
【起業塾①】六本木ヒルズでグッチを見て気づいた、事業がブレる会社に共通する「4つの抜け」
元動画:【公認会計士壁谷の起業塾】【実践編】①まず初めに行うことは?ビジネス4要件(かべちゃんの打ち出の小槌チャンネル)
https://youtube.com/channel/UCs_lAy70UMzf5WnQzsKaqeQ
著者情報
壁谷英薫|公認会計士・株式会社打ち出の小槌 代表取締役
財務・税務・労務・経営伴走・補助金の5分野を一気通貫でサポート
六本木ヒルズで見たグッチ
先日、六本木ヒルズに寄る用事があったんですが、ふとショーウィンドウに目をやると、GUCCIのバッグが並んでいました。
正直、私はそこまでファッションに詳しいわけでも、ブランド品に強い興味があるわけでもありません。皆さんの中にも「ブランドはちょっと縁遠い」という方は多いと思います。
でも、その裏側にある「ビジネスの構造」という観点で見ると、これがものすごく面白いんです。
なぜ「原価の何倍」でも売れるのか
GUCCIやエルメスのようなハイブランドは、革や素材にこだわっているのは事実です。ただ、それだけでは説明のつかない価格差があります。原価から考えれば数倍にもなる価格で、それでも欲しいと思う人が世界中にいる。
この差額には何が乗っているのか。答えは「ブランド」という無形資産です。
目に見えない資産——つまり、その会社が積み上げてきた「憧れ」「信頼」「コーナーに置かれているだけで伝わる世界観」。これらを維持するために、企業は広告費・マーケティング費用を投じ続けています。価格の中の少なくない部分は、実はこの「ブランドを維持するためのコスト」なんですね。
ここで私が皆さんに伝えたいのは、「ブランド品を買いましょう」という話ではありません。ブランドという極端な事例を通して見えてくる、ビジネスの本質の話です。
「うちは中小企業だから関係ない」と思うかもしれませんが、実は逆です。事業が伸び悩んでいる会社ほど、この本質的な部分——事業の「軸」が定まっていないケースが多いんです。
ビジネス4要件というフレームワーク
私がお客様から経営相談を受けるとき、話を聞きながら必ず頭の中で確認していることがあります。それが「ビジネス4要件」です。
事業を作るとき、あるいは事業がうまくいかなくなったときに立ち返るべき、大元のフレームワークです。
Who(誰が):誰がこの事業をやるのか
Whom(誰に):誰に向けて売るのか
What(何を):何を売るのか
How much(いくらで):いくらで売るのか
言葉にすると当たり前に聞こえるかもしれません。ですが、相談を受けていて「あ、このターゲット設定は甘いな」と感じる瞬間が、驚くほど頻繁にあります。そして、ここがブレていると、どれだけ頑張って施策を打っても、事業は思うように伸びていきません。
ターゲットがブレると何が起きるか
例えば、こんなケースを考えてみます(実際の相談内容をもとにした一般的な事例です)。
ある個人事業で始めたサービス業の方が、「客数を増やしたい」という理由で、当初想定していた客層とは違う層にも値引きをして広げていったとします。一見、Whom(誰に)を広げただけのようですが、実際にはWhat(何を)とHow much(いくらで)も一緒にブレてしまっています。
元々のお客様が求めていた「専門性の高さ」への対価だったはずの価格が、値引きによって「専門性がなくても手に入るもの」という印象に変わってしまう。結果として、単価は下がり、以前からのお客様も離れていく——という悪循環が起きます。
これは、Who・Whom・What・How muchのどれか一つを動かすと、他の3つにも影響が及ぶ、ということを示す典型例です。だからこそ、単発で見直すのではなく、常に4つセットで確認し続ける必要があるんですね。
これから事業を始める方も、すでに走り出している方も、この4要件は一度決めて終わりではありません。市場も、自分たちの実力も、常に変わっていくからです。
まとめ:4要件は「見直し続ける」もの
グッチの話に戻ると、あのブランドも「一度作ったら終わり」ではなく、Who・Whom・What・How muchを一貫させ続けることで、あの価格帯を維持しています。
中小企業やこれから起業する方にとっても同じです。
誰が、この事業をやるのか
誰に向けて、届けるのか
何を、売るのか
いくらで、売るのか
この4つが噛み合っているか。今、自分の事業を振り返るところから始めてみてください。すでに走らせている事業がある方も、「今やっていることを見直す」という視点で、ぜひ一度立ち止まってみていただきたいと思います。
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次回:「全部自分でやる」を疑うところから、事業の伸びしろは決まる——ビジネス4要件「Who」を深掘る(起業塾②)9/24公開
最後に、ひとつだけお願いです
「自分の事業の4要件、実は整理できていないかもしれない」——そう感じた方がいたら、一人で抱え込まずに一度話してみませんか。
打ち出の小槌では、財務・税務・労務・補助金だけでなく、こうした事業の「軸」そのものを一緒に整理する経営伴走サービスも行っています。