
江戸時代の結婚生活あれこれ~誹風柳多留の江戸の古川柳より
江戸の庶民の結婚生活はどのようなものだったのだろうか。その一端を江戸の川柳からのぞいてみよう。
江戸の川柳を古川柳という。七七の問題(前句という)があり、それに対する五七五を一般人がつくり投稿する。優秀作には賞金が出るというものだった。
その優秀作を集めた「誹風柳多留」の作品を紹介する。わかりやすい表現にした句と原文の句と前句を並べているが、原文の前の数字は、「誹風柳多留」の巻数と作品番号。
おさまらぬものだと店で嫁のこと
4-635 おさまらぬものだと見世で嫁の事 ほころびにけりほころびにけり
前句は「ほころびにけり」で、ほころんでいるのは嫁と姑の関係。
「どうも、おさまらぬものだなあ」と店先でぼやいている、という句。
昔の大家族では嫁と姑問題から離婚話もよくあった。
あの女房すんでにおれがもつところ
4-132 あの女房すんでにおれがもつところ 前句不明
「あの女房」と近所の話題にもなる女房。
昔は恋愛結婚よりも、見合い結婚、あるいは見合いもせずに勝手に決められて、結婚式当日に相手を知るという結婚も多かった。だから、「あの女房」との結婚話もかつてはあったのかもしれない。
ところで「あの女房」の話題だが、どんな噂なのかなにも書いてない。良い噂の場合もあるし、悪い噂の場合もある。どちらにしても川柳の句としては成立している。
親たちは井戸と首とで婿を取り
4-24 おやたちは井戸と首とでむこを取 いろいろがあるいろいろがある
見合い結婚が多かった昔だが、恋愛結婚もある。
井戸は、井戸へ身投げをすること。首というのは首吊り自殺。一緒になれないのなら死んでやると娘に言われ、困ってしまった親たちは、そこでやっと好きな男と結婚させた、という句。
しあわせそうに見える夫婦にも「いろいろがある」といっている。
素人になったが最後そのしわさ
4-639 素人に成ったがさいごそのしわさ はたらきにけりはたらきにけり
玄人の遊女は、身請けされたり年季明けになると、素人の普通の女として結婚することもある。
「しわい」はケチなこと。
遊女のときには、金をどんどん使わせていたが、結婚すると一変して金にこまかくなりケチになったと詠んでいる。
そして働いて働いて働きまくるようになるという句。
遊女の人生を戯画化した黄表紙はこちら、
「誹風柳多留」の古川柳のまとめはこちらの後半部分に今まで紹介したもの全て載せている、
タイトル画像は黄表紙「作者胎内十月図」より、
黄表紙についてはこちらも、