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Photo bysuzumuraxxxjun

【#チャレがや杯2026】美しい叔父様が美しい私を悩ますので苦労が絶えません

    ここ、バレンタイン王国の姫である私は賢く美しい。庶民なら国最大のコンテストで優勝し女優になるくらいのレベルといっても過言ではない。

    その美しさから、諸国王族や国内の上位貴族から告白され続けていたのだが。

    最近は全くない。

    原因は叔父だ。叔父は父である国王の側室の弟で国の宝と呼ばれるほどの美青年。なのに、かなりイカれた残念美形で、迷惑な騒動を起こす問題児だ。

    叔父の奇行を好ましく思わない私は、彼の行動を自然と取り締まる位置に立つようになっていた。年も近く同じ美形なのに、美を汚す行動をする叔父が許せなかったのだ。

    他の兄弟姉妹も叔父の奇行防止にチャレンジをしたががやがやと周囲で騒ぐだけで手出しができず脱落していった。叔父の美しい笑みにほだされなすがままになってしまうのだ。

    しかし、私は叔父の笑みには屈しなかった。私が叔父に負けない美少女だったからだ。

    魅惑の笑みに屈せず叔父を捉え、その行いを正すのはいつのまにか私だけとなる。その中には黒歴史と呼ばれる鼻くそ事件もあり、それがきっかけで「お嫁さんにしたい姫」の称号が外され誰も近寄らなくなったのだが……

    ソレハ聞カナイデ。

    そんな悲劇のヒロインである私には、モーニングを楽しむ時間もない。叔父がなにかをしでかすと家来がすぐに報告に来るからだ。

    「どうして見つけ次第捉え……」

    ここまで話しかけたところで家来をじっと見る。

    「無理デス」

    その顔に大きく書かれてあった。

    「叔父の美貌に抗えないのね」

    恥ずかしそうに頷く家来に私は優雅に微笑む。思わず家来が顔を赤らめる。私は自分の罪深さに少し酔う。

    「叔父はどこ?」
    「あれがプールされた中庭の倉庫に……」
    「え?それを早く言えよっ!」

    高貴と優雅をかなぐり捨て私は廊下をものすごい足音で走り出す。付き従う家来に走りながら質問を投げかける。

    「どうして叔父がそこにいるの!」
    「ルーシーが大地のおとしものが中庭にあると言ったそうで」
    「またあのイカれアンドロイドの嘘かい!」

    思わず怨念のこもった叫びを放つ。虚言ばかり吐く頭部だけのアンドロイドを信じる叔父は、その言葉に従い国内でいつも騒ぎを起こすのだ。

    「月へでも追放したいわ!」

    血相を変えて現れた私に叔父は輝かんばかりの笑みを見せた。

    「ちょうどいいところに来た!」
    「ちょっと叔父様!それは……」

    叔父の手に握られたライターを見て私の表情は赤から青に変わる。

    「叔父様ぁ、それをどうするのかな?」
    「ん?これね大学の先生が……」

    19歳になる叔父を心配した側室が将来のために学歴だけでもと国の最高学府にねじ込んだのだが、正しい知恵を学ばず厄介な情報ばかり仕入れてくる。

    今回は国力を高める新素材「燃える石」に気づいてしまった。これまでの石炭と異なる未知の素材のため、城の中庭に倉庫を作り研究が始まるまで保管していたのだ。馬鹿に教えるとろくなことにならないので叔父に極秘で話を進めていたのに。

    誰ダヨ、コノ馬鹿ニ教エタ奴ハ。

    何人かの教授の顔を思い浮かべながら私は思わず舌打ちをする。

    「なにを聞いたのかな?」

    頬をひきつらせながら私は叔父に優しく問いかける。

    「先生がね、火を近づけると共鳴する珍しいナニカを見つけたって……」
    「ちょっと待ったあああ!」

    笑顔の叔父の指がスローモーションで動く。思わず私は飛びついたのだが。

    カチッ!

    「!!!」

    幸い火力の弱い器具では素材を上手く活かせないことが奇行でわかった。そして、新素材専用の火器を発明する方針が整う。

    奇行ガ研究ノ道筋ヲツケルナンテ許セナイ……

    私は美しい額に垂れ下がるチリチリとした前髪を忌まわしく思いながら、今日もルーシーと叔父を追いかけている。

    (1491字)

    昨年、早時期さんの企画「#パケどう」で生まれたキャラ2人を気に入っており、いつかシリーズ化したいと考えながら、ここまでなにもせず来ました。

    この#チャレがや杯2026開催をコッシー宣伝部長の記事で知った瞬間、美貌の姫と叔父のコンビを復活させるなら今だと閃きました。早時期さんの企画から生まれたキャラだったので、早時期さん推しのコッシー宣伝部長の企画に触発されたのだと思います。

    姫が話の中で触れている「鼻くそ事件」はこちらです👇

    コッシー宣伝部長、みくまゆたんさん、ふざけた作品となりました。お許しください。

    先週半ばから昨日までnoteを休んでいたらすごい作品がたくさんあって驚きました。帰りの車内で出来の良さににおののいたり、「全ワード使い」が大量にいて衝撃を受けたり。

    Xで思わず弱音を吐きましたが、なんとか「全ワード使い」の能力を発揮できました🙌

    「全ワード使い」の言い出しっぺなので、

    ・ワードは文中で1回限り使用
    ・「チャレがや」をぶち込む

    と自分で勝手に縛りを作ってみました。
    めちゃくちゃ楽しかったです♪
    素敵な企画、ありがとうございました!

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