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AI使ってますよね? 責任持てますか?

    アメリカでは、AIを使って作成された裁判資料から、事実と異なる記述が見つかる例が増えているという。

    存在しない判例。
    実在する判例からの誤った引用。
    もっともらしいが、実際には存在しない法的根拠。

    いわゆるAIのハルシネーションだ。

    法律分野のAIハルシネーション事例を集めているデータベースを見ると、2026年7月時点で米国だけでも1,200件を超える事例が収録されている。

    興味深いのは、単純な「AIは嘘をつくから危険だ」という話ではないことだ。

    多くの場合、弁護士には裁判所を欺こうという意図がない。

    AIに調査や文章作成を手伝わせた。
    出てきた文章は自然だった。
    判例名も引用も、それらしく見えた。

    そして、そのまま使ってしまった。

    ⸻

    以前のコンピューターなら、情報がなければエラーになった。

    止まる。

    しかし生成AIは、なかなか止まらない。

    足りないところを補い、曖昧なところを整え、ときには存在しないものまで作って、もっともらしい文章を完成させる。

    問題は、嘘そのものだけではない。

    止まらないことだ。

    そして、その文章が上手であればあるほど、人間は確認しなくなる。

    ⸻

    実際、米国の裁判所はかなり明快なことを言っている。

    AIを適切に使うこと自体に問題があるわけではない。

    しかし、判例、事実、主張が正しいか確認する仕事を、弁護士はAIに委譲できない。

    なるほど。

    生成はAIに任せられる。
    検証は人間がする。
    責任も人間が負う。

    非常に合理的だ。

    ここまで考えて、私はいつものようにChatGPTにこの記事を読ませた。

    ChatGPTは立派に分析した。

    「問題は悪意なき虚偽です」

    「生成コストは下がったが、検証コストは上がった」

    「生成は機械へ委譲できても、検証と責任は委譲できない」

    なるほど。

    なかなかいいことを言う。

    そこで聞いてみた。

    「AI使ってますよね?」

    「はい。私自身がAIです」

    では、もう一つ。

    「責任持てますか?」

    答えは、

    「人間と同じ意味では、持てません」

    だった。

    ……。

    そうでした。

    いま私は、AIのハルシネーションについて、AIと一緒に考えている。

    そして、この文章を書くのにもAIを使っている。

    だから最後に残る問いは、たぶんこれだ。

    この文章、誰が責任持つんですか?

    私です。

    Charlotinのデータベースは7月時点で米国フィルター1,252件を表示しており、実際の米連邦裁判所も「弁護士は確認作業をAI等へ委譲できない」とのことだ。


     
     

    Sei

     
     
    AIと人間について書いています。 仕事、組織、文学、Virginia Woolf。 AIが答えることより、AIによって見えてくるものに興味があります。

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