
なぜ私は物語を書くのか?
こんにちは。前田泰章です。
前回のnoteではコンセプトの話をしました。
「物語を通して読者に
心理療法を体験してもらう」
このコンセプトにしたのには理由がある。
それは、私自身の出版経験だ。
実は私は、
出版社を通して紙の本を出版している。
テーマは「生きづらさ」。
18年間のカウンセリングで
実際に行ってきた心理療法をまとめた本だった。
商業出版ではない。
自費出版でもない。
企業出版という形で世に出した。
全国の書店にも並んだ。
書店営業、書評依頼、Amazon広告、有名ネットサイト、新聞広告、電車広告など、できる限りのプロモーションも行った。

ちなみに、
その出版費用と広告費は著者負担。
総額約800万円!!
私にとっては人生をかけた挑戦だった。
ありがたいことに重版もかかった。
台湾でも翻訳出版された。
印税も少しは入った。
普通に考えれば、
十分恵まれているのかもしれない。
でも、私の目標には届かなかった。
ベストセラーには程遠かった。
その後も心理療法の解説本を
電子書籍で出版し続けた。
それでも売れない。

知名度がないからだと思った。
広告も出した。
それでも売れない。
そこで初めて思った。
「何かが違う。」
私が伝えたいことと、
読者が求めているものは、
本当に一致しているのだろうか?
💡💡💡
そこから、心理学の本を徹底的に調べ始めた。
売れている本も読んだ。
読者の立場になって読んでみた。
そして、一つの仮説にたどり着いた。
心理学の解説本は、
知名度のある著者でなければ
読まれにくいのではないか?
海外ならアドラーやユング。
日本なら河合隼雄さん、加藤諦三さん、中野信子さん、東畑開人さんなどが有名だ。
「あの人が書いた本だから読みたい。」
そう思ってもらえる著者は強い。
もちろん、
無名でも内容が圧倒的によければ売れる本もあるだろう。
でも、私にはそう思えなかった。
このまま同じ土俵で勝負しても、勝てない。
そう感じた。
そこで考えた。
物語ならどうだろう。
知名度が高くなくても、
物語なら読んでもらえるのではないか。
🌈🌈🌈
日本人は物語が好きだ。
いや、日本人だけではない。
人間は物語に心を動かされる生き物
なのだと思う。
ユングも、それに近いことを語っている。
ユング心理学では、人の心の奥には「集合的無意識」という、人類に共通する深い心の層があると考えられている。
そこには、母、子ども、英雄、影、再生といった、人類共通の心の型が存在する。
その心の型は、神話や昔話、夢、そして物語の中に姿を変えて現れる。
だから私たちは、遠い国の神話にも、何百年も語り継がれてきた物語にも、自分の人生を重ねてしまうのかもしれない。
人と人を深いところでつないでいるもの。
それは、言葉になる前の感情であり、
無意識の中にある共通の心の型であり、
そして、
その心を運んでくれる「物語」なのだと思う。
私は心理療法を説明したいのではない。
心理療法を体験してほしい。
だから私は、
心理学の解説本ではなく、物語を書く。
この挑戦は、
800万円をかけた出版経験と、
その後の何度もの試行錯誤の先にたどり着いた、
私なりの答えである。
この考えが正しいかどうかは、まだ分からない。
でも私は、この仮説を信じて書いてみたい。
前田泰章
👇新しいことへの挑戦を宣言してみました!