
「ネットワークが繋がらない」の"ネットワーク"って何だ?!元高校球児が超やさしく解説!|ITの再入門 #7
「ネットワークがつながらない」
「社内ネットワークに接続してください」
「ネットワーク障害が発生しています」
仕事をしていると、こんな言葉を聞くことがあります。
でも、改めて聞かれたらどうでしょう。
「ネットワークって、何ですか?」
意外と、うまく説明できないかもしれません。
今回は、ITの基本中の基本である「ネットワーク」を、
できるだけ簡単に、図を多く添付し、分かりやすく考えてみます。
野球部の連絡網を思い出してみる
高校時代の野球部には、連絡網がありました。
監督が明日のスケジュールをキャプテンに伝える。
キャプテンから3年生へ、3年生から2年生へ、2年生から1年生へ。
こうして、監督の連絡が部員全員に届きます。

もちろん、コンピュータのネットワークと野球部の連絡網は、
同じものではありません。
ただ、
「複数のものがつながって、情報をやり取りする」
というイメージは共通しています。
ネットワークを理解する入口としては、ちょうどいいと思います。
ネットワークとは「つながって、情報をやり取りする仕組み」
ひとことで言うと、こうなります。
ネットワークとは、機器などがつながり、
情報をやり取りするための仕組みです。

人がつながって情報を伝えるのが、野球部の連絡網。
機器がつながって情報をやり取りするのが、コンピュータネットワーク。
「つながって、情報をやり取りする」という部分が共通しています。
ただし、連絡網は前の人から次の人へ順番に伝えていく形でしたが、
機器のネットワークは必ずしもそうではありません。
図のように、間にスイッチやルーターといった機器が入り、データを目的地へ届けます。
また、伝えるだけでなく、相手からデータが返ってくることもあります。
スイッチやルーターの詳しい話は、また別の回で見ていきます。
ネットワークにつながると、何が嬉しい?
会社のパソコンを考えてみます。
パソコンが1台だけなら、基本的にそのパソコンの中に
あるデータを使うことになります。
でも、ほかの機器とネットワークでつながると、
できることが増えます。
会社のプリンターを共有して使う
サーバに保存されたファイルを見る
別のパソコンやシステムとデータをやり取りする
インターネット上のWebサイトを見る
つまり、ネットワークがあることで、
自分の機器だけでなく、ほかの機器やサービスとも情報をやり取りできる
ようになります。

これが、ネットワークの大きな役割です。
機器は、どうやってつながる?
ネットワークを、道路にたとえてみます。
パソコンやサーバは「目的地」。
ケーブルや無線通信は「道」。
スイッチやルーターは、道をつなぎ、
データを目的地へ届ける役割を持っています。
データは、その道を行き来します。
実際のネットワークはもっと複雑ですが、最初は、
「情報が行き来するための道」
くらいのイメージで十分です。

その道には、大きく分けて有線と無線があります。
有線
LANケーブルなどを使って接続します。
安定した通信が必要な場面では、今でも有線接続が使われています。
→」これだけWi-Fiが発展しているのに、なぜLANケーブルは無くならない?|ITの再入門 #6|kai|元高校球児、現在IT技術者
無線
ケーブルを使わず、電波を使って接続します。
代表的なのがWi-Fiです。
スマホやノートパソコンが、ケーブルなしでネットワークにつながるのは、この無線の仕組みのおかげです。
実際の職場や家庭では、有線と無線を組み合わせて使っているのが普通です。
「LAN」「LANケーブル」「Wi-Fi」は何が違う?
前回の記事にも出てきた「LAN」を、ここで整理しておきます。
**LAN(ラン)**とは、家庭や会社、学校など、限られた範囲で機器をつなぐネットワークのことです。
ここで少しややこしいのが、「LANケーブル」です。
LAN:限られた範囲のネットワークの名前 (ローカルエリアネットワーク)
LANケーブル:LANなどのネットワークで機器を有線接続 するために使われるケーブル
Wi-Fi:ケーブルを使わず、無線でネットワークに 繋ぐ代表的な方式(無線LAN)
つまり、LANケーブルとLANは別物です。
LANケーブルは、LANなどのネットワークで機器を
有線接続するために使われるものです。
この3つは似た場面で登場するので、頭の中で
ごちゃ混ぜになりやすいのですが、意味は違います。
ここが整理できると、IT用語が少しずつ見通せるようになります。
なお、Wi-Fiにつながっていることと、インターネットに
つながっていることは、同じではありません。
例えば、病院の電子カルテなどでは、インターネットとは
分離されたネットワークを使っているケースがあります。
Wi-Fiは「機器をネットワークにつなぐ手段」で、その先が
インターネットにつながっているかどうかは、別の話です。
この違いは、次回の「インターネット」の回で整理します。
「ネットワークがつながらない」とは?
さて、冒頭の言葉に戻ります。
「ネットワークがつながらない」
簡単に言えば、
本来なら情報をやり取りできるはずの相手と、通信できない状態
のことです。

