
移動平均の読み方
こんにちは😊
先日のローソク足マスターの記事は大反響いただきましたが、おじさんは驚きました。反響はありがたいんですが、逆に言うと本質的なことをよく知らないままに株取引をしている人がたくさんいるってことですよね。
これはチャーンス! 少し学ぶだけで多数派に差をつけることができるということですよ😉
今回はローソク足と同じくらい使用している人が多い、移動平均について本質的なことを学ぶ記事を書いてみます。この記事を読めば移動平均について必要な知識をすべてマスターできるように書いてみたいと思います🥹
ローソク足と同様に、マーケットの力学を読み解くツールになるんですよ。それほど難しくないので、おさらいのつもりで読んでみてください!
移動平均(MA)の仕組み
移動平均(Moving Average:MA)は、過去の一定期間の株価(通常は終値)の平均値のことです。例えば5日MAというのは、直近5日間の株価の平均値です。これを線でつないだMA線は株価の平均的な動きやトレンドを視覚的に理解できる基本的なテクニカル指標です🥸
通常は「移動平均線(MA線)」で使います。まずはTOPIX(日足)を色々な日数のMA線と一緒に見てみましょう。

日数が多くなるほど滑らかな線になっていきますね。山や谷の位置に注目すると、MAの日数が増えると実際の株価の値動きに対して山や谷の位置が遅れて現れることがわかります。
どの日数のMA線を使えばいいのか迷いますよね。これは後ほど解説します😊
移動平均の基本
初心者の多くは「短期MAが長期MAを上抜けしたら買い(ゴールデンクロス)」「下抜けしたら売り(デッドクロス)」というクロスオーバー戦略を試していると思います。でも、思うような結果が得られなくてガッカリしてたり、MA線は使えないなーなんて思っていませんか?😭
クロスオーバーはチャートの基本でメチャクチャ使えます。使えないと思うのは「ゴールデンクロスは買い、デッドクロスは売り」ということだけ丸暗記しても、「なぜそうなるのか」がわかっていないからですね。本質的なことが理解できればもっと深い分析ができるようになります。

ではMAからは何がわかるのでしょうか。
次の3つが基本です。これは皆さんもよくご存知だと思います。
① トレンド
設定したMAの期間で、株価の上がってきているか、下がってきているか、もみ合い(レンジ)になっているか、といった傾向がわかります。MA線は平均化することで細かい株価の値動き(ノイズ)を除去できますので「平均的な値動き」がわかるからです。② クロスオーバー
長期MAが示す長期的なトレンドと短期MAが示す短期的なトレンドの差異で、トレンドの変化を見つけることができます。ブームがやってくると短期MAが先に反応しますから、これを視覚的に捉えようという考え方です。
ゴールデンクロス:短期MA線が長期MA線を下から上に突き抜けることで、買いシグナルとされています。
デッドクロス:短期MA線が長期MA線を上から下に突き抜けることで、売りシグナルとされています。③ 株価とMA線の位置関係
現在の株価がMA線より上で動き続ければ上昇トレンド、下で動き続ければ下降トレンドと考えられます。過去の平均よりも高いか低いかがひと目でわかるというわけです。
ただ、これらは「MAの読み方」であって「MAの分析の仕方」ではありません。もっと深いところを考えてみましょう🥸
移動平均から何がわかるのか
ここからがこの記事のメインです😉
例として、20日MA線を考えていきます。
過去20日間の平均値と現在の株価を比較するとどんなことが言えそうですか?
【20日MA線が意味すること】
20日MA線は過去20日の株価の平均をつないだ線ですので、次のように考えることができます。
20日MA線は過去の約1ヶ月(20営業日)における市場参加者の「平均的な取引水準価格」を示しています。つまり過去20日間の合意価格(コンセンサス価格)とも考えられます。平たく言うと「過去20日間では、売った人も買った人もこの価格が妥当と考えていた価格」ということです。
現在の株価がこの線より上なら「過去20日で買った市場参加者の多くが含み益の状態」、下なら「過去20日で買った市場参加者の多くが含み損」です。つまり、過去20日間で買った市場参加者の多数派(平均的な参加者)は、いま含み益なのか含み損なのかがわかります(図)🤔

