
読書記録:地雷グリコ
青崎有吾の作品は初です。
トリック重視の作品なんでしょうかね。
『地雷グリコ』は、Amazonプライムで配信されるので事前に読んでおこうと積読から掘り出しました。
内容は、5つの短編連作で構成されています。
タイトルになっている『地雷グリコ』、2つ目は『坊主衰弱』、3つ目『自由律ジャンケン』、4つ目『だるまさんがかぞえた』、5つ目『フォールーム・ポーカー』となっていて、徐々に大勝負になっていきます。
誰もが知っているゲームにルール追加して展開するので展開についていけないってことにはならないと思います。
先にゲームを考えて、攻略法を練って逆転の仕掛けを決め、最後に話をのせたのでしょうかね。ストーリーがあまり盛り上がることはなかったように思いました。
『おもしろいか?』ってとこですが、この作品だけで判断するならおもしろいと思います。
小説でゲームの醍醐味を表現するのは難しいと思います。文庫本の解説を小川哲さんが書いてますが少し褒め過ぎな感じでした。
カイジやライアーゲーム、賭ケグルイなどを知っている人なら全然物足りないかもしれない。
ヒリヒリした勝負の醍醐味がないんで、あっさりしている。余韻が残らないって感じです。
これを実写化するので、ゲームを面白く見せるのは大変かも知れないな。
キャストは、真兎が森七菜、鉱田が蒔田彩珠、絵空が堀田真由、佐分利が山下美月なので俳優陣は良いけどドラマはどうかしらね?
この先ネタバレ
ここから先はネタバレありで各話について書いていきます。
長くなっちゃうので適当に流してご覧ください。
地雷グリコ
ジャンケンしてグリコやチヨコレイト、パイナツプルで先に進む遊びに地雷を仕掛けられるルール追加したゲーム。
この先の各話でお世話になる生徒会の椚先輩と学園祭の模擬店出店場所になる校舎屋上の争奪戦『愚煙試合』の決勝戦を戦う。
神社の階段(46段)で駆け引きしながら地雷を踏ませることで逆転するところがポイント。
ただ、椚先輩を地雷の連鎖で30段ペナルティを喰らわすがその後は勝ち切るところが書かれてない。勝負事の最後ちゃんと書いて欲しいんですけど。15段差なんて勝負が決まりとはなりません。
カイジとかライアーゲームとかだとゲーム中の読み合いとかの頭の中の考えを見てる側に教えて一緒にドキドキさせてくれるのに、この作品はそういうのがない。仕掛け重視のミステリーにありがちな肝心なところを見せない感じだな。
文章のなめらかさが無いし人物描写がうすいのでキャラに感情を乗せられない。
こういうところが残念なところです。
坊主衰弱
百人一首かるたで神経衰弱➕坊主めくりのルールで勝負。カフェの店長に出禁された学校のカルタ部の出禁解除をかけて戦う。
ゲーム自体の駆け引きではなくて店長のイカサマを逆にイカサマでやりかえすところがポイントです。
逆転のイカサマの仕込みにカルタ買いに行かせたり、カウンターで店長にコーラ注文したりが規模極小なんだけど、映画のオーシャンズ11が頭をかすめる。
イカサマの仕込みがちょっと無理矢理かな。
このあたりで真兎がイカサマを厭わない勝負をすることを見せている。
自由律ジャンケン
ジャンケンにお互いに一つずつオリジナルのジャンケンの型と効果を追加して勝負する。
佐分利会長との対戦でしたが、ルールの隙というか抜け穴を使ってのダマシあいが見どころです。
種明かしされると『たしかに』と『そんな簡単にひっかかる?』が同時にやってきます。
勝負の駆け引きもあってなかなか良いです。
ただ、ここでもゲーム中のあれこれの考えは書かれてない。
この話の冒頭で小さい頃の回想が少しあり真兎が賢い子だというエピソードを放り込んでいる。
これくらいでは全然足りないんですけどね。
だるまさんがかぞえた
星腰高校の生徒会と星腰高校内で奨学金コインと称するものを賭けた勝負をする。
だるまさんが転んだのアレンジルールのゲームで戦う。
ここでもゲームが真兎が有利になるルール追加を相手が受け入れてくれる。
そしてゲーム中にルールの隙間を利用して相手を完全にやり込める。
ここでもゲームそのものよりルールの裏を掻くような展開で勝ちを得る。
最後のゲームに向けての資金獲得のための消化試合みたいなものかな。
フォールーム・ポーカー
最終決戦。中学の同級生で星腰高校に進学した絵空と対戦する。
前話で巻き上げた資金は絵空との対戦用の資金になっています。
ゲームはポーカーですが四つの部屋にスペード♠️、クローバー♣️、ハート❤️、ダイヤ♦️が分けられて伏せて並べてある。手札三枚で役を作るので役の種類が少ない。カードのトランプのマーク(スート)も部屋毎になるので手札を捨ててドローするのが勝負の決め手になる。
絵空に翻弄されて追い詰められる真兎という展開で進んで、最後にひっくり返す逆転勝ちがスカッとするところ。
ここでもイカサマ、騙し討ち、仕掛け、ルールの裏となんでもありでおもしろいといえばそうなんだけど。
最後の逆転は、絵空ってそんなに間抜けなとこある?って感じです。
五話通して絵空に謝らせたかった事っていうのが絵空が仕掛けたカンニング騒動で鉱田の高校受験を間接的に邪魔したことっていうことだった。
そうなんだっていうのはあるが、人物描写がほぼないので特に興味ない感じになっちゃう。
ミステリー大賞は良いとして、山本周五郎賞も受賞したのは納得いかない感じがしました。
山本周五郎賞の選考委員も良くないのかなぁ。
愚痴書いたけど、良いところありますしもっと直したらすごい作品になるのになぁ!