
妥協した方が早い。でも、僕の頭がそれを許してくれない。
どうも、久我レイジです。
現在制作中のメタバースドラマ『記録にない君』
今、Blenderを使って「劇場版アニメーション風・シネマティック2.5D」という映像表現に挑戦しています。
簡単に言えば、3Dモデルを使いながら、劇場版アニメのような美しい映像を作りたいわけです。
キャラクターの表情、光の演出、背景との一体感、そしてカメラワーク。頭の中には、こんな映像にしたいというイメージがあります。
言葉にすると簡単なんですけどね。
これが、まあ難しい(笑)
壁を壊したら、また壁が出てくる

最初は、キャラクターの質感を改善するところから始まりました。
3D特有の見た目を抑えて、できるだけアニメらしい表現に近づけたい。
今回取り組んでいるのは、ユイというキャラクターのVRMモデルを、劇場版アニメのような映像表現に近づけることです。
Blenderでシェーダーやライティングを調整し、2.5Dの表現方法も検証しています。ところが、ひとつ改善すると、今度は別の部分に違和感が出てくるんです。光の当たり方を変えれば影がおかしくなり、質感を調整すれば立体感が失われる。
静止画では良く見えても、表情や視線を動かしてみると何かが違う。
見た目が良くなるだけでは、ドラマの映像として使えないんですよね。
「おっ! 今度こそいい感じ!」と思った数分後には「いや、なんか違うな……」この繰り返しです。
Claudeと一緒に何度も検証を重ね、技術資料を調べたり、別の表現方法を試したりしています。
でも、なかなか理想には届きません。あれはダメ。これも違う。
ようやく突破口が見えたと思ったら、その先に別の壁が待っている。
壁を壊したら、また壁が出てくる。
もはや壁の建設ラッシュです(笑)
しかも、この建設業者は仕事が早い。
こちらがひとつ問題を解決する間に、次の壁を用意して待っているんですから、たまったものじゃありません。
そして現在、一度振り出しに戻って考え直しています。
妥協という悪魔のささやき

ここまで来ると、さすがに頭をよぎります。
「もう妥協してもいいんじゃない?」
確かに、今の状態でも作品として成立させる方法はあります。そもそも『記録にない君』は、メタバースを中心に撮影するドラマです。
すべての映像を劇場版アニメのように仕上げる必要はありません。Blenderで補完する場面を限定すれば、制作の負担も減らせます。
頭では理解しているんです。
でも、その直後に別の自分が出てくるんですよね。
「いや、まだ何か方法があるんじゃないか?」
厄介なことに、こちらの声の方が大きい(笑)
僕はアニメーションの専門家でもなければ、絵を描く技術もありません。
それでも、頭の中には作りたい映像がある。
そして今は、AIという頼れる技術があります。
これまで技術不足を理由に諦めていた表現にも、挑戦できる時代になりました。
ただ、ひとつ大きな誤算がありました。
AIのおかげで作業は楽になると思っていたのに、挑戦することが増えて、むしろ忙しくなっている。
以前なら「自分には無理だな」で終わっていたことも、今は「もしかしたら作れるかもしれない」と考えてしまう。すると、次から次へと試したいことが増えていくんです。
便利になったはずなのに、どうしてこうなったんでしょうね。😂
振り出しに戻ることは、失敗なのか?

今回、一度立ち止まって考え直すことにしました。
これまで試した方法を整理して、何ができて、何が難しかったのかを見直しています。実は、振り出しに戻るといっても、完全にゼロになるわけではありません。うまくいかなかった検証にも、ちゃんと意味があります。
少なくとも、その方法では理想に届かなかったことが分かったわけですから。
もちろん、時間は使っています。
何時間も検証した結果、採用できるものが何もない日だってあります。
そんな日は、さすがに少し落ち込みます。
でも、翌日になると、また別の方法を調べている自分がいるんですよね。
我ながら、なかなか懲りない性格です(笑)
妥協することと、方法を変えることは違う

今回の挑戦で、あらためて思うことがあります。
妥協することと、方法を変えることは違う。
ひとつの技術にこだわり続ける必要はありません。目指している映像を実現できるなら、別の方法に切り替えてもいい。大切なのは、特定の技術を使うことではなく、作品として何を表現したいのか。
そこを見失わないことだと思っています。
たった数秒の映像かもしれません。
でも、その数秒を見た人が、思わず息を止めてしまうような場面を作りたいんです。ただし、監督として忘れてはいけないこともあります。僕が技術の検証を楽しんでいる間にも、作品の完成を待ってくれている人たちがいます。
キャストもいれば、一緒に制作している仲間もいる。
だから、いつまでも理想だけを追いかけているわけにはいきません。
どこかで判断する必要があります。それでも、まだ試していない可能性があるなら、もう少しだけ粘ってみたい。
何より、こうして試行錯誤している時間そのものが、僕にとっては結構楽しかったりするんです。
うまくいかないときは、もちろん頭を抱えますけどね(笑)
というわけで、振り出しに戻った僕は、今日もClaudeと作戦会議です。
さて、次こそ突破できるのか。
それとも、新しい壁が建設されるのか。
できれば、そろそろ建築業者には撤退していただきたいところです。
そして、いつか完成した映像を見て、
「あのとき、諦めなくて良かったな」
そう思えたら最高ですね。
まだまだ、僕の挑戦は続きます。
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