
図書館流通センター(TRC)とは?【図書館浪漫5】
株式会社図書館流通センターという企業があります。
1979創業で、図書館向け書籍販売、書誌情報データベースの作成・販売、図書館管理業務の受託などをおこなっています。
略称は、TRCです。
自分の本をいかに図書館での蔵書を増やしていくかを考えた場合、図書館流通センター(TRC)の存在が鍵を握っています。
図書館に置かれている本は、書店で売られている本と明確な違いがあります。
ひとつは、図書館の本は帯が外されるということです。
もうひとつは、フィルムコーティングです。図書館の本は、表紙を汚れや破損から守るために、専用の透明フィルムが貼り付けられているのは、皆さんご存知だと思います。
他にも、蔵書印の押印や、貸出・返却処理をおこなうためのICタグやバーコードの貼付、請求番号(本の分類番号)が書かれたラベル貼りなどが施されます。
これら一連の作業は、”装備”とよばれます。
装備されないと、図書館の書棚に並べること(=配架)ができません。
ここが重要で、図書館が書店や取次から本だけを購入した場合、誰かが装備という作業を請け負わなければなりません。
図書館流通センター(TRC)から購入すると、フィルムコーティングなど一連の装備が施された状態で、本が納品されるのです。
たくさんの本を新規に受け入れなければならない図書館にとって、すぐに配架できる状態で本が届くのは、大きな業務軽減に繋がります。
また、図書館流通センターは、TRC MARCといって書誌情報データベースの作成・販売をおこなっています。これを9割以上の図書館が利用しており、選書の参考にしていると思われます。
さらに、TRC MARCに登録された内容をもとに、新刊発売情報をまとめた「週刊新刊全点案内」という図書館向け情報誌も発行しています。
ですから、情報提供と図書館用書籍販売という点で、図書館流通センター(TRC)は全国の図書館にとってなくてはならない存在です。
正確なシェアは不明ですが、TRCが図書館用の本の販売数において、トップであることは間違いないと考えられます。
私が本を出した出版社さんでは、新刊の発売前の会議でTRC担当の方も参加され、図書館でどれくらい蔵書が見込めそうか、議論されるそうです。
私の本は、その会議で図書館受けが良さそうだと判断され、実際にTRCから初回300冊の発注がありました。
これから本を出そうという方で、もし販促方法にあまり自信がなければ、是非図書館流通センターのことを研究してみたらよいのではと考えます。
実際の出版体験に基づいた話題を綴っています。
出版に興味がある方の参考になれば、幸いです。
マガジン”図書館浪漫”では、出版した本が図書館に蔵書されるための方策を考えていきます。