原因は、いろいろ考えられます。
LANケーブルが抜けている
Wi-Fiに接続できていない
スイッチやルーターに問題がある
IPアドレスの設定が違う
DNSがうまく働いていない
接続先のサーバに問題がある
つまり、
「ネットワークがつながらない」という一言だけでは、
原因までは分かりません。
そこでITの仕事では、原因を一つずつ切り分けていきます。
考え方はシンプルです。
「どこまでは通信できていて、どこから通信できなくなっているのか?」
例えば、Webサイトは普通に見られるのに、社内のシステム
だけ開けないとします。
その場合、少なくとも、パソコンから外部のWebサイトとは
通信できていることが分かります。
ただし、Webサイトと社内システムでは、通る道が違うことがあります。
そのため、社内システム側や、そこへ向かう途中のネットワークなど、
別の場所を調べる必要があります。
野球部の連絡網でも、考え方は似ています。
「1年生に連絡が届いていない」と分かったら、キャプテン、
3年生、2年生と順にたどって、どこで止まったのかを確認する。
ネットワークのトラブルも、
「どこまで届いているか」
を確かめていくことで、原因を絞り込んでいきます。
ここまでの記事は、全部つながっていた
ここで、これまでの「ITの再入門」を振り返ってみます。
LANケーブル、Wi-Fi(→ #6)
IPアドレス(→ #4)
ドメイン、DNS(→ #5)
サーバ(→ #3)
一つずつ見ると、別々のIT用語に見えます。
でも、実際にはどれもネットワークと深く関係しています。
例えば、パソコンから社内のシステムを使うとき。
パソコンが、LANケーブルやWi-Fiでネットワークにつながる
↓
IPアドレスを使って、通信先を指定する
↓
必要に応じて、DNSで名前をIPアドレスに変換する
↓
ネットワークを通って、目的のサーバへ届く
↓
サーバから、データが返ってくる
実際の通信はもっと複雑ですが、まずはこんなイメージで十分です。
今まで別々に見えていたIT用語は、実は一つの「ネットワーク」
の中でつながっていました。
まとめ
今回のポイントは、この4つです。
ネットワークとは、機器などがつながり、情報をやり取りするための仕組み
つながることで、**「共有」と「やり取り」**ができる
LANは、限られた範囲のネットワーク。LANケーブルは、
LANなどのネットワークで機器を有線接続するために使われるもの
「ネットワークがつながらない」ときは、 どこまで通信できているかを切り分けていく
高校時代の野球部の連絡網を思い出すと、
「誰かとつながって、情報を伝える」
こと自体は、特別なものではありません。
ITでは、その相手が人ではなく、パソコン、プリンター、
サーバ、ルーターなどの機器になっている。
そう考えると、「ネットワーク」という言葉
も少し身近に感じられるのではないでしょうか。
次に「ネットワークがつながらない」と言われたとき。
ただ、
「ネットワークって何だ?」
と考えるのではなく、
「どの機器と、どこまで通信できているんだろう?」
と考えてみてください。
それだけでも、ITを見る目が少し変わるかもしれません。
では、こうしたネットワークが世界中でつながり合ったものは、
何と呼ばれるのでしょうか。
次回は、「インターネット」の正体を見ていきます。
▼「ITの再入門」シリーズはこちらのマガジンにまとめています
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