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Photo bypartonpantor

蘇生試験【毎週ショートショートnote】

    「ここはどこ?」
    「火星だよ」

    …

    哺乳類の中でリスは冬眠する。

    リスの普段の体温は37℃だが冬眠すると5℃まで下がる。心拍数や呼吸数も下がり、代謝速度に至っては普段の1/100以下になる。

    代謝速度が加齢に比例すると仮定すれば、100年眠ったとしても1年しか歳を取らないことになる。

    その代謝速度でも生きていられる理由の一つは、普段血中にある『冬眠特異的タンパク質』が冬眠中は脳へ移動するからだ。

    拓海は『冬眠特異的タンパク質』を開発した。冬眠しないマウスでコールドスリープ装置による冬眠蘇生試験を繰り返し、人での臨床試験という最終段階にまで到達していた。

    「本当にいいのか?」
    「このままだと、死んじゃうだけだから…」

    「未来の医療は…」
    「そうね。あっという間に治しちゃうわね」

    幼馴染の咲良は膵臓の病気で余命わずかと診断されていた。

    「病気が治ったら、何したい」
    「火星に行ってみたい」

    拓海は咲良が入ったコールドスリープ装置の電源を入れた。

    (410文字)


    裏お題「火星馬券」につづく



    柳田理科雄さんのこちらの記事を参考にしました。



    たらはかにさんの企画に参加しています。
    毎週ありがとうございます。

    #毎週ショートショートnote
    #ショートショート
    #蘇生試験

     
     
    ショートストーリー(というよりは端的に物事を伝える練習)を主に投稿してます。ドイツを一人旅しました。阪神タイガース、埼玉ワイルドナイツ、越谷アルファーズ、浦和レッズのファンです。ラジオを聴きながら、あちこち食べ歩き回ってます。たまに演劇を鑑賞します。21~24時頃に現れます。

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