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喧華道(けんかどう)|毎週ショートショートnote|マッチョ華道

    「本日の試練は、
     男塾名物『喧華道けんかどう』である!」
     

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    喧華道。

    それは、喧嘩けんかと華道を合わせて生まれた芸道である。

    審査は「華・筋・喧」の3項目で行う。

    「華」は、完成した生け花の姿形の美しさ。
    「筋」は、生け花と己の肉体との対応具合。
    「喧」は、掛け声・決めポーズなどの迫力。

    開始の銅鑼が鳴った。

    「セイヤァァッ!」

    対戦者は向かい合って花を生ける。

    だが、実際に戦う相手は、
    自分自身の羞恥心だ。

    一枝挿すたびに、
    「ハッ!」「ヘイッ!」「ジョワッ!」など、
    大きな掛け声を発するという過酷なルール。

    そして、いちいちボディビルポーズを差し挟む。

    耳にも、目にも、実に喧やかましい。

    やがて両者、巨大な花器を頭上へ掲げた。

    「決華けっか!」

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    花。筋肉。謎のドヤ顔。

    教官が叫ぶ。

    「両者、失格!」

    「なぜだ?」

    「顔がイケてないからである!」

    なお、現代において、
    魅力的であることを「イケてる」というのは、
    喧華道の、花を「生けてる」姿が語源である。
    ※『喧華道大全』(民明書房)より

    (410字)※ルビ除く
     
    『喧華道/男塾名物 編』(了)
     



    【お知らせ】

    この後、別のショートショートをもう1本掲載しています。
     


    田原にかさんの「毎週ショートショートnote」、
    32回目の投稿です。

    今回のお題は「マッチョ華道」でした。

    えーと。

    マッチョで、華道……?

    いろいろ考えたのですが――

    「マッチョ×華道」で思い浮かんだのは、
    筋肉と生け花を掛け合わせた新しい華道、
    「喧華道」でした。

    喧嘩かと思わせて、
    単に「喧やかましい」華道(笑)

    どうせやるなら、思い切って、
    「喧華道」そのものを作ってしまいましょう✨

    ――こんな感じに!

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    モデルは、剣桃太郎(男塾一号生筆頭)

    そう!
    何かを捏造するなら、『民明書房』の出番です(笑)

    民明書房とは、漫画「魁!!男塾」に登場する実在しない架空の出版社。
    作中に登場する数々の(荒唐無稽な)武術についての解説が「民明書房の本からの引用」というていで登場する。

    民明書房/ピクシブ百科事典より

    そこで、今回は、
    往年の名作マンガ『魁!!男塾』(宮下あきら)のパロディにしました。

    パロディといっても、作品の舞台を借りただけなので、
    「男塾」をまったく知らなくても、何にも問題ありません。

    知っていた方が、冒頭に出てくるマンガの1コマが、
    より楽しめるくらいです(笑)

    冒頭のマンガは、『魁!!男塾』からの引用で、
    一部セリフを「喧華道」にあわせて改変しました。

    花器を持ち上げているイラストの2人は、
    田沢と松尾。
    実在(?)の男塾一号生です。
    (※AI作画)

    それにしても、
    「顔がイケてない」って……

    不適切にもほどがありますね💦

    今なら●●●問題になりそうなセリフですが、

    ・元が昭和のマンガであること
    ・鬼教官お約束の理不尽系ギャグであること
    ・この2人はそういう役回りのキャラであること

    ……このような観点で、笑ってお許しください🙇‍♂️

     
    さて。

    せっかく、『民明書房』を持ち出したからには、
    とことんやります!!

