
信号機ぶどう味 【毎週ショートショートnote】
ぱあん!
四人の男子生徒が一斉に走りだした。
中学三年。
受験前最後のイベント、体育祭。
全員、気合い十分だ。
走った先の机には、四枚の紙が置いてある。
皆、ほぼ同時に開く。
信号機ぶどう味
「なぁんだよ!! これぇぇぇ!!! 」
野球部の岡田くんが叫ぶ。
「これを借りてくるだと……?」
生徒会長の伊藤くんは眉をひそめる。
「シンゴウキ……ブドウアジ……無理ゲー……」
帰宅部の福田くんは空を見上げた。
「誰か! 信号機持ってませんか!! ぶどう味のぉ!!! 」
吹奏楽部の小西くんは客席に詰め寄る。
会場は騒然。
そのとき、一人の女子生徒が手を上げた。
「信号機……あります」
「ありますか?!」
小西くんがすかさず駆け寄る。
美術部の小川さんが差し出したのは、
木彫りの信号機。
赤・黄・青の部分には本物のぶどうが詰め込まれている。
「これです! 」
小西くんは信号機を借り、猛ダッシュ。
そして、一位でゴールした。
会場が沸く。
小西くんは知ってしまった。
一番左のぶどうだけが、シャインマスカットだと。
こちらの企画に参加させていただきました。いつもありがとうございます!
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