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腸と脳の関係は知られてきた。でも、目と脳はまだ知られていない。


    ──同じ「見る」でも、脳の反応は違う。



    ゲームなら、

    寝ずに何時間でも続けられる。


    漫画なら、

    全巻一気読みできる。


    好きな作家の本なら、

    食事も忘れ、

    夢中で読み続けられる。


    でも、

    数式や化学式を見ているだけで、

    瞼が重くなり、

    急に眠くなることがある。


    同じように目を使い、

    同じように何かを見ているのに、

    脳の反応はまったく違う。

    興味。

    感情。

    思考。

    ストレス。


    目は、そのすべてと深くつながっている。


    「目は心の窓」と言われるのも、

    きっと偶然ではない。

    ⸻

    腸は第二の脳


    この言葉は最近では、

    ずいぶん知られるようになった。

    腸内環境。

    自律神経。

    感情。

    免疫。

    腸と脳が互いに影響し合うことは、

    少しずつ一般にも広がってきた。

    でも、

    目と脳の関係については、

    まだあまり知られていない。


    多くの人にとって目は、

    外の景色を見るための器官だ。


    疲れたら休ませる。

    乾いたら目薬をさす。

    見えづらくなれば、

    眼鏡で見え方を補い、

    単に視力の問題として考える。


    もちろん、

    それも大切だ。

    でも目は、

    ただ映像を受け取るだけの

    カメラではない。


    眼の奥にある網膜は、

    脳と同じ中枢神経系の一部だ。

    光や色。

    形や動き。

    距離や広がり。

    目から入る情報は、

    脳の働きだけでなく、

    呼吸や姿勢、

    身体の緊張にもつながっている。

    ⸻

    緊張しているとき、


    人は一点を見つめやすくなる。

    視野が狭くなり、

    周囲の情報が入りにくくなる。

    呼吸が浅くなり、

    首や肩が固まり、

    考え方まで狭くなることがある。

    反対に、

    視野がふっと広がると、

    身体の緊張が少しほどける。

    呼吸が戻り、

    周囲の気配が入り、

    自分の中に余白が生まれる。


    僕が小学生の頃、

    授業と授業の間の休憩時間には、

    窓から遠くの海や山を見るよう勧められていた。

    黒板や教科書やノートに集中したあと、

    遠くを見ることで、

    目のピント調節を休ませる。

    今さらだけど、

    すごく理にかなっていたのだと思う。


    目は、

    脳の状態を映しているだけではない。

    何を見ているか。

    どのように見ているか。

    その目の使い方によって、

    脳や身体の反応も変わっている。

    ⸻


    スマホを長く見続ける。

    近くの一点に集中する。

    興味のないものを無理に追う。


    それぞれ同じ「見る」でも、

    目の使い方も、

    脳の反応も違う。


    思考の速さ。

    落ち着かなさ。

    集中の偏り。

    身体の緊張。

    その背景に、

    目の使い方が隠れていることもある。

    ⸻

    腸と脳の関係が知られてきたように、

    これからは、

    目と脳の関係も、

    もっと日常の身体感覚として

    知られていくのだと思う。


    目を整えることは、

    ただ見えやすくすることではない。

    世界の受け取り方を整え、

    自分の内側のリズムを

    取り戻すことでもある。




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    呼吸と身体の専門家|臨床もうすぐ30年 身体を通して、人生の見え方を変える。 呼吸・感覚・無意識から、自分の主導権を取り戻すためのnote。 初めての方へ ▶ 身体を知るための3つの入口 https://note.com/labo402/m/m921dacd5f7fa

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