みよりも1日1画家
すでにお伝えした通り、この本は12名の日本画家を「守破離」をキーワードにして語る本です。
それぞれの画家につき3点の作品を紹介し、じっくり読み解いていきます。つまり12×3で36点の日本絵画がずらっと並んでいます(その他にコラムで取り上げる画家、作品もありますが)。
これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれでしょう。「36点分の作品解説だったら1日で読み終わっちゃうな」と思うかもしれません。
しかし、著者としてはそれはおすすめしません。
理由は単純で「そんなことをしたらヘトヘトに疲れるから」です。
一人の画家につきたった3点の作品。たった3点、されど3点。
その3点は画家の人生を語るために厳選に厳選を重ねた3点です。その3点の解説文の中には、アーティストとしての苦悩や閃きがギュギュッと凝縮されています。
読者は読みながらそれ(あがき、悩み、喜び)を追体験することになります。はっきり言って疲れます。12人の紆余曲折の人生を一気に体験するなんていう無茶なことは作者としてはすすめられません(それでもやりたい人は止めませんが)。
というわけで、私のおすすめとしては「1日につき1画家(3点)だけ読む」です。
こうすると読み終わるまでに12日間かかりますが(「はじめに」「おわりに」「コラム」をいれるともう少しかな)、それぐらいが本書を味わうにはちょうどいいペースかと思います。
もっとじっくり味わいたいなら、1日1作品でもいいです。先を読みたくなるのを我慢しつつ、36日間かけて各画家の人生にとっぷりと浸りきるのもいいでしょう。
この本の効能
さて、この本を最後まで読み終えた時、あなたに何が起こるのか。
12名の画家についてかなり詳しくなるのはもちろんですが、それだけではありません。気がつけば、日本絵画史のおおまかな流れがあなたの中にインストールされているのです。
とりあげる画家は一番古いところでは、室町時代の雪舟。そこから始まり、最終的には昭和まで活躍した横山大観や上村松園にいたります。
まんべんなく各時代を代表する画家を取り上げているので、おのずと日本絵画がどんな風に変化しながら受け継がれていったのかも理解できるという寸法です。気づかぬ内に「おのずと」というところが良いでしょう?
そうなると、これから日本美術、日本絵画の展覧会を見に行っても、今までの何倍も楽しめるようになります。今まで気づかなかったところに気づくようになります。次々に新しい発見をするようになります。そう、おのずと、ね。ワクワクしてきませんか?
各時代を代表する画家の、さらに代表作の図版が並ぶという、考えてみればずいぶん豪華な1冊です。最後に言ったように、読むと日本美術の基礎知識が身について、さらに今後の美術鑑賞が変わります。
ぜひ、書店で手に取ってみてください。
感想もお待ちしてます!
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