
【本日のお品書き】冷凍里芋の甘辛|嵐のあとに訪れる、ねっとりとした安息
今日もお疲れ様。おいちゃんです。
夕方の我が家は、まるで逃げ場のない嵐のようだった。
5歳の長女が朝からどうにもご機嫌斜めで、何を言っても「プンプン!」と怒っている。
そこに3歳の長男がトコトコとちょっかいを出しに行くものだから、火に油を注ぐように姉の怒りが爆発してしまった。
パパはもう、嵐を鎮めようと必死に言葉を尽くしてご機嫌取りをする。
そこへタイミング悪く、長男が「ねぇパパ、教えてー!」と無邪気に袖を引っ張ってきた。
今はそれどころじゃない、頼むから少し待ってくれと「ちょっと待ってね」と言い放った瞬間、今度は僕が構ってくれないと長男まで涙目で怒り出す始末。
ママもすかさずフォローに入ってくれたけれど、小さな怪獣たちはもう誰の言葉も耳に入らない。
リビングの空気は完全に冷え込み、パパの理性もいよいよ限界を迎えそうになっていた。
「あぁ〜もう、わかったわかった!」
と、なかば降伏するように長女の相手を一時中断し、長男の方を向いて
「なーに?どうしたの?」と、努めて冷静に問いかけた。
すると、長男は僕の目をまっすぐ見つめて、大真面目な顔でこう言ったんだ。
「なんでみんな、お口の中にベロがあるのー?」
……いや、その哲学的な質問、今じゃなきゃダメだったのかな(笑)。
一瞬、リビングの時間が止まった。
あまりにも予想外で、あまりにも拍子抜けなその問いに、張り詰めていたパパとママの肩の力が一気に抜けた。
気がつけば、さっきまで鬼の形相で怒っていた長女まで、お腹を抱えてケラケラと笑っている。
子供の純粋無垢な一言は、時に大人が築き上げた深刻な壁を、一瞬で粉砕する力を持っているらしい。おかげで我が家には、いつもの穏やかな平和が戻ってきた。
今日の「だれやめ」メニュー
そんな激しいドタバタ劇を潜り抜けた夜、キッチンに一人で立つと、どっと押し寄せるような疲れを感じる。張り詰めた神経を緩め、今日という日を優しく全肯定するために選んだのが、冷凍庫に眠っていた里芋だ。
ゴツゴツとした無骨な見た目の中に、驚くほど滑らかな「ねっとり」を隠し持っている里芋。それはまるで、トゲトゲした言葉の奥にある、子供たちの甘えたい本心のようでもある。
片栗粉を纏わせてカリッと焼き上げ、甘辛いタレを絡めるこの料理は、張り裂けそうだったパパの心を優しく包み込んでくれる、いわば精神安定剤。
今夜はこの優しい塊を頬張りながら、焼酎のグラスを傾けよう。

【材料】と【作り方】
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【材料】(2〜3人分)
冷凍里芋:1袋(400〜500g)
片栗粉:大さじ3〜4
サラダ油:適量(フライパンの底から5mm程度、多めが美味しい)
いりごま:パラパラっとお好みの量
(合わせタレ)
醤油:大さじ2
みりん:大さじ2
砂糖:大さじ1
【作り方】
冷凍里芋を耐熱ボウルに入れ、ふんわりとラップをして電子レンジ(500W)で5〜6分解凍する。 (中心まで竹串がすっと通るくらいが目安。ここでしっかり熱を通しておくのがポイントだね)
里芋の表面に出てきた水気をキッチンペーパーで軽く拭き取る。ポリ袋に里芋と片栗粉を入れ、袋の口を閉じてシャカシャカと振って全体にしっかり纏わせる。
フライパンに多めのサラダ油を熱し、里芋を並べ入れる。中火で転がしながら、表面が白っぽくカリッとするまでじっくり揚げ焼きにしていく。
全体がカリッと香ばしく焼けたら、一旦火を止めてフライパンの余分な油をキッチンペーパーできれいに拭き取る。 (このひと手間で、タレが薄まらずにピタッと絡むようになるのかな)
事前に混ぜ合わせておいた(合わせタレ)を一気に流し込む。再び弱火にかけ、フライパンを揺すりながら全体にとろみがつくまで手早く絡める。
タレがしっかり絡んでツヤが出たら器に盛り付け、仕上げにいりごまを振って完成。
カリッとした小気味いい歯応えの直後、中から溢れ出す圧倒的なねっとり感。濃厚な甘辛いタレが、里芋の素朴な風味と混ざり合い、脳髄の奥にある幸福な記憶を呼び覚ます。
昼間の嵐のような時間が嘘のように、静かな夜のキッチンで心がじわじわと解き放たれていくのがわかる。
子供たちの不思議な質問には、完全に一本取られてしまったなぁ。
でも、あの無邪気さがあるからこそ、僕らは救われているのかもしれない。
今日も1日おやっとさぁ。