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精神科に入院したのは、病気だけが原因じゃなかった。



    精神科病院での一日の流れについては、以前の記事で書きました。

    そもそも、なぜ入院することになったのか


    今回は、その少し前の話。

    そもそも、私はなぜ精神科病院に入院することになったのか。

    もちろん、うつ病になったことは大きな理由の一つです。

    でも、今振り返ってみると、病気だけが原因だったわけではありませんでした。

    いくつものことが、重なっていたのです。

    仕事のこと。

    労働問題のこと。

    家庭のこと。

    人間関係のこと。

    子どものこと。

    そして、自分自身の体調のこと。

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    ひとつひとつを取り出してみれば、それぞれ何とかしようとしていました。

    仕事の問題があれば、調べる。

    必要なら動く。

    家族のことがあれば、自分にできることを考える。

    私は、そうやって「動いて解決する」ことが多かったと思います。


    いろいろなことが重なっていた


    でも、いろいろなことが同時に起こってくると、そう簡単にはいきませんでした。

    仕事のことを考えていると家庭のことが気になる。

    家庭のことを考えていると、また仕事の問題が頭に浮かぶ。

    子どものことも気になる。

    自分自身の体調も悪くなっていく。

    一つの問題を解決すれば終わる、という状態ではありませんでした。

    いくつものことが重なって、少しずつ生活全体がぎくしゃくしていったのだと思います。


    自分一人では整理できなくなっていた

    そして、病気が進んでいくにつれて、自分自身にも変化がありました。

    以前なら流せたことが気になったり、人の言葉を悪い方向に受け止めてしまったり。

    周囲の人を信用することが難しくなったり。

    今振り返ると、少しずつ視野が狭くなっていたのだと思います。

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    もちろん、その時の私はそんなふうには思っていませんでした。

    「これを何とかしなきゃ」

    「こっちもやらなきゃ」

    そう思って、一生懸命動いていました。

    でも、動けば動くほど、また別のところで何かが起きる。

    そんな状態になっていました。

    気がつけば、自分一人で全部を整理することが難しくなっていたのだと思います。


    入院という選択肢

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    そんな中で、精神科病院への入院という選択肢が出てきました。

    最初は、「入院」という言葉に、私自身も少し抵抗がありました。

    精神科の入院というと、病気がかなり重くなった人が、治療のために入る場所。

    私はそんなイメージを持っていたのだと思います。


    私にとっての『環境調整』

    でも、実際の私の入院は、それだけではありませんでした。

    私の場合は、治療と同時に「環境調整」という意味が大きかったのです。

    いったん今いる環境から離れる。

    仕事のことから離れる。

    家庭のことからも少し距離を置く。

    そして、医療や支援につながりながら、自分自身を立て直していく。

    そんな時間が必要だったのだと思います。

    問題そのものを、入院したからといって全部解決できるわけではありません。

    労働問題がなくなるわけでもない。

    家庭のことが突然よくなるわけでもない。

    子どものことだって、入院したから全部解決するわけではありません。

    でも、問題を解決する前に、

    「まず、自分が少し休まなければいけない」

    ということがある。

    そのために、一度その環境から離れる。

    私にとっての入院は、そんな意味も持っていました。

    入院している間は、毎日決まった時間に起きて、ご飯を食べて、作業療法をして、お風呂に入って、薬を飲んで、眠る。

    以前の記事にも書いたように、病院での生活は思っていたより「普通の生活」でした。

    でも、その「普通の生活」を、自分一人で維持することが難しくなっていた時期が、私にはあったのだと思います。

    誰かに食事を用意してもらう。

    決まった時間に薬を飲む。

    看護師さんに体調を確認してもらう。

    作業療法に参加する。

    眠れなければ相談する。

    そうやって、生活そのものをいったん整えてもらう。

    それは、私にとって必要なことでした。

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    入院して、少しずつ考えられるようになった

    そして、少しずつ余裕が戻ってくると、自分のことを考える時間も増えていきました。

    「私はどうしたいんだろう」

    入院してから、そんなことを考えることが増えました。

    以前の私は、何かあればすぐ動いていました。

    でも、今は一度立ち止まる。

    今日はここまででいい。

    これは今すぐ解決しなくてもいい。

    誰かに任せてもいい。

    そんなふうに考えられるようになってきました。

    だから、今振り返ると、

    私は「病気になったから入院した」というだけではなかったのだと思います。

    いろいろなことが重なって、自分の力だけでは生活を立て直すことが難しくなった。

    病気によって、自分自身の余裕や物事の受け止め方も変わっていった。

    その状態のまま、仕事や家庭、人間関係など、いくつものことに対応し続けていました。

    だから、一度そこから離れて、環境を整える必要があった。

    そして、その時間の中で、自分自身のことを考える余裕を取り戻していった。

    それが、私にとっての精神科入院でした。


    入院したから、すべてが解決したわけではない

    入院したから、すべてが解決したわけではありません。

    今も、解決していないことはあります。

    でも、入院する前の私と、今の私では、少し違います。

    「何とかしなきゃ」とすぐに動くのではなく、

    「今の私に必要なのは何だろう」

    と考えられるようになった。

    それだけでも、私にとっては大きな変化でした。

    精神科への入院は、人によって理由も目的も違うと思います。

    治療が必要だから入院する人もいる。

    安全を確保するために入院する人もいる。

    そして私のように、治療をしながら、今いる環境から一度離れて生活を立て直すために入院する人もいる。

    「入院」という言葉だけでは、その人がどんな状況にいたのかは分からない。

    私自身、入院してみて初めて分かったことでした。

    だから今は、

    「入院するほどなのかな」

    と迷っている人がいるなら、

    「入院する=すべてが終わった」

    ということではないよ、と伝えたい。

    少なくとも私にとっては、

    「一度立ち止まって、自分を立て直すための時間」

    でした。

    そして、あのとき一度立ち止まったことが、今の私につながっています。

    まだ、回復の途中ですけどね。



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