この2つが最初の超重要ポイントになります。「合意価格」と「含み益/含み損判定」ですよ😘
つまり、株価が20日MA線より上にあるということは、いま買っている参加者は、過去20日間の平均的な参加者の合意価格より高い株価が妥当だと考えて買っていることになりますから「強気な人が増えてきた」ことがわかります。逆に株価が20日MA線より下にあるということは「弱気な人が増えてきて」、いま売っている参加者は、20日間の合意価格より低い株価が妥当だと考えていることになります。これらの強気/弱気心理によってMA線そのものが徐々に上昇/下降をしていきます🥸
例えば20日MA線よりずっと短い5日MA線を描いてみると、最近5日間の合意価格がわかります。5日MA線に引っ張られて20日MA線も下降したり上昇したりしていますね。

参加者の心理とプロスペクト理論
皆さん自身に置き換えて考えてみましょう。買った銘柄が含み益か含み損かでは気持ちが全然違いますよね😊。市場参加者は、含み益状態では「強気」、含み損状態では「弱気」になります。
つまり、株価が20日MA線を上回れば、過去20日の参加者は強気になっていきます。同じように過去50日、過去100日・・・というように多くの参加者が強気になっているかどうかは複数のMA線を引いてみるとわかるということです😎
複数のMA線を引いて現在の株価を分析すると、例えば「最近の参加者は強気になっているが、過去の参加者はまだまだ弱気」とか、「過去の参加者は強気のままだが最近の参加者は弱気になりつつある」といったことがわかるようになってきます。こういった参加時期ごとの参加者グループ心理の分岐点に相当するのが、上に書いたクロスオーバーというポイントになるわけです😉

ここでもう少し分析を深堀りしてみます。MA線と株価を注意深く観察すると次のような事象が観察できます🥸
MA線が上昇しているときは株価がMA線を下回ることはほとんどありません。逆に、MA線が下降しているときは株価がMA線を上回ることがほとんどありません。MA線がサポートラインとかレジスタンスラインになっているのを見たことありますよね?