    今回は「喧華道」の歴史を捏造……
    もとい、妄想してみました。

    ――絶対に信じちゃダメですよ!(笑)
     


    喧華道の歴史

    喧華道の始まりは、華道の歴史より古く、
    平安時代末期にさかのぼる。

    当時、京都に「花競べ」と呼ばれる遊びがあり、
    貴族たちは互いに美しい花を持ち寄って優劣を競っていた。

    ところが、ある年、筋肉を育てることを好む若者、
    隆々院 剛ノ介(りゅうりゅういん ごうのすけ)が、
    花競べの作法をまったく知らないまま大会に乱入。

    彼は庭に咲いていた牡丹をむしり、
    「花とはッ! 己の肉体を映す鏡なりッ!」
    と叫びながら、胸筋の形に花を並べたという。

    会場は騒然。

    しかし、なぜかその作品が優勝した。

    理由について、当時の記録には、
    「言葉の意味は分からぬが、とにかくすごい自信だ」
    とだけ記されていたと伝えられている。

    その後、剛ノ介は弟子を集め、
    胸華・肩華・背華・腕華・腹華・脚華
    という六つの型を制定。

    これが現在の「喧華道六大奥義」の原型になったとされる。

    しかし、鎌倉時代になると、
    「花を生けるたびに大声を出すのは近所迷惑である」
    として一時衰退。

    室町時代には再び流行するものの、この頃になると
    「花そのものより、花を生けている本人の方が目立つ」
    ということが問題視されるようになる。

    そこで、第十三代宗家・筋違院 華胴(すじちがいいん かどう)が、
    「花七分、筋三分」
    という教えを制定。

    しかし、本人が異常に筋骨隆々だったため、
    弟子たちは「どう見ても筋九分ではないか」と反発。

    ここから流派が二つに分裂した。

    一方は、花を重視する華筋派。
    もう一方は、筋肉を重視する筋華派。

    さらに、江戸時代には、
    「そもそも花を使わなくても筋肉だけでよいのではないか」
    という無華派まで登場した。

    これが、現代に伝わるボディビルの起源である。

    明治以降、喧華道は急速に近代化。

    西洋からダンベルが伝来すると、
    「これこそ究極の花器ではないか」
    という誤解が全国に広まり、
    ダンベルの穴に花を挿す「鉄華式」が一時大流行。

    しかし、水が漏れるという致命的欠陥のため、定着しなかった。

    そして、ダンベルを正しく使った筋トレの普及に伴い、
    喧華道の競技人口は急激に減少。

    現在、細々と伝わる喧華道においては、
    こうした長い迷走の歴史を踏まえ、
    「秘すれば花なり。鍛えれば華なり。」
    を最高理念としている――

    ※『喧華道大全』(民明書房)より 

    #なんのはなしですか


    いかがでしたか?
    思わず、信じそうになりましたよね?(笑)

    先ほどの「喧華道の歴史」の中に、
    本当のことは、一つもありません!

    ちなみに、途中で出てくる、
    「言葉の意味は分からぬが、とにかくすごい自信だ」
    のフレーズの元ネタは、

    こちらもマッチョジャンルを代表するマンガ、
    『キン肉マン』(ゆでたまご)の有名なセリフです。

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    筋肉メイン回に、キン肉マンまで引用できて、
    もう、思い残すことはありません……
     

    じゃなかった!


    もう1本、ショートショートを用意しているんでした!!


    それでは、心を落ち着けてお読みください。

    2本目です。どうぞ。
     


    『喧華道/花の命 編』


    戦う相手は、己の羞恥心――

    そう教わって、私は喧華道を続けてきた。

    人前で筋肉をさらすことも、
    声を張り上げることも、平気になった。

    だが、年を取るのは平気ではなかった。

    細くなった腕。
    踏ん張りがきかなくなった足腰。

    私は毎日鍛えた。
    若い頃の自分に、少しでも戻るために。

    ある日、師範から一本の花を渡された。

    色は褪せ、茎は曲がっている。

    「これは、もう盛りを過ぎています」

    私が言うと、師範はその花を、そのまま花器に挿した。

    「整えないんですか?」

    「若い頃の形に戻す必要があるのか?」

    私は黙った。

    花は、今の姿のまま生けられていた。
    決して、みすぼらしくはない。

    私は、ずっと、老いに抗っているつもりで、
    昔の自分を生きようとしていただけだった――

    その日の演技で、
    私は、枯れかけた花を、そのまま掲げた。

    老いた花は、なお美しかった。

    演技を終えて、私は、礼をした。

    対戦者に。
    師範に。

    そして、花に。

    イケてる。

    それは、今の自分を生きているということなのだ。

    (410字)

