
空を見上げて 2
これまでのお話は
エマが居候している友人の家は、雨ばかり降る地域に建っている。雨が苦手な彼は、自室に天窓があってそこに雨が降ることですら、憂鬱に感じていた。
彼は目が覚めると、一階にある本屋の中庭に面したソファへ移動する。そこには雨が降らないからだ。そして、夜になるまで本を読むのが今の日課だった。
妄想の建物を
全否定してくる主人公
パスタが茹でられている匂いがする。パスタではないかもしれない。小麦粉が練られたものが湯に入れられている匂いがする。
間違いなく自分は、店のソファにいたはずなのに、目の前にはリビングのローテーブルがある。あの変なサボテンが植えられた中庭ではない。あれは夢だったのかもしれない。いや、今が夢なのかもしれない。エマは自分がかぶっている見覚えのない毛布を見つめた。