これは上で説明した合意価格という考え方で説明できると考えられていて(真実は誰にもわかりませんよ😱)、次のような市場心理で「株価は合意価格=MA線に戻ってくることが多い」と考えるとわかりやすいです。
含み益の心理:
「今売れば儲かる」「まだ上がるかも」「含み益を減らしたくない」
合意価格から離れすぎると、高すぎるという心理で買いが減少することと、高く売れるうちに利確しておきたいという心理が高まる
含み損の心理:
「損失を確定したくない」「元の値段に戻るはず」「見ないふり(麻痺)」
合意価格から離れすぎると、損をしたくないという心理で売りが減少し、安いうちに買っておきたいという心理が高まる
市場参加者の多くがこの心理によって動くので、MA線を離れたり戻ったりという動きを繰返します。この結果として、MA線は支持線(サポートライン)や抵抗線(レジスタンスライン)として作用することになります。ここが次に重要なポイントです🤩。これはMA線の期間に関係なく生じる現象です。
「合意価格から離れすぎたら、もっと上がるかもと考える人が増えるのではないか」という指摘はごもっともです。上がり続けて合意価格に戻ってこない可能性もありますよね。この極端な例が煽られて集まってくるイナゴなのですが、イナゴは元々の参加者ではなく新しい少数派の参加者で、一時的な過熱なので上で書いた心理は当てはまりません。
実は、皆さんも一度は聞いたことがあるであろう「プロスペクト理論」の考え方を知っておくことが大切です😎
プロスペクト理論は、のちにノーベル経済学賞を受賞したダニエルさんと エイモスさんによって提唱された理論です。この理論は「人間はリスクを伴う意思決定を行う際、必ずしも合理的に行動しない」ということを示したもので、投資心理では非常に大切な考え方です。例えば、リンゴを2つもらってから1つ返すように言われるのと、最初から1つだけもらうのでは、同じ1つのリンゴをもらえたのに前者の方が損をした気分になる、みたいな心理の研究です(詳しくは学んでみてください)。
プロスペクト理論を市場参加者に当てはめると、統計学的には強気と弱気の半分ずつになるはずの参加者は半分ずつにはならなくて、以下のような心理になる参加者が多数派になります。
利益が出ているとき:確実に得たい気持ちが強く、小さな利益で満足しやすい(リスクを避ける)
損失が出ているとき:損を取り戻したくなり、むしろ大きなリスクを取る(損を確定したくない)
おわかりでしょうか。合意価格から離れる動きになるとプロスペクト理論で説明される心理が優勢になるので「株価が合意価格に戻ってくることが多い」のです。株価上昇のケースでは、MA線より株価が上昇するとそのまま保持または買増す人よりも確実に利益を取る人の方が増えてきて、株価はMA線(合意価格)に戻ろうとします🤔
MAの種類
MA線から市場心理を読み取る方法がわかってきましたね!🥸
ここまでの説明ではMA線は「単純移動平均線:SMA」で説明してきました。SMA線は過去のN日間の株価を足してNで割った値をつなげた線です。
このSMA線にはいくつかの弱点があるんです。
まず、MA線共通の弱点として「遅行指標」である点です。算出に過去のデータを使いますから、どうしても実際の株価よりも遅れて反応します。
それから、SMAは過去N日間の価格を全て同じ比重で扱っているので、昨日の株価とN日前の株価の重要性(重み)が同じ扱いになっています。
実は、株価チャートでよく使うMA線にはSMA以外の種類があります。応答性や重みづけといった弱点を改良したMAがあるのですが、オールマイティなMAは無くて、それぞれに一長一短があります。
今回はSMA・EMA・WMAの3つを紹介しますが、これ以外にもHMA・ALMAなど、たくさんのMAが開発されています。大雑把にいうと、応答スピードが速いMAほどノイズが入りやすくなります。定義や計算式は調べてみてくださいね。
SMA(Simple Moving Average: 単純移動平均線)
長期的なトレンドの把握に適しています。ノイズを減らす効果が高いので全体的な方向性を確認したい場合に使用します。株価に対する反応は遅めです。
WMA(Weighted Moving Average: 加重移動平均線)
最近のデータに大きな重みを与えてトレンドの変化を早期に捉えたいときに有効でSMAよりも速く反応します。N日WMAであれば、直近の重みをN、その前の日は(N-1)のように過去になるほど重みが減るように計算されます。短期トレンドフォロー戦略で、素早く売買シグナルを確認したいような場合に使用します。
EMA(Exponential Moving Average: 指数移動平均線)
WMAの重みづけを指数化してさらに最近の価格に重点を置いて計算されるようにしたMAです。短期トレンドの把握や迅速な反応が求められる場合に適していて価格変動に敏感です。直近のトレンド変化を察知するような場合に使用します。
移動平均ではなく株価の動きに忠実に平均線を描きたい場合、最小二乗平均線(回帰直線:LRL)という線を使う方法もあります。数学的には「期間中の株価と直線との誤差(残差)の二乗和が最小になる線」です。
通常の移動平均線は価格変動の平均値を滑らかにするのですが、最小二乗平均線は「線形トレンドそのもの」をモデル化するので、トレンドの強さや加速・減速を視覚的に理解しやすくなります。
同じチャートにそれぞれのMAとLRL(20日線)を同時に描くと下の図のようになります。

どのMAを使うかは目的と用途によります。実際に種類を変えてみて、銘柄・時間軸・売買方法に合わせてご自身で選ぶのがよいと思います😊
また、MAの計算に使用する株価には「終値」「(高値+安値)/2」「(高値+安値+終値+終値)/4」のような色々な値があります。これもMAの種類と同じでケースバイケースで選んでみてください。
[参考:TradingViewで使えるその他のMA]
TMA(Triangular Moving Average: 三角MA)
LWMA(Linear Weighted Moving Average: 線形加重MA)
DEMA(Double Exponential Moving Average: 二重指数MA)
KAMA(Kaufman Adaptive Moving Average: カウフマン適応MA)
TEMA(Triple Exponential Moving Average: 三重指数MA)
VMA(Variable Moving Average: 変数MA)
SMMA(Smoothed Moving Average: 平滑MA)
GMMA(Guppy Multiple Moving Average: グッピー複数MA)
MAバンドという考え方
ここで少し考えてみてほしいことがあります🥸
株価というものは常に変動していますから、本来、株価は線ではなくてバンド(帯)のような幅を持ったものになるはずです。例えば、先週5日間の値動きが非常に大きかったとしても、5MA線は1本の線になってしまいますから値動きの激しさまでわかりませんよね😣
ここで新しい知識です。MAは線ではなく「バンド」で描くことができて、この方が市場の大局的な動きが把握できることがあります。おじさんがここまで「MA線」という呼び方を使ってきたのは「MAバンド」と区別するためです。少し上のMA線比較と同じチャートをMAバンドで描いてみます。

だいぶ印象が変わりますよね。バンドで描くと現在の株価がバンドの中に入っているかどうかも把握しやすくなります🥰
MAバンドは株価の高値移動平均線と安値移動平均線の2本の線で囲まれたエリアです。MA線は通常は終値を使いますが、高値だけ・安値だけでMA線を2本描くとMAバンドが現れます。例えば20日MAバンドは「過去20日間の高値と安値の幅」を示していることになります。このエリアのちょうど中央をMA線が走っていることになります。
もちろん最小二乗平均線:LRLもバンドで示すことができます。
おじさんはチャート分析でMAバンドを使っています。
例えば、20MAバンドと200MAバンドが重なっていて、ここ最近の勢力(20MA)と1年単位の勢力(200MA)のどちらの合意価格が優勢になりそうかを検討したり、どの価格帯でサポートやレジスタンスが発生しそうかを考える場合にはバンドで考える方が圧倒的にミスが少なくなると思います🤩
というのも、MA線は細い1本の線ですから、20MA線が50MA線を少し超えても、どこまで離れれば超え切ったと言えるのかはわかりません。バンドなら分かりやすいですよね!
MAの設定
さて、最後になりましたが、移動平均の期間設定をどうすればよいかということを考えてみましょう。
デイトレをやる人と週足スイングをやる人ではチャートの時間軸が違いますから、スタイルによって設定が変わります。つまり、期間設定はトレードスタイルや相場状況によって適切に設定する必要があります。
日足チャートを見る場合、一般的に多く用いられている次の日数を参考にチューニングしてみてください😉
20日:1ヶ月の営業日数
65日:四半期(13週)
130日:半年(26週)
200日:1年
1000日:5年(積立投資)
これらの一般的な数値を使うメリットとして、多くの市場参加者がこれらの線を意識している、つまりサポートラインやレジスタンスラインとして意識しているので、市場の動きが読みやすいというメリットがあります。
これらの日数より少しだけ早い日数にチューニングすると、多くの市場参加者より先行して動けるメリットが出そうですよね😎
実例
最近のTOPIXの例です。LRLもバンドで示しています。
9日MAと21MAがほぼ一致していて上昇傾向なので全体としては強気相場が続いている状況です。200日MAはまだ上昇の傾向にないので、21MAを突破するような下落があると200日MAはあっさり突破されてしまうかもしれません。
1000日MAはあまり使いませんが、インデックス投信の積立勢がこのラインにいると考えてみてください。たっぷり含み益が出ています。この勢力が売りに回ることはほぼありませんから、4月の下落でも見事にこのラインで食い止められていますね。この1000日MAを割るようだとインデックス勢も逃げ出していることになりますから暴落が起きますけど、最近はインデックスブームなのでこれを切り崩す人はほとんどいないように思いますし、実はこのおかげで暴落なんてものはもう起きないのかもしれませんね😱

注目しておきたいのはゴールデンクロスやデッドクロスのようないわゆるクロスオーバーです。MA線(バンドの中央線)だと実際の株価変動よりかなり遅れて出てきますが、バンドで見るともっと早いですよね。LRLはもっと早い。1本の線で見るよりダマシも少ないですし、このあたりもバンドのメリットです。
まとめ
移動平均について解説してみました。
ローソク足と同じく、「どうしてそうなるのか」まで踏み込んで理解することで、次に何が起こるか分からない投資の世界で大切な応用力が身に付くようになります。この機会に移動平均についても勉強してみてください。
MAバンドというのはほとんどの方にとっては初めてのツールだったと思います。推奨しているわけではありませんが、知っておくとよい知識だと思います😉
ではまた!😊
おまけ
恒例のプレゼントは、上で紹介したMAバンドインジケータです。
簡易版はMAバンド1本が描けます。
※ 無料配布は終了しました。たくさんのDLありがとうございました。

記事で紹介したMAバンド4本とLRL(最小二乗平均線)が描ける豪華?バージョンはインジケータ配付ページに置いておきますね😊
ルール違反する方が出ましたので簡易版の配付も中止しています。交流のある方にはご提供しています(インジケータ配付ページ)。
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