    『喧華道/花の命 編』(了)
     


    2本目は、1本目とまったく違う雰囲気にしてみました。
     
    「花の命」といえば、

    「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」

    を思い出す方も多いでしょう。

    「放浪記」で有名な、林芙美子さんの詩です。

    それも良いです。

    でも、私は、こちらの方がもっと好きです。

    大地真央 CM★日本生命 ナイスデイ 床屋編


    今となっては、
    「そこに愛はあるんか?」でおなじみのおかみさん……
    もとい、大地真央さんです。

    私は、「花の命は結構長い」と歌う、この曲が大好きです。

    これは、女性の歌として歌われていますが、

    男性でも、女性でも。

    花の命は、けっこう長いですよ!
     


    ここまで、
    ショートショート2本と、
    「民明書房」風の怪しい歴史書をお読みいただきました。

    今回のお題「マッチョ華道」を見て、一番に思い浮かんだのは、
    実は、こういうネタでした。

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    マッチョ戦隊ボディビルジャー!😆

    マッチョはいいけど、
    ぜんぜん華道じゃない🤣🤣🤣

    ……先日投稿した、
    新しいヒーローを考える企画が頭から抜けてませんね!

    今風の(?)課金まみれヒーロー、
    ウインクマンが活躍する作品です。

    未読の方は、ぜひお読みください。
     


    <お知らせ>

    私の前回のショートショート、
    『積読スコープ』(お題:積読美術館)が、
    なんと、1,000スキの大台を超えました!

    こんなにもたくさんのスキをいただけて、
    本当に、感動しています🥹

    お読みいただいた方、
    スキを押してくださった方。

    本当にありがとうございました!!

    まだ、お読みでない方は、ぜひお読みくださいね✨


    それから、その1つ前のショートショート、
    『グレープのテイスト』(お題:信号機ぶどう味)も、
    趣向を凝らした、テクニカルな作品です。

    なぜ、「ぶどう味」ではなく、
    「グレープのテイスト」なのか。

    「ぶどう」でも、「味」でもない、
    ダブルミーニングを仕込んでいます。

    こちらも、未読の方は、ぜひお読みくださいね!✨
     

    <最近、ご好評をいただいている作品>


    「きのころサークル」通信

    メンバーシップ「きのころサークル」について。

    こちらも、通常記事と同様に、
    かなりネタが渋滞してきました!

    ある記事が「できるまで」、そして「できたあと」。

    新キャラを作る企画、きのころのぬい活、などなど、
    通常記事から派生した企画が、続々進行中です。
      

    <最近のきのころサークル>
    こちらの記事の続きとして――

    「積読美術館」の裏話や、
    学芸員さんの追加情報などを掲載しています。

    新作マンガには、館長さんも登場!
    館長さんの意外な素顔をお披露目しています。

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    マンガの一部を抜粋しました。
    館長さんの姿は、積読美術館のトップシークレットです(笑)


    そして、こちらの記事から派生した作品として――


    5人全員が「毒」属性の、異色のダークヒーロー、
    「キノコ戦隊ドクレンジャー」のメンバーを大紹介。

    「フルエブルー」(寒気担当)の雄姿を見て、
    震えてください(笑)

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    ……こんなメンバーが他に4人🤭

    このように、
    メンバーシップ「きのころサークル」では
    本編とはまた違ったさまざまな企画で、
    いろいろ遊んでいます。

    一緒に楽しんでくださる方、募集中です✨


    本日は以上です。
    お読みいただきまして、ありがとうございました。

    #マッチョ華道
    #毎週ショートショートnote

     
     
    関西在住。1級FP、独立系司書。50代でFIREを達成し、 何があっても「この先、生きのころー!」をテーマに 自称「マルチ・ポテンシャライター」(多趣味ライター 的な造語)として活動。今まで読んだ5000冊以上の本 から生まれたアイデアをもとに、童心で楽しむ日常 や創作を発信中。

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