
【起業塾②】「全部自分でやる」を疑うところから、事業の伸びしろは決まる——ビジネス4要件「Who」を深掘る
元動画:【壁谷の起業塾】【実践編】ビジネス4要件②WHO誰がやる?(かべちゃんの打ち出の小槌チャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=mVcr4V-tNdE
(2026-08-24:URL確定。当初共有されたタイムスタンプ付き要約は自動生成要約のズレと判明し、実際の逐語文字起こしと同一内容であることを確認済み)
著者情報
壁谷英薫|公認会計士・株式会社打ち出の小槌 代表取締役
財務・税務・労務・経営伴走・補助金の5分野を一気通貫でサポート
「誰がやるか」に、実は正解が2つある
前回、事業を作る・見直すときに立ち返るべき「ビジネス4要件」——Who(誰が)・Whom(誰に)・What(何を)・How much(いくらで)——というフレームワークをお伝えしました。
今回はその中の最初の要件、Who(誰がやるか)を深掘りしていきます。
「誰がやるか」と聞かれたら、多くの方が「自分がやります」と答えると思います。事業を立ち上げたばかりの方や、これから始めようとしている方であれば、それは間違っていません。
ただ、事業が大きくなっていく過程で、この「Who」にはもう一つの軸が必要になってきます。
「自分一人称」から抜け出せない会社の共通点
事業のスタート地点では、Whoは基本的に「自分」です。「僕がやります」「私がやります」——それでいいんです。
ですが、事業を見直す相談を受けていると、事業が大きくなってきているにもかかわらず、いつまでも「自分一人称」から抜け出せていない会社をよく見かけます。
ここで頭に置いておきたい考え方が、ジョイントベンチャー(JV)——つまり「共同でやる」という概念です。事業の全体像を、必ずしも自分一人で担う必要はない、という視点です。
もちろん、自分の力だけで最後まで駆け上がっていくビジネスがあってもいい。それも一つの正解です。ただ、事業が本来の意味で成功していく過程では、誰かに助けてもらう場面が必ず出てきます。
そのときに問われるのが、「自分はどこを担い、どこを他の人に任せるのか」という役割の切り分けです。
経営者の役割は「手を動かす」から「頭を使う」へ移っていく
会社が大きくなっていくにつれて、経営者の一番の役割は何かというと、実は「手を動かすこと」ではありません。「頭を使うこと」——戦略を考え、どう会社を動かしていくかを考えることに変わっていきます。
この「頭を使う」という行動と、「自分が現場で手を動かす」という行動とでは、生み出す価値がまったく違います。最初は自分で全部やっていたことも、社員や外部の人に実際の作業を担ってもらう、という選択肢が出てくるわけです。
つまり「Who」を明確にするというのは、事業の中で
自分の強みで、自分がやりたいこと
やりたくない、あるいは得意ではないこと
をはっきり切り分けるということです。自分が「やりたくない」と感じている部分は、実は他の誰かにとっての得意分野である可能性が高い。人にはそれぞれ向き不向きがあります。細かい事務作業が得意な人もいれば、それが極端に苦手な人もいる。それは能力の優劣ではなく、単純にタイプの違いです。
だからこそ、「自分がやりたくない部分を、自分が担い続ける必要はない」というのが大前提になります。
役割分担を決めることが、スタート地点になる
例えば、こんなケースを考えてみます(一般的な事例です)。
一人で立ち上げた事業が軌道に乗り始め、受注が増えてきたとします。ところが、経営者本人が見積書の作成や事務処理まですべて自分でこなし続けていて、本来考えるべき「次の一手」を検討する時間が取れない——という状態です。
ここで必要なのは、「全部自分でやる」という前提を一度疑ってみることです。全部自分でやると決めるならそれでいい。ですが、やらないと決めるなら、どこを誰にジョイントしてもらうのか、どう協業していくのかを具体的に考える必要があります。
役割分担を決めることは、単なる作業の切り出しではありません。「これから自分がどの方向に進むべきか」を定める、事業の立ち位置そのものを決める作業なんです。
まとめ:Whoの本質は「自分の役割の境界線」を引くこと
ビジネス4要件の一つ目、Who(誰がやるか)は、単に「創業者は誰か」を確認するものではありません。
自分がやりたい・自分の強みが活きる部分はどこか
やりたくない・得意ではない部分はどこか
その部分を、誰とどう協業していくのか
この境界線をしっかり自分の言葉で説明できるようになること。これが今回のゴールです。事業を始めたばかりの方も、すでに大きくなってきている方も、一度立ち止まって、自分の「Who」を見直してみてください。
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最後に、ひとつだけお願いです
「自分が何を担い、何を任せるべきか」——これは一人で考えていると、意外と整理がつかないテーマです。
打ち出の小槌では、財務・税務・労務・補助金だけでなく、こうした事業の役割設計そのものを一緒に整理する経営伴走サービスも